点灯の順番が違う?!日本の信号機と海外の信号機の違いとは?

信号機

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自動車やバイク・自転車・歩行者などが安全に交差点を通行するため、信号機は世界中で欠かせない存在です。ほぼ全ての日本国民は、幼い頃から交通安全教室などで信号機をはじめとした交通ルールを学びます。

一方、信号機に関するルールは日本と海外とで異なる部分があり、海外旅行に行った場合や反対に海外から日本に来た場合、そのルールの違いに戸惑うこともあります。

今回は、日本の信号機と海外の信号機の違いについてご紹介します。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
信号機の色の意味は各国で共通している
日本の信号と海外の信号は点灯の仕方が違う
日本の信号と海外の信号は色の表記が違う

信号機の色の意味は各国で共通している

日本の信号機でも海外の信号機でも、色が示すルールは基本的に同一です。日本の場合、詳細は道路交通法施行令第二条で定められています。

青色は直進・左折・右折等の「進行ができる」という意味歩行者の場合は横断できるという意味になります。ただし進行可能であっても、他車や歩行者など周りの安全に注意しなければならないのは当然のことです。

黄色に点灯しているときは、以前は「注意を意味する」といわれていましたが、現在では解釈が変わってきています。「原則として通行または横断をしてはいけないが、安全に停止できないなどやむを得ない理由があるときのみ通行できる」という規定は、「止まれ」という理解をするのが適当といえます。

信号が赤く灯火している場合は、もちろん交差点の通行・進入をしてはいけません。車両が既に交差点内で左折・右折をしているときだけは例外ですが、赤信号が点灯したときは必ず停車しましょう。

日本の信号と海外の信号は点灯の仕方が違う

日本の信号と海外の信号では、点灯の順序にも多少違いがあります。

青信号で走行可能なものが黄色で原則停止となり、赤は全車停止しなければならないという基本的な順序は共通していますが、海外では赤から青に変わる前にも黄色が点灯するところがあります。意味合いとしては、青から赤に変わる前の黄色が「停まってください」という合図であることと似ており、赤から青に変わる前の黄色には「発進する準備をしてください」という意味があるようです。

この点灯方法は、国際法上の根拠もあります。1968年に合意され1978年に発効した「道路標識及び信号に関する条約(通称ウィーン条約)」がそれにあたり、道路標識や信号機のルールを統一し、国際交流と安全性向上を両立させるという目的で制定されました。

条約の批准国はこのルールに則って道路標識や信号機を運用しており、その点灯方式が「赤から青の前に黄色を点灯する」というものになっているのです。

またウィーン条約では、信号機だけでなく標識についても統一ルールがあり、特に陸続きの国境や国境越えの機会が多いヨーロッパ諸国で、他国へ移動しても混乱が生じないようになっています。

ちなみに日本はこの条約を批准していないため、国際ルールが適用されません。「赤から直接青に変わる」という日本独自の順序を採用しており、道路標識も条約で定められたものとは多少異なるスタイルになっています。また、アメリカ合衆国も同様に条約を批准していない国のひとつで、独自のルールが適用されています。

日本の信号と海外の信号は色の表記が違う

日本の信号機と海外の信号機では、色の表記にも違いがあります。

日本では一般的に「信号が青に変わったら…」という表現をしますが、信号機の色をよく見ると、純粋な青ではなくやや緑がかった色をしています。正確な表記としては、むしろ緑色という方が理にかなっています。

逆にいえば、青の信号と呼ぶのは日本だけで、海外では「緑色」と呼んでいます。例えばモータースポーツで、中断されたレースを再開する場合点灯するシグナルは「グリーンシグナル」と呼び、決して「ブルーシグナル」とはいいません。

一方日本では、ユーザー間の一般的な用語としてだけでなく、法令(道路交通法施行令)上も「青信号」という表記がされています。ではどうして、日本では青と呼ばれているのでしょうか。

もともとは法令上も「緑色信号」と呼ばれていましたが、1947年に道路交通法の前身である「道路交通取締法」が制定された際「青色信号」に変更されたのです。その理由は諸説ありますが、日本文化が影響しているといわれています。

日本では古くから、緑のものを青と表現する文化が根付いており、「青野菜、青リンゴ」など、緑色でも青と呼ぶ事例が数多くあります。この文化にならい、日本人により馴染みやすくするため「青信号」に変わったという説が有力なようです。
自動車や歩行者の交通を整理して両車の安全を確保する、という信号機の役割は国内外問わず共通していますが、日本と海外では細かい点に違いがあることがわかりました。特に点灯の順序が異なるのは、初めて海外に出る人は戸惑うかもしれません。

海外でも信号機について極端な違いはないものの、信号の点灯方式をはじめとした訪問先の交通ルールについては、出かける前に概要を確認しておいた方が良いでしょう。

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