KF-VETターボ搭載のダイハツ キャストスポーツ 圧倒的な応答性を持つ「7速CVT」の実力とは?

ダイハツ キャストスポーツ

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今回は、ダイハツ キャストスポーツ(DBA-LA250S/DBA-LA260S)の魅力について紹介します。

2015年9月発売のダイハツ キャストにはスタイル、アクティバ、そしてスポーツの3種類のモデルが用意されていました。キャストスポーツは、7速CVTをはじめとした「走り」のモデルです。

積極的に宣伝はされておらず、残念ながら2020年3月には生産終了してしまいましたが、ソニカ以来の「軽グランツーリスモ」とも言えるキャストスポーツ。今回はその魅力に迫りたいと思います。
Chapter
「キャスト」はダイハツの欠けたピースの集合体
それぞれに欠けたピースを当てはめた「キャスト」
ダイハツ キャストスポーツのスポーティーさの漂うエクステリア
ダイハツ キャストスポーツの個性と高級感を合わせ持つインテリア
10年以上前からのダイハツが取り組む「一人何役」
キャスト・スポーツの最新エンジンとMTが無い理由
ダイハツ キャストスポーツの7速CVTの優れた制御

「キャスト」はダイハツの欠けたピースの集合体

キャストは3種類のラインアップから、様々な側面を持ちます。まず1つ目がミラジーノからミラココアに至る軽レトロ調ファミリーカー。次に、2つ目はリーザ、オプティに続き、ソニカで一旦途切れた軽GTスペシャリティカー路線。

それから、3つ目がミラTR-XXに始まり、新規格以降もミラAVYやミラカスタムとして存続していた軽スポーツハッチバック路線。そして最後に、4つ目がテリオスキッド一代で途絶えたヘビーデューティー軽SUVと、ネイキッド一代で途絶えたソフト軽SUV路線の統合です。

これらのコンセプト全てをひとつの車種でまとめ、廃盤などで欠けていったパズルのピースを集めたクルマがキャストとも言えます。

それぞれに欠けたピースを当てはめた「キャスト」

キャストスタイルにはミラココアやムーヴラテのピースを。
キャストアクティバにはテリオスキッドとネイキッドのピースを。
キャストスポーツにはソニカやミラカスタムのピースを、それぞれはめ込んだ、キャストはそんな風にも見えます。そして、はめこまれたピースがそのまま、各モデルの特徴になりました。

残念ながら、この3つのモデルのうち、キャストアクティバとキャストスポーツは2020年3月で生産終了となってしまい、現在はキャストスタイルだけが残っています。

ダイハツ キャストスポーツのスポーティーさの漂うエクステリア

質にこだわりスタイリッシュで都会的なキャストスタイル、SUVテイストのアクティブな走りを楽しめるキャストアクティバに対して、キャストスポーツはスポーティーで精悍されたスタイルを持つモデルとなっています。

キャストスポーツのエクステリア(外装)はフォグランプやフロントグリルはキャストスタイルを同じですが、フロントグリルの網目の形状が違っており、専用のエンブレムがあしらわれていることも特徴です。

さらに、サイドストーンガードやエアロバンパーにはレッドピンストライプが施されたデザインとなっています。ボディーカラーはこのレッドピンストライプが映えるよう3色が基本のカラーとして用意されており、ツートーンも選べるようになっています。

ダイハツ キャストスポーツの個性と高級感を合わせ持つインテリア

インテリアも他のキャストとは異なるキャストスポーツならではの特徴があります。特にブラックを基調とした中にレッドが組み合わされたインパネは、スポーティーさが際立つデザインとなっています。

キャストアクティバのインテリアでもブラックとレッドを組み合わせたものが用意されています。しかしキャストスポーツはキャストアクティバよりも、明るめのマッドレッドを採用していて、よりスポーティな仕上がりとなっています。

キャストのシートは、スエード調のフルファブリック、ディープボーダー柄のファブリック、ブラックレザー調の3種類あり、モデルやグレードによって装備されるシートが異なるのです。キャストスポーツではブラックレザー調のシートが採用されており、スポーティーさだけでなく高級感あふれる仕様になっています。

10年以上前からのダイハツが取り組む「一人何役」

これに関してはどこのメーカーも同じですが、ダイハツも徹底的なコストダウンと、それで得られた余剰リソースの全てを投じて、高品質化・高機能化を図ってきています。

数多くあったエンジンも新規格以降時と新世代のKFエンジンに世代交代した時、ターボ(KF-DET)とNA(KF-VE)の2種類だけになり、軽トラからコペンまでこの2種類のどちらかになりました。さらに2代目コペン以降は可変バルタイターボの「KF-VET」への入れ替えが進んでいる状態です。

 

同じようにボディの集約も進んでおり、コペンやこのキャストのように、同じクルマでも仕様の異なるキャラクター違いのクルマを出すようになりました。当然キャストスポーツも基本的な姿は一緒でも、他のスタイルやアクティバとは全くキャラクターの異なる仕様となっています。

キャスト・スポーツの最新エンジンとMTが無い理由

キャストスポーツは搭載されているエンジンについても注目してほしいポイントとなっています。カタログでもあまり宣伝されていなかったが惜しいところですが、キャストスポーツのエンジンは、2代目コペンに搭載されているのと同じ可変バルタイターボ「KF-VET」です。スポーツカー用エンジンという事でチューニングノウハウもそれなりに積み重ね始まっており、今後が実に楽しみなエンジンです。

燃費と走行性能を両立した良いエンジンなのですが、キャストスポーツにおいて惜しいのがMT(マニュアルミッション)の設定が無いところです。ダイハツではMTにアイドリングストップ機能を組み合わせていないのが、その理由かと思われます。

他社ではNAであればMT車にもアイドリングストップを組み合わせていますが、それでも軽自動車ターボ+MT+アイドリングストップという例は無いので、何か理由があるのかもしれません。アイドリングストップが無いとカタログ燃費がガタ落ちするのは現行のコペンで明らかなので、ダイハツとしても二の足を踏んでいるようです。

ダイハツ キャストスポーツの7速CVTの優れた制御

MTが無いとはいえ、キャストスポーツには熟成の進んだパドルシフト付き7速CVTは魅力的なポイントです。2006年デビューのソニカで「7速CVT」が登場、スポーツ走行時の操作性は今ひとつでしたが応答性は最高で、素早い上にクラッチが切れる空走時間も無い事から、「これならMTはいらないかもしれない」と思えたほどです。

しかもシフトダウンの際に瞬間的に回転を上げ、スムースな変速を行うブリッピング制御を組み込んでいますが、MT車でスポーツ走行を行う時と同様の制御を自動で行ってくれるので、楽なだけでなく「速さ」にも直結します。元々持っている素早い応答性に加え、パドルシフトで操作性も改善された事で、軽の枠を超えた質感の高い走りを実現しています。
既に生産終了してしまったキャストスポーツですが、せっかくダイハツもスポーツモデルを投入していたので、「もっと宣伝していれば!」と思うポイントを推してみました。

ソニカ後継の高速長距離走行に適したツアラーなモデルなので、誤解を招かないようにという配慮だったのかもしれませんが、カタログやHPを見ていても少し寂しい感じがしました。

とはいえ、キャストスポーツが、販売台数こそ少なかったものの、今でも根強いファンを持ち中古車価格も高めに推移しているソニカに近いクオリティを持った軽ツアラーである事は間違いありません。事情によりコペンをチョイスできないけど、スポーティな感覚の通勤快速としての用途を考えている方には、オススメのクルマです。
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