ホンダ 新型ヴェゼルを試乗レビュー【プロ徹底解説】

ホンダ ヴェゼル  e:HEV Z 2代目 2021

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2021年4月の発売以来、圧倒的にハイブリッドモデルが売れているという新型ヴェゼル。

従来の1モーター方式から2モーター方式のe:HEVへと進化し、燃費性能だけでなく走行性能も向上しました。ここでは、売れ筋ハイブリッドモデルのe:HEV Zグレード(2WD)の実力を、プロが試乗&解説します。

文・写真/萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
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力強く静かな2モーターハイブリッド
これといって目立った欠点がない!

力強く静かな2モーターハイブリッド

ホンダの新型ヴェゼルは、新型販売開始から1カ月で3万台以上を受注するという好調な滑り出しとなりました。販売の内訳は、ハイブリッドの上位グレードe:HEV Zが全体の約76%、e:HEV PLaYが約12%となっており、新型ヴェゼルを購入するほとんどのユーザーがハイブリッドモデルを選んでいます。

また駆動方式は2WD(FF)が約81%と、都市部や非降雪地に居住するユーザーが積極的に購入しているようです。そんななかから試乗したのは、売れ筋グレードのe:HEV Z( 2WD)。車両本体価格293万7000円です。
ティザーで公開された時点で、物議を醸した外観デザインですが、実際にクルマと対峙すると、非常に豊かな面構成によって数値以上に大きく、質感も高く見えます。先代モデルとほぼ同じボディサイズとは思えない存在感で、ひとクラス上がったかのように錯覚するかもしれません。

また室内の身体が触れやすい部分にはソフトパッドの素材を採用したり、ピアノブラックのパネルを採用したりと、視覚と触覚で上質感を味わうことができます。

フロントに搭載されているハイブリッドシステムe:HEVは、1.5L直列4気筒ガソリンエンジンと、発電と走行用の2つのモーターを組み合わせたシリーズハイブリッドで、走行用モーターは96kW(131ps)/253Nmの最高出力と最大トルクを発生します。
停止状態からアクセルと踏み込むと、モーター駆動特有の低回転域からシームレスな加速性能により、スムーズに法定速度まで達します。

追い越しや高速道路の合流でも、モーターが素早く反応し、ストレスなく加速してくます。それでいてWLTCモードで24.8km/L (JC08モードは30.4km/L)と燃費性能も高いので、ランニングコストも抑えることができそうです。

また標準装備の運転支援システムHonda SENSING(ホンダセンシング)の渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロールを起動すれば、高速道路でのドライバーの負担を大幅に低減してくれます。その際のe:HEVと、見直された空力性能がもたらす高い静粛性は、聴覚からも上質さを堪能できるでしょう。
室内は、スタイリッシュなクーペフォルムを採用しているにもかかわらずリアシートの居住性&快適性、さらにラゲッジスペースの容量についても良く考えられており、フィット譲りのチップアップ機能による多彩なシートアレンジはヴェゼルの美点となっています。

これといって目立った欠点がない!

今回、試乗した限りでは目立った改善点は感じられませんでした。ネガな点がキッチリと潰されており、非常にウィークポイントの少ないクルマに仕上がっている印象です。

そのなかであえて改善点を挙げるとすれば、テールゲートの形状でしょうか。試乗時は雨が降っていたのですが、テールゲートから荷物を出し入れしようとすると、ゲートは真上に開くためバンパーぎりぎりに立っても身体が雨に濡れてしまいます。この点はデザインと機能性の両立が難しかったのでしょう。

その他、2021年6月現在、納車が遅れているようで人気グレードのe:HEV PLaYの納車は来年の春とも言われています。

人気車種ゆえに納期が長くなるのは仕方ないことですが、激戦区の国産コンパクトSUVなので、ノンビリしていると他車に乗り移ってしまうなんてことも。人気車種ゆえの悩みというものでしょうが、この販売面の改善は急務だと思います。
繋がる機能として、ホンダコネクトを搭載。スマートフォンがクルマのキーとなるホンダデジタルキーや車内Wi-fi、ボタンひとつでオペレーターが対応してくれる緊急サポートセンターなど高いホスピタリティも実現した新型ヴェゼル。

ライバルをよく研究していて、ソフト面、ハード面ともに充実しています。

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