車検切れのクルマを運転したらどんな罰則が科せられる?

車検切れ

※この記事には広告が含まれます

今回は、車検切れのクルマを運転した場合の罰則やその危険性などをご紹介します。

普通乗用車の場合、初回登録から3年後に1回、その後は2年ごとに車検を受けなければ公道を走行することができません。

車検切れの状態で公道を走行させた場合、罰則が適用されるだけでなく万が一事故を起こしてしまうと大きな負担を負わなければなりません。

罰則や潜在するリスクの内容をあらかじめ知っておくことで、車検切れとなることのないよう心がけておきましょう。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
車検切れのクルマを運転した際の罰則
車検切れのクルマには自動車保険が適用されない
駐車場に駐車した状態で車検切れに気が付いた場合
車検の有効期限を確認する方法

車検切れのクルマを運転した際の罰則

まず大前提として、車検切れのクルマであっても、私有地など公道以外の場所であれば運転しても問題はありません。
しかし、車検が切れた状態のいわゆる「無車検車」で公道を走行すると、道路運送車両法違反となり、罰則が科せられます。

同法第58条で、「自動車…(省略)…は国土交通大臣の行う検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けているものでなければ、これを運行の用に供してはならない」と規定されており、違反した場合は以下の処分を受けます。

・違反点数6点
・6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金
・30日間の免許停止処分

また車検切れのクルマは、多くの場合自動車損害賠償責任保険法にも違反することにもなり、その際は以下の罰則がが科せられます。

・違反点数6点
・1年以下の懲役又は50万円以下の罰金

もちろん両法に違反すればダブルで処分を受けなければならず、悪質かつ常習性が認められるときは交通刑務所行きになる可能性も出てきます。

車検切れのクルマには自動車保険が適用されない

自動車保険のうち、強制保険ともよばれる自賠責保険は、基本的に車検期間と保険契約期間が重複しています。そのため車検切れのクルマでは多くの場合、自賠責保険の期限も切れています。

保険加入していないということは、前項で説明した罰則が科せられるのに加え、自賠責の補償限度額まで全額自己負担により賠償しなければなりません。

所有者などの損害賠償責任者に代わって国が事故の被害者への補償を行った場合は、その分を国に弁済しなければなりません。もし弁済できないときは、最悪で財産差し押さえの処分を受けることにもなります。

近年では、事例によって億単位の損害賠償を要することも増えています。その場合は、とてつもない金額を被害者に支払わなければなりません。

駐車場に駐車した状態で車検切れに気が付いた場合

車検切れの状態でクルマを運転するのは厳禁ですが、駐車場などに停めているとき車検切れに気付いた場合は、何らかの方法で車検業者までクルマを移動し、車検を受ける必要があります。その際は、法的に問題のない状態で移動しなければなりません。

その方法は2つあり、業者に依頼して整備工場などに移動してもらう方法と、仮ナンバーを取得し自分で移動させる方法です。

業者に依頼すれば費用はかかるものの、自分の手間を省き車検を受けることが可能です。一方、手間がかかってもいいから費用がかからないようにしたいというユーザーは、仮ナンバーを取得することになります。

仮ナンバーは、居住自治体の窓口などで交付申請の手続きをします。その際は本人確認書の書類や車両を確認できる書類に加え、有効な自賠責保険の証券が必要です。車検切れのクルマでは、多くの場合自賠責も期限切れになっているため、仮ナンバーの申請前にあらかじめ自賠責保険に加入しておかなければなりません。

また仮ナンバーは、運転する目的や経路が限定されています。今回の場合はあくまで「車検を受けるための移動の為に使用する」という目的で、有効期間も最長で5日間と最低限です。車検の予約を入れ日程を調整してから、仮ナンバーの手続きをするようにしましょう。

車検の有効期限を確認する方法

車検切れになってから気付いたということがないよう、あらかじめ車検の有効期限を確認しておきたいところですが、その確認方法をご紹介します。

いちばん確実なのは、車検証そのもので確認する方法です。

車検証は各自治体の検査協会・運輸支局から発行されるもので、車両番号や型式・所有者の住所氏名など、車両に関する様々な情報が記載されています。記載項目のひとつに「有効期限の満了する日」があり、記載されているのが車検の有効期限になります。

この有効期限までに継続検査ともよばれる車検を受け、新たな有効期限が記載された車検証の発行を受けることで、車検切れを防ぐことができます。

もうひとつの確認方法としては、検査標章をチェックするというものです。

検査標章は「車検シール」と呼ばれることもあり、車検の有効期限が記されフロントウィンドウの上部などに貼られています。黄色の軽自動車用と水色の普通自動車用があり、記載されている満了年と満了月で期限を確認することができます。
車検切れのクルマを公道で運転した際の罰則や不利益・対処法などをご紹介しましたが、法律に触れるだけでなく、周りの人に多大な迷惑をかけることになります。期限が切れてしまった場合の対処も、ほとんどの人が慣れない手続きが必要なため、やらないにこしたことはありません。

車検の有効期限は、車検証や検査標章など自分で確認することができます。ディーラーや整備工場と付き合いのあるユーザーは、車検日が近づくと連絡をもらえる場合もありますが、普段から有効期限をチェックしておきましょう。車検切れはもちろん、直前になり慌てて車検の予約を入れるということがないようにしたいですね。

※2021年5月現在

商品詳細