オーバーフェンダーやチンスポイラー…昭和らしいカスタムが似合う初代フェアレディZ S30

現代的な車とは異なり、いぶし銀ながらも美しさすら感じるのが昭和の車…その代表格と言えばやはりハコスカがイメージされるのではないでしょうか。しかし、メカニカルで硬派なイメージが強い昭和の車の中でも、流麗なフォルムも併せ持つのが初代フェアレディZ S30型。 その名のとおり「貴婦人」さながらの昭和らしいカスタムが似合うS30…そのの魅力に迫ります。

Chapter
初代フェアレディZ S30のデザインの魅力
オーバーフェンダーの迫力
昭和のエアロスタイル「チンスポ」
悪魔のZ

初代フェアレディZ S30のデザインの魅力

フェアレディZ 初代 S30

世代を同じくするハコスカやRX-3、ダルマセリカといった昭和の名車たちの中で、この車は違った雰囲気を放ちます。初代フェアレディZとなるS30。貴婦人の名を冠する初代のモデルはロングノーズ・ショートデッキといういかにもスポーツカーらしいスタイリング。

デザインコンセプトになったと言われる稀代の名車ジャガー・Eタイプのシルエットを踏襲するS30はフェアレディという名にふさわしい美しいシルエットであると言えます。

GT-R神話が始まる中、フェアレディZの歴史もここから始まったのです。それでは貴婦人がレーシングの装いを身に着けるまでの過程を見ていきましょう。

オーバーフェンダーの迫力

現行モデルのフェアレディZ34のリアビューは、ポルシェと見間違うほどのワイドなリアフェンダーでとても迫力があります。

もともとフェンダーを張り出すことは太いタイヤをおさめるための行為でしたが、近年の新車は車の性能も高くなっているせいか純正でフェンダーを張り出し状態の車が多いようです。これをブリスターフェンダーと呼ぶのに対し、後からフェンダーに拡大部品を取り付けたものをオーバーフェンダーと呼びます。

もちろん板金塗装を施してフェンダーと一体化させれば、スタイリングも良くなり仕上がりも綺麗です。溶接してしまえば脱落の可能性もなくなるでしょう。しかし、いかにも「後から付けてる」感が溢れていることがオーバーフェンダーの魅力。

リペット留め仕上げなどで、あからさまに加工したことを訴えてくるデザインは無骨そのものです。

昭和のエアロスタイル「チンスポ」

オーバーフェンダーと並ぶ昭和のエアロスタイルと言えばチンスポイラー。現代のエアロと言うと、ほとんどがバンパーを丸ごと交換するタイプのものや純正バンパーに下半分を取り付けるハーフスポイラーが多いのではないでしょうか。しかし、チンスポイラーはあくまでバンパーの下側にさりげなく取り付けられます。さりげなくともエアロはエアロ。車高は低くなり「後付け」感が悪っぽい迫力を演出してくれます。

オーバーフェンダーにも言えることですが、これらのパーツは「後付け」が大事。純正部品にうまくフィッティングさせてしまうと本当に純正っぽく見えます。アウトローらしさを演出するためには「いかにも」というテイストも必要。ただ美しいだけでなく、内に秘めた強さが垣間見えることが、S30にオーバーフェンダー・チンスポイラーが似合う理由なのかもしれません。

悪魔のZ

そんなS30の貴婦人さ+「らしさ」がうまく融合されている例と言えば、「湾岸ミッドナイト」の主人公朝倉アキオが乗る悪魔のZではないでしょうか。ミッドナイトブルーのペイントに控えめながらも迫力のあるフェンダー・スポイラーが只者でない雰囲気を醸し出します。

作中では3.1L化されRHC6ツインターボで600馬力と言う驚愕のスペックが明らかにされていますが、控えめな外観が逆にその実力を際立たせています。

純正状態がすでに仕上がりともいえる最新モデルにはない魅力が昭和の車にはあふれています。S30の魅力はある意味で唯一無二の存在かもしれません。直列6気筒エンジンが搭載されたZが再び姿を現すことはあるのでしょうか。