中古で買える輸入ミニバンのおすすめランキング6選【自動車目利き人が厳選】

シトロエン ベルランゴ

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「車種が多すぎて、どんな基準で買ったら良いのかわからない」「見た目優先で選んでしまうと失敗しそう」「プロがおすすめする輸入ミニバンを中古で買いたい」などなど、アタマを悩ませている方々に向けて、これまで何百車種と乗ってきた自動車ジャーナリストたちが、おすすめする輸入ミニバンを厳選してお届けします。

輸入ミニバンが欲しいけど、車種選びで迷っている、まだどんな車種を買ったら良いのかわからないという方は、愛車選びの参考にしていただければと思います。

文・まるも 亜希子/小野 泰治

まるも 亜希子|まるも あきこ

カーライフ・ジャーナリスト

映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリー(通称:ガゼルラリー)に参戦し、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。
女性パワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト」、ジャーナリストによるレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表。近年はYouTubeチャンネル等で、ゆるく楽しいカーライフ情報を発信中。

まるも 亜希子

小野 泰治|おの たいじ

長野県(の中ほど)在住の自動車ライター。自動車専門誌の編集者を経て、2010年よりフリーランスに転身。多くの自動車媒体で執筆中。クルマと二次元ワールドをこよなく愛する社会的分類上の“キモオタ”ながら、本人にその自覚はない模様。現在の愛車はポンコツドイツ車だが、基本的には雑食性のクルマ好き。

小野 泰治
Chapter
【目利き人】まるも 亜希子さんが選ぶ!輸入ミニバンのおすすめトップ3
ルノー カングー
メルセデス・ベンツ Vクラス
シトロエン ベルランゴ
【目利き人】小野 泰治さんが選ぶ!輸入ミニバンのおすすめトップ3
日本向けルノーの主力にもなった“遊びの空間”|ルノー 2代目カングー
几帳面な作りとアウトバーン・クオリティの走りが武器|フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン
優れた実用性とデザイン性を兼ね備えた輸入ミニバンの「大穴」|シトロエン グランドC4スペースツアラー

【目利き人】まるも 亜希子さんが選ぶ!輸入ミニバンのおすすめトップ3

ルノー カングー

ミニバンは家族の一員として迎えたい、というファミリーも多いと思います。でも意外にミニバンのデザインって、「怖い顔」が多いんですね。そんな中、ほんわかと親しみやすく、まるでペットみたいで子供にも怖がられないデザインなのが、ルノー カングー。

本国フランスでは郵便配達車として街中を走り回っているだけあって、愛嬌があるのが特徴です。2列シート5人乗りで、両側スライドドアというパッケージは、近ごろ国産ミニバンでも増えてきていますが、天井が広くて収納も頭上にたっぷりあるのがカングーの魅力。

シートアレンジも使いやすいし、ラゲッジはクローゼットみたいに左右に扉が開く観音開きです。180度ガバッと広げて固定もできるので、フリーマーケットなどに出店したり、ピクニックで休憩スペース代わりにする時も便利。

また、こんなに癒し系なのに、走るとなかなかどうして、ふんわりした中にもガッシリと頼もしさのある乗り味です。1.2Lターボエンジンに6速EDCと6速MTを設定していて、高速道路での移動も得意。

もう15年以上前になりますが、サハラ沙漠のラリーに参戦した際、なんとカングーも参戦していて、私はこの目でしっかりと、カングーが軽々と砂丘を駆け上がっていく姿を見たほどです。もちろん、ラリー仕様にカスタムしてあったとはいえ、素の実力がなければできないこと。

それ以来、カングーには一目置いています。残念ながら本国では4月に新型が登場し、この癒し系のデザインからはガラリと変わってしまいます。ボディサイズもちょっと大きくなり、バックドアも上下開きタイプに。日本にも遠からず新型がやってくると思うので、このカングーが欲しいならどうぞお急ぎくださいね。

メルセデス・ベンツ Vクラス

とにかく高速道路をよく走る、長距離ドライブが多い、というファミリーにおすすめするのがVクラスです。

20年以上前に、欧州のミニバンとして初めて日本に上陸したVクラスですが、大陸続きで1日に1,000kmの移動も珍しくない文化や、いまだに速度無制限区間が残っているアウトバーンを快適に走るために、当初から安全性や確かな走行性能を持ったプレミアムミニバンとして、常に時代を引っ張ってきたのでした。

現行モデルは、スタンダードボディでも3,200mmのロングホイールベースに、今では希少なFRレイアウトに加えて、突然の横風にもフラつかない「クロスウインドアシスト」や、走行に応じて減衰力を調整してくれるセレクティブダンピングシステム「アジリティコントロール」などが安心感の高いドライブをサポートしてくれます。

室内は、かなりビジネスライクな雰囲気なのは変わりませんが、昨年のマイナーチェンジでオプション設定された2列目シートの「エクスクルーシブシート」が、とても心地よくて感動的。

ふかふかのヘッドレストクッションや、電動オットマン、リラクゼーション機能やシートヒーター、ベンチレーターも完備で、夏も冬も快適です。シートアレンジは、シートが取り外し式だったりとやや重労働にはなりますが、3列目シートの背もたれをパタンと倒すだけなら簡単です。

2.2Lのクリーンディーゼルの走りもかなり俊敏になり、パパも満足度が高い1台です。

シトロエン ベルランゴ

せっかく輸入ミニバンを買うのなら、日本車にはない独創的でユーモラスなデザインや世界観を味わいたい、というファミリーにおすすめなのが、シトロエン ベルランゴです。2列5人乗りで両側スライドドアのボディは、現行カングーよりひと回り大きいサイズ。最新の1.5Lディーゼルターボ+8速ATが搭載されています。

いちばん注目して欲しいのは、室内のユニークさ。ルーフ全体に広がる大きなマルチパノラミックルーフ「MODUTOP」が、頭上から明るい光を通します。上級グレードになると、その下には室内の前後をつなぐ柱が天井ラック収納にもなっていて、上着とかタオルとかちょっとした軽い荷物はホイっと放り込めるのが便利。

また、後席からもラゲッジからも出し入れできるリアシーリングボックスもあり、収納スペースが充実しています。ラゲッジは最大2,126Lという大容量で、自転車でもなんでも積み込めそう。先進の運転支援機能(ADAS)など、安全装備が充実しているのも嬉しいですね。

【目利き人】小野 泰治さんが選ぶ!輸入ミニバンのおすすめトップ3

日本向けルノーの主力にもなった“遊びの空間”|ルノー 2代目カングー

元々は日本法人設立に際し、フルラインナップ化にこだわった本国ルノーの意向もあって導入が決まったというカングー。そんな、いわばコンパや飲み会の“人数合わせ要員”だった初代ですが、日本では人気車へと成長。R.S.(ルノー・スポール)モデルともども、長らく日本向けルノーの主力となったことは多くのクルマ好きが知るところです。

その魅力は、“遊びの空間(ルドスパス)”というキャッチコピー通りの優れたユーティリティや、シンプルにして良い意味でのツール感に溢れる仕立て(元が商用車ですから当然ですが)、さらには一時期流行った「ゆるキャラ」や「ご当地キャラ」に通じるのどかなスタイリングなどに求められるでしょう。

そして、人気はユーロパレットを搭載する目的からボディサイズを拡大した2代目でも変わらず、というより一層の拍車がかかり、いまやカングーの名を冠したイベントが定期開催されるほどになっています。

この2代目、導入当初のパワーユニットは1.6リッター自然吸気のガソリンに4速ATないしは5速MTを組み合わせていましたが、後に1.2リッターガソリンターボ+6速のDCT/MTへと換装。

さらに2代目最後の限定車として1.5リッターディーゼルターボも導入されていますが、動力性能はコンパクトモノスペースとして十分な水準。さすがにパワフル、とまでは行きませんがMTとの組み合わせでは積極的に操る愉しみすら見出せます。

また、驚くべきは商用車ベースでいながら並みの乗用車など歯牙にもかけない快適性を実現していること。絶対値としての静粛性が高くないことを除けば(決して不快なレベルではありませんが)長距離ドライブも疲れ知らずで、この点でも“遊びのベース”としてさまざまなニーズに対応するべきRV資質は十二分。

すでに本国では3代目が発表済みですが、いまから2代目を賞味しても決して遅すぎることはないでしょう。

几帳面な作りとアウトバーン・クオリティの走りが武器|フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン

コンパクト級に限らず、日本のミニバン市場はコストパフォーマンスの高さや微に入り細に入りの気配りが盛り込まれた国産勢の独壇場。輸入車がつけいる隙は皆無に等しい状況ですが、そんな中で唯一気を吐いてきた存在といえるのがゴルフトゥーランです。

5代目ゴルフをベースにした初代以降、国産勢ですら淘汰が進んだコンパクト級でも安定した支持を集め(絶対的販売数こそ比較にはなりませんが)、輸入ミニバンのベストセラーという地位を確立しています。

現行型は2016年に上陸した2代目で、基本骨格には先代ゴルフから採用が始まったMQBプラットフォームを採用。ボディサイズは拡大され、ホンダ フリードやトヨタ シエンタあたりと比較するとひと回り以上大きくなりますが、依然日本の路上でも扱いやすいボリュームにとどまっています。

その一方、室内の広さは几帳面な作りで定評あるフォルクスワーゲンの一員らしく国際級です。大柄なドイツ人の乗車を前提とするだけに、このクラスでは“オマケ”の要素が強くなる3列目でも実用的空間を確保。身長178㎝の筆者が座っても、前後にスライドする2列目のポジション次第では苦痛を感じることなく過ごせます。

また、格納を含めた2~3列目シートの操作性も格段に洗練。もはや、国産勢と比較しても遜色はありません。さらに付け加えるなら、荷室として使用する際の広さ、使い勝手も申し分なしです。

国際級、といえばそれは走りにもピッタリ当てはまります。アウトバーンでの高速移動を前提とするだけに、出来映えは名前の通りゴルフの延長線上。同乗者の不興を買うことさえ厭わなければ、乗り手の積極的な走りにも応える潜在能力を誇ります。

日本仕様のエンジンは、1.5リッターガソリンターボと2リッターディーゼルターボの2本立て。動力性能はガソリン仕様でも不足はありませんが、後者なら家族で長距離ドライブという用途にも重宝するでしょう。

優れた実用性とデザイン性を兼ね備えた輸入ミニバンの「大穴」|シトロエン グランドC4スペースツアラー

導入当初は、パブロ・ピカソにちなんでグランドC4ピカソと名乗っていたシトロエンの3列シートミニバン。同じタイミングで導入された2列シートの5人乗り(C4ピカソ)は名前の通り奇抜な外観が特長的でしたが、こちらは比較的穏当な佇まいとなっています。

2018年以降は大人の事情で現在のネーミングに変更されましたが、基本的な作りは導入当初と同じ。ただし、最新版のパワーユニットは2リッターのディーゼルターボ+8速ATに限られています(当初は1.6リッターガソリンターボ+6速ATでした)

その最大の特長は、やはりミニバンとしては攻めたデザイン性の高さに求められるでしょう。先に比較的穏当、と書いたのはもはや正体不明な感もあった5人乗りに対しての表現であって、例えば同じ欧州生まれとなるフォルクスワーゲン ゴルフトゥーランの飾り気のなさとは対照的。

独特なセンスを感じさせるインテリアともども、押しの強さを強調する傾向にある国産勢と比較しても個性派と呼べる出来映えです。

一方、ミニバンとしての機能は間違いなく一級品。背が極端に高い国産5ナンバー級ほどではありませんが、室内は3列目シートでも実用的な広さが確保されます。荷室も使い勝手、絶対的容量(最大値は実に2,181リットル)ともに先述のゴルフトゥーランに勝るとも劣らない水準にあり、ミニバンを本気で使い倒したいニーズにも対応できます。

また、走りの方もフランス車に向けられる期待値通り。特に芯が通った頼もしさがありつつもソフトタッチなライド感は、ドライバーだけでなく2~3列目に陣取る同乗者からも好評を博すること請け合い。

となれば、日本でもゴルフトゥーラン並みに支持されて何ら不思議はないはずなのですが……。堅実なライフスタイルであろう大半のミニバンユーザーにはフランス製、さらにはシトロエンという先入観が高いハードルになっているのかもしれませんが、個人的にはそんな食わず嫌いにこそ一度賞味して頂きたい1台です。
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