80年代の象徴、リトラクタブルヘッドライトの国産名車5選

マツダ RX-7

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今ではすっかり下火になってしまったリトラクタブルヘッドライト。

しかし、これが一大ブームとなっていた1980年代には数々の車種に採用されて、羨望の眼差しを集めていました。今回は忘れられないリトラクタブルヘッドライトの日本の名車5車をご紹介しましよう。
Chapter
トヨタ スープラ
マツダ RX-7
マツダ ユーノスロードスター
トヨタ ターセル/コルサ/カローラⅡ
ホンダ アコード/ビガー
【まとめ】1990年代には激減

トヨタ スープラ

リトラクタブルヘッドライトで一番輝いていたクルマといえば、トヨタスープラでしょう。日本で初めてリトラクタブルヘッドライトを採用したトヨタ2000GTの後継をイメージした「TOYOTA 3000GT」というキャッチコピーが使われました。

スープラはセリカXXの後継として1986年にデビュー(アメリカではセリカXXがスープラの名称で販売されていました)。ライバルはズバリ、フェアレディZ。

外観は当時のスポーツカーのセオリーに則り、長いボンネットにハッチバック。狭いながらも後席があり、4人乗りになっています。この長く低いノーズはリトラクタブルヘッドライトの賜物であり、これなしでは成り立たないデザインといえるでしょう。いま見てもスポーツカーらしい伸びやかさが感じられます。

マツダ RX-7

マツダRX-7は、マツダ独自のロータリーエンジンを搭載したスポーツカーです。ロータリーエンジンならではの低いボンネットが特徴で、それを活かすためにもリトラクタブルヘッドライトは欠かせません。

サバンナRX-7として1978年に発売され、3代目(アンフィニRX-7として登場し、後にマツダRX-7)の製造が終わる2002年まで、一貫してリトラクタブルヘッドライトを採用し続けました。

いずれのモデルもインパクトがありますが、特に1987年に発売された2代目は、ポルシェ944にデザインが似ているだけでなく性能面でも追い付いた、と評されました。

マツダ ユーノスロードスター

マツダはリトラクタブルヘッドライトが好きなメーカーで、RX-7以外にもいくつかの車種で採用しました。ユーノスロードスターもそのひとつです。

ユーノスロードスターは1989年に発売され、久しぶりに復活したライトウェイトスポーツとして世界中でヒットしました。初代の外観の特徴は丸みを帯びたスタイリングで、その造形にはリトラクタブルヘッドライトが一役買っていたことはいうまでもありません。

しかし、ライトウェイトスポーツとしてヒットする中で、安全基準への適合と軽量化を求められ、1998年のフルモデルチェンジでは軽量化などの理由からリトラクタブルヘッドライトは廃止されてしまいました。

トヨタ ターセル/コルサ/カローラⅡ

ターセル/コルサ/カローラⅡは、カローラ/スプリンターとスターレットの間に位置するコンパクトカーです。ターセル/コルサは1978年にトヨタ初の前輪駆動車として発売されました。1982年のモデルチェンジでカローラⅡも加わり、若々しいハッチバック車として人気を集めました。

1986年のフルモデルチェンジでは、スポーティなグレードとしてリトナ(3車種共通のネーミング)を設定。固定式ヘッドライトを採用する他のグレードに対し、リトナだけはリトラクタブルヘッドライトを採用し、スポーティな印象を強めていました。

これがリトラクタブルヘッドライトを採用した量販車では、日本で最小の車種となります。リトラクタブルヘッドライト=スポーティという印象が浸透していたということですね。

ホンダ アコード/ビガー

リトラクタブルヘッドライトの名車、といえば、やはり3代目アコードは欠かせないでしょう。初代を正常進化させたような2代目はアメリカで大ヒットし、現地生産も行われました。

この2代目では、多販売チャネル戦略の一環として、兄弟車ビガーも誕生しました。3代目アコードの特徴は、何といってもリトラクタブルヘッドライトの採用による低く構えたフロントノーズです。セダンらしくないスタイリングは、アコードの存在を孤高のものにしました。

またアコードには、従来の3ドアハッチバックに代わり、3ドアハッチバックとも、3ドアワゴンともつかないエアロデッキというグレードも設定されました。クーペのようなセダンとエアロデッキを主力車種に添えたのは、ホンダの英断といえるでしょう。

当時のホンダは、プレリュード、クイント・インテグラでもリトラクタブルヘッドライトを採用しました。車種全体の割合では少ない方かもしれませんが、主力車種のアコードに採用されていたせいか、リトラクタブルヘッドライトのイメージの強いメーカーとなっています。

【まとめ】1990年代には激減

1970年代後半に登場しはじめ、1980年代半ばにはコンパクトカーやセダンにまで大ヒットしたリトラクタブルヘッドライトですが、1990年代には激減してしまいます。部品点数や製造コスト、海外展開面などで問題があったようです。

そのため、1990年代には一部のスポーツカーでしか見られなくなってしまいます。普及の背景には、エンジンの冷却用吸気口が小さくなり、前面デザインの自由度が増したことも大きいでしょう。時代を感じさせるデザインですね。
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