4年半で販売台数798台!? フェアレディZロードスターが売れなかった理由とは?

日産 フェアレディZ Z34

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2014年に、日本国内での販売を終了したフェアレディZ(Z34型)ロードスター。通常のクーペモデルが1万台以上売れているのに対して、ロードスターは、4年半でわずか798台の販売。それが販売終了の理由とされています。なぜ売れなかったのでしょう?
Chapter
4年半で販売台数わずか798台…その理由は?
「オープンカー」と日本の気候の関係
どうしてもコスト増になってしまうオープンカー…
セカンドカーとしてのニーズが生きる道か!?

4年半で販売台数わずか798台…その理由は?

フェアレディZロードスターを街で見かけることは非常にまれですよね。見たことがない方もいるでしょう。

屋根を取り払い、電動ソフトトップを装備したロードスターのエレガントさと解放感は、何にも代えがたい魅力がありました。ところが、それが販売には結び付かなかったということです。

発売当初、フェアレディZロードスターの価格は、6MTで435.75万円、ATでは483万円となっており、クーペモデルより約70万円高い価格でした。

その価格帯で考えれば、もう少し手を伸ばせば、メルセデス・ベンツ SLK(499万円~)、BMW Z4(513万円~)も視野に入り、ネームバリュー以外、あえてフェアレディZを選ぶ必要が無くなってしまったのではないでしょうか。

クーペモデルと変わらない価格であれば、購入層の心を掴めたかもしれませんね。

ではなぜ、オープンカーになるとコストがかかってしまうのでしょうか?

「オープンカー」と日本の気候の関係

日本のメーカーが販売したオープンカーで成功した事例といえば、マツダ(ユーノス)ロードスターがあります。

求めやすい価格、確かなドライビングプレジャーが得られるモデルであり、モデルチェンジ後も継続した人気を誇るクルマです。スポーツカーとしての評価も高く、クローズドモデルでも人気が出ていたと考えられます。

しかし、ロードスター以外のオープンカーは商業的に大きな成功をしていないのがこの日本市場。その理由として挙げられるのが、日本の気候です。雨が多く、夏は非常に暑い、紫外線も非常に強い。加えて、春は花粉が飛び交い花粉症の方はオープンで走る気になれません…。

つまり年間を通じて気持ち良く走れる時期が非常に短い、というわけです。

筆者がスマート ロードスターを数台乗り継いだ時期を振り返っても、オープンで乗る日は非常に少なかったと記憶しています。

どうしてもコスト増になってしまうオープンカー…

また今回のテーマ、フェアレディZロードスターもそうであるように、クローズドボディのモデルよりも「製造コストがかかる」ということがいえます。

まずボディ強度を確保するためにオープン用の補強・溶接などが必要ですし、近年のロードスターモデルは手軽な電動開閉システムも必須です。

このギミックを採用する場合、手動のオープンよりも追加パーツが出てくるわけで、どうしても販売価格に上乗せしなければならない。

それに前述の気候も相まって、日本ではオープンカー市場は非常にニッチな隙間産業になっているといえるわけです。

こうした事情から国内メーカーは、ロードスターモデルの投入には消極的になっていると考えます。

セカンドカーとしてのニーズが生きる道か!?

オープンカーのネガについて触れましたが、他方でセカンドカーとしてのニーズは間違いなくあると考えます。

家族で利用するには、2シーターでは不便ですし、お子さんのいる家庭やペットも同乗させるという方は選択肢に入りませんよね。しかし、実用性のあるクルマを持っている方の中には、セカンドカーとして楽しむといった目的のために購入する方も少なくありません。

ゆえに、ダイハツ コペンのような「求めやすく維持費が安い、それでいて走りも楽しい」というモデルと、複数台所有する富裕層に訴求するスーパースポーツ系モデルが、日本では注目されやすくなっています。

しかし、スーパースポーツカーを検討する人は、あえて国産車を選ばないでしょう。そう考えると日本製オープンカー事情は、非常に悩ましいものといえそうです。

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