クジラ、だるま、てんとう虫にブルドック…これ全部わかりますか?

4代目クラウン

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クジラ、ダルマ、てんとう虫、シーラカンス、ブルドッグなど、1980年代までは実に多様な車種が、それぞれの車種の特徴を見事に表す愛称が使用されていました。しかし2017年現在ではランクルぐらいでしょうか?自動車の愛称を年代別にご紹介しながら、その変遷や愛称が使われなくなった原因を考えてみます。
Chapter
自動車の愛称の由来は?
1970年代以前に愛称で呼ばれたクルマ
1980年代に愛称で呼ばれたクルマ
1990年以降に愛称で呼ばれたクルマ
なぜ自動車の愛称は廃れたのか?

自動車の愛称の由来は?

かつて日本では、自動車を愛称で呼んでいた時代がありました。その由来は主に4つに大別されます。

・メーカー謹製の愛称
・キャッチコピーやCM
・自動車のデザインやキャラクターからユーザーが命名
・商品名の省略

今回は、広く消費者に浸透した愛称で呼ばれたクルマをご紹介します。

1970年代以前に愛称で呼ばれたクルマ

1970年代までの車種で愛称で呼ばれたクルマは、軽自動車、スポーツカーから上級セダン、SUVまで非常に幅広いジャンルで、数多く存在しました。

スバル 360の「てんとう虫」、トヨタ スポーツ800の「ヨタハチ」、初代トヨタ セリカの「ダルマ(セリカ)」、初代マツダ サバンナRX-7の「セブン」、4代目トヨタ クラウンの「クジラ(クラウン)」、1964年より販売されている初代三菱 デボネアは「シーラカンス」と呼ばれ、初代トヨタ ランドクルーザーの「ランクル」は今も使用されています。

愛称の宝庫とも言える日産 スカイラインでは、3代目が「ハコスカ」、4代目が「ケンメリ」、5代目が「ジャパン」でした。

1980年代に愛称で呼ばれたクルマ

1980年代でも軽自動車、スポーツカーから上級セダンまで幅広いジャンルで、愛称で一般的に通じるクルマが多い時代でした。

スズキ マイティボーイの「マー坊」、初代ホンダ シティターボIIの「ブルドッグ」、4代目AE86型トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノの「ハチロク」、4代目トヨタ セリカの「流面形(セリカ)」、ユーノス ロードスターの「ユーノス」などです。

愛称の極め付けは「白いマークII」。これだけで「X70型5代目トヨタ マークII TWINCAM24 GRANDE 4速AT、ボディカラーはスーパーホワイトII」とまで意味するほどでした。

日産 スカイラインでは6代目が「ニューマン」、RS後期モデルが「鉄仮面」、7代目が「セブンス」と呼ばれました。8代目はCMの「超感覚」ではなく、型式の「R32」が一般的な愛称となります。

1983年に発表された、7代目トヨタ クラウンのCMで初めて使用された「いつかはクラウン」は愛称ではありませんが、クラウン購入動機や出世を目指す合言葉的に使用されていました。

1990年以降に愛称で呼ばれたクルマ

1990年代以降、自動車を愛称で呼ぶことは少なくなりました。従来から使用されている「セブン」「ランクル」、新規車では「サル!サル!サルー!」の初代日産 アベニール・サリュー、12代目トヨタ クラウンの「ゼロクラウン」程度です。

代わりに8代目スカイラインから見られる、型式を愛称として用いる現象がスポーツモデルを中心に出現します。

歴代マツダ RX-7を初代からSA、FC、FDと呼んだり、日産 スカイラインなら9代目を「R33」、10代目を「R34」と呼ぶことが通例です。これはGT-Rの存在が関係しているようで、型式でどの世代のモデルか分かる仕組みです。

ホンダ シビックはタイプRが設定される6代目モデルから型式で呼ぶ傾向が強く、愛称の「ミラクル」よりは「EK型」の方が通りが良いようです。

なぜ自動車の愛称は廃れたのか?

自動車の愛称を年代ごとに区切ってみると、1980年代までが全盛期で1990年代以降はぱったりとなくなることがわかります。これは経済状況が大いに関係していると思われます。

1990年までは好景気で新車が売れた時代、1990年以降は不景気で新車が売れない時代です。特に1970~1980年代は自動車の普及期でもあったため、自動車購入は消費者の一大関心事でした。

商品に関心があるからこそ愛称で呼ぶのです。この文化は現代では一部のスポーツカー好きに、型式で呼ぶことで受け継がれています。
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