【プロ解説】三菱デリカD:5のエンジンやミッション、パワートレーン等のスペックを徹底解説!!

デリカ D:5 2020年撮影

デリカD:5は約13年という長いモデルライフの中で様々なパワートレインを搭載してきました。現在は2.2L直列4気筒ディーゼルターボ+8速ATという国産ミニバンの中でも希有なパワートレインを搭載し、差別化を図っています。そんなデリカD:5に搭載されているエンジンやミッション、そして4WDシステムを紹介しましょう。

文/写真・萩原文博

Chapter
三菱デリカD:5のエンジン
三菱デリカD:5のトランスミッション
三菱伝統の4WD技術を注入

三菱デリカD:5のエンジン

2007年に販売開始した三菱デリカD:5は、デビュー当初は最高出力170ps、最大トルク226Nmを発生する2.4L直列4気筒ガソリンエンジンを駆動方式問わず搭載していました。2010年の一部改良で、2WD(FF)車は最高出力150ps、最大トルク197Nmを発生する2L直4ガソリンエンジンへと変更。その後2WD車は2Lガソリンエンジン、4WD車には2.4Lガソリンエンジンが搭載されていましたが、2013年1月に最高出力148ps、最大トルク360Nmを発生する2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンが追加されます。

現在は2.2Lディーゼルに一本化

そして2019年11月の一部改良で、デリカD:5に搭載されるエンジンは2.2L直列4気筒ディーゼルターボのみとラインアップが整理されています。4N14型と呼ばれる2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンは2013年から搭載されています。しかし2019年2月のビッグマイナーチェンジの際に基本設計は踏襲されていますが、エンジンを構成する部品の約50%が変更され、重量が約17%軽量されるなど改良が加えられています。

このディーゼルターボエンジンにはコモンレール式燃料噴射を採用。これは燃料の噴射圧力や噴射時期などを細かくコントロールして、理想的な燃焼によってクリーンディーゼルを実現させる技術です。不完全年路湯によるPMの発生を低減すると同時に複数回の緻密な噴射コントロールにより急激な燃焼を抑え、NOxや騒音の発生を低減するとともに高出力も実現しました。さらに、燃料噴射装置に新型インジェクターを採用。アイドリングストップ中でも燃料がリークせず、燃料圧が低下しません。そのため再始動時に燃料圧を高める必要がなく、始動時間を短縮できるだけでなく、再始動時の立ち上がりが素早くなり、よりスムーズにドライブができるというメリットがあります。

さらにエンジン本体のシリンダーブロックを加工する際に、ダミーヘッドホーニングを採用することでシリンダーヘッド締結時の筒内変形を大幅に改善することに成功しました。その結果、ピストン、コンロッド、クランクシャフトの形状を最適化でき、大幅名フリクション低減を実現。トルク向上と低燃費化に貢献しています。また、両祖水溶液である「アドブルー」を仕様する尿素SCRシステムを搭載することで、ディーゼルエンジンが排出する窒素酸化物を浄化しています。これにより、車両重量の重いデリカD:5をスムーズに加速させるだけでなく、排出ガスもクリーンにするということが可能となっているのです。

三菱デリカD:5のトランスミッション

現在、デリカD:5に搭載されている2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンには8速ATが組み合わされています。8速スポーツモードATと呼ばれるこのミッションは、380Nmという最大トルクをわずか2000回転で発生される高トルクなディーゼルターボエンジンの特性を高効率で活かすために開発されました。以前は6速ATが組み合わされていましたが、多段化することにより広い変速比幅とクロスレシオ化したギア比となり、1速で約8%のローギヤード化、トップギアでは約18%のハイギヤード化を実現。以前の6速ATに比べて約27%のワイドレシオ化を達成し、スムーズな加速を実現しています。

さらに、ドライバーの思い通りの走りが、よりスムーズにできる緻密な変速制御を採用。この結果、常に最適な回転域をキープでき発進はもちろん、登坂や追い越しまで、より力強く、よりスムーズな走りをもたらします。またハンドルに装着されたパドルシフトによってドライバーの思うままに、マニュアル車感覚でシフトチェンジも可能となっています。

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三菱伝統の4WD技術を注入

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ