新型センチュリー、フェンダーミラーはなぜ消えた?

【東京モーターショー2017】トヨタ センチュリー

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東京モーターショー2017で、トヨタは来年発売予定の新型センチュリーを発表しました。ひと目でセンチュリーとわかる外観ですが、従来型と異なるのはドアミラーの採用。新型センチュリーにフェンダーミラーは、用意されないのでしょうか。
Chapter
絶滅寸前!フェンダーミラー
フェンダーミラーのメリット
フェンダーミラーのデメリット
新型センチュリーにフェンダーミラーは採用されないのか?

絶滅寸前!フェンダーミラー

1983年3月にドアミラーが認可されるまで、国産車はフェンダーミラーが標準装備でした。ドアミラー初採用となったのは、日産パルサーエクサで、スタイリッシュな2ドアクーペでした。

ドアミラーはファッション性に優れ、アメリカで流行した後、日本に上陸したためか、当時のアメリカ文化に憧れる若者を中心に流行。その後、現在のように国産車ほぼ全車で採用されるまでに普及され、フェンダーミラーは現在絶滅寸前となっています。

ではまずは、一般的なフェンダーミラーのメリット、デメリットを紹介します。

フェンダーミラーのメリット

メリット①:視線の移動が少ない

フェンダーミラーは、運転手の前方、フロントフェンダー上部付近に設置されます。そのため、運転中、ほんの少し視線を移動させるだけで、鏡に映り込んだ後方の様子が確認できます。

また運転者より距離のあるフェンダー上に設置されるため、死角が少ないというメリットもあります。

メリット②:車幅≒全幅

フェンダーミラーの突出部は、極めて最小に抑えられています。そのため車体の最大幅である全幅と左右フェンダーミラーの最大突出部間の距離は、ほぼ同じでした。

フェンダーが通れば車体全体が通る、と言われます。

メリット③:運転者と後席ゲストの視線が合わない

ドアミラーでは、乗降時に運転手とゲストの視線が合ってしまうことがあります。ところが、フェンダーミラーなら鏡面が遠いため、運転手の視線まではバレず、後席ゲストには気分良く乗車してもらえるのです。

タクシーやショーファーにフェンダーミラーが多く採用されるのは、この”運転者と後席ゲストの視線が合わない”が大きな理由です。




フェンダーミラーのデメリット

現在、フェンダーミラーは、運転のプロ御用達の匠のツールといった趣きで扱われています。

しかしそんなフェンダーミラーにも、デメリットがあります。

デメリット①:ミラーまでの距離が遠い

フェンダーミラーの鏡面は、ドアミラーと比較すればはるか彼方。それが前述のメリットを生み出す反面、見えにくいというデメリットも生みます。

視力が低下してきたら、鏡面が近いドアミラーを選びたいですね。

デメリット②:スタイリングがレトロチック

フェンダーミラーの装着されている車は、どうしても古い車に見えてしまいます。

ただ、新型センチュリーのような50年前の初代モデルの意匠を受け継ぐネオクラッシックな外観なら、似合わないことはないと思うのですが…。

デメリット③:運転中、常にミラーが視界の中

ドアミラーに慣れると、後方の情報が欲しいときだけ、ミラーを見れば良いので、情報の整理が付きやすくなります。

対するフェンダーミラーは、鏡面が運転中でも視界に入るため、リアルタイムで周囲の状況をモニタリングできます。慣れていないと、情報量過多になるようです。

新型センチュリーにフェンダーミラーは採用されないのか?

東京モーターショー2017で公開された新型センチュリーのプロトタイプには、ステー式ドアミラーが装備されています。

豊田章男社長曰く、センチュリーはトヨタ社内なら名誉会長にのみあてがわれるモデルです。当然、運転手付きのショーファー。プロの運転手に好まれるフェンダーミラーが用意されないはずがありません。

実際のところ、トヨタから新型センチュリーのフェンダーミラーについては、なんの情報もありません。そこで筆者はひとつの仮説を立てました。お披露目された新型センチュリープロトタイプは、ショーモデルのためスタイリッシュなドアミラーを装着したのではないか、と。

2018年6月前後とされる発売時には、オプションでフェンダーミラー仕様車が選べるようになると思われます。2代目センチュリーでは、ドアミラーがオプションでしたが、3代目は逆になるのかもしれませんね。

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