助手席やリアシートを外して走行すると違反なの?

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サーキット走行を楽しむ方なら、軽量化のために助手席やリアシートを外したいですよね。各シートを外した状態で公道を走行しても交通違反に問われませんが、車検には通りません。なぜでしょうか?
Chapter
各シートを外すとどんな交通違反に?
各シートを外しても車検に通るのか?
シートを外すデメリットは?

各シートを外すとどんな交通違反に?

※脱着可能な三菱 パジェロ ロングボディの3列目シート
日本国内の自動車は、2つのルールにのっとり生産・運行されています。それが自動車の保安基準を定める道路運送車両法と、運行ルールを定める道路交通法です。

自動車のシートは工具を使用すれば、ほぼ全車種で脱着可能。フロントシートをレカロなどの社外品に変更しているオーナーは少なくありません。

また現行型パジェロのロングボディや欧米の3列シート車で、3列目が簡単に脱着できる構造になっている車種では、3列目シートを外すことで広大なラゲッジスペースを確保できます。

この場合、3列目シートを外して公道を走行しても、交通違反には問われません。なぜなら、3列目シートが脱着可能な車種は、その前提で型式認定を受けているからです。

一方、脱着構造を備えていない助手席や2列目シートは、構造上簡単には外せません。関東運輸局東京運輸支局によれば、脱着困難なシートを取り外したうえでの公道走行は、好ましく無いとのこと。グレーゾーンです。

じつは日本の道路交通法には、本来備え付けられているシートを外して公道を走行したら違法と規定する項目はありません。整備不良では?と考えられますが、整備不良に該当する項目は制動装置類と尾灯類のみ。シート未装着では、整備不良とはなりません。

ただし、シートがあった場所に人を乗せて公道を走行すると、安全運転義務違反で検挙対象となります。

各シートを外しても車検に通るのか?

では、本来備え付けられているシートを外すと、不正改造になるのでしょうか?

国土交通省のサイトで乗用車の不正改造例としてあがっているのは、灯火類の色変更、フロントガラスとフロントサイドガラスへの着色フィルムの貼り付け、マフラーの切断や取り外し、フロントガラスへの装飾、基準外のエアロパーツの装着、スピードリミッターの解除。シートの取り外しは、不正改造にはあたらないようです。

道路運送車両法で座席の基準が定められたのは、昭和50年12月1日。固定式と取り外し式が認可対象となりました。この認可は、車両の型式認定に必要なものです。

つまり、装着してあるシートを取り外してしまうと、そのままでは車検に通らなくなるのです。矛盾しますが、警察に取り締まられはしないものの、公道を走行するには不適切と判定されます。これは量産車は型式認定を受け市販されており、車検では認定を受けた仕様と同じ状態であることが求められるからです。

一時的な目的でリアシートや助手席を外さざるを得ないならまだしも、その状態で常用するのであれば、車体構造変更届けを提出し、公認改造車として登録し直すのが理想です。

シートを外すデメリットは?

スポーツカーの助手席を外せば、約20kg程度の軽量化というメリットが生じます。反面、もし警察に見つかり、公認改造車でないとなると心証は悪くなり、不正改造はないかと細かくチェックされることでしょう。また、公認を受けた車両であっても、保険会社にその旨を伝えていない場合、重大な契約違反になることも考えられます。

さらに、シートを外した状態で事故を起こした場合、任意保険は絶望的です。任意保険は、契約時の車両状態であることを前提に補償を提供しているからです。

サーキット走行会などのためにシートを外して走行している車両をたまに目にしますが、できればシートは走行会場で外すようにしたいものですね。

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