スズキ 新型ソリオ/新型ソリオバンディットを徹底試乗!荷室は?安全装備は?快適性は?検証します!

スズキ ソリオ ハイブリッド MZ

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スズキ 新型ソリオ/新型ソリオバンディットを徹底試乗!荷室は?安全装備は?快適性は?検証します!
スズキのコンパクトカー、ソリオ/ソリオバンディットがフルモデルチェンジして4代目に進化しました。その印象を一言でいうと「使う人に寄り添ったクルマで、ひときわ使いやすくなった」。派手なクルマでこそないものの、使う人のニーズを的確にとらえた“買って間違いのないクルマ”といえるでしょう。そんな4世代目に進化した、スズキ 新型ソリオ/新型ソリオバンディットを徹底試乗してきましたので、解説していきたいと思います。

文:工藤 貴宏/写真:萩原 文博

工藤 貴宏|くどう たかひろ

1976年生まれの自動車ライター。クルマ好きが高じて大学在学中から自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。卒業後に自動車専門誌編集部や編集プロダクションを経て、フリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジン搭載のマツダCX-5。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

工藤 貴宏
Chapter
スズキ 新型ソリオ/新型ソリオバンディットの歴史から振り返ってみる
新型ソリオ/新型ソリオバンディットは先代ソリオ/ソリオバンディットよりも荷室/安全装備/快適装備を向上させた!
新型ソリオ/新型ソリオバンディットの電動スライドドアには「予約ロック機能」が装備!
新型ソリオ/新型ソリオバンディットでは、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールを装備!
新型ソリオ/新型ソリオバンディットは”ソツなくこなす”いいクルマ”
新型ソリオバンディットのフロントマスクは、2段構えのヘッドライトなどでシャープにキメる!

スズキ 新型ソリオ/新型ソリオバンディットの歴史から振り返ってみる

スズキ ワゴンRソリオ
ところで、新型ソリオ/新型ソリオバンディットはどんなクルマなのでしょうか?まずはその歴史から振り返ってみましょう。

ソリオ/ソリオバンディットは、「ワゴンRワイド」や「ワゴンRプラス」の時代を経て、「ワゴンRソリオ」として登場したのが2000年12月。それを初代とすると、新型ソリオ/新型ソリオバンディットは4代目となります。
初代ソリオ
初代ソリオバンディット
ソリオ/ソリオバンディットの存在感が増したのは、2011年1月にフルモデルチェンジしてデビューした2代目から。天井を高くするなど居住空間を広げるとともに、スライドドアを採用したのです。

軽自動車に例えると、初代はハイトワゴンの「ワゴンR」だったパッケージングがスーパーハイトワゴンの「スペーシア(当時はその前身の『パレット』)」に変化することで、実用性が飛躍的にアップ。その結果として人気も上昇し、いまでは日本市場におけるスズキの小型車の最量販車種にまで成長しました。

スズキにとってソリオ/ソリオバンディットは主力モデルの1台といえるでしょう。
そんなソリオ/ソリオバンディットの魅力は、小さな車体と実用性のバランス。全長3790mm(新型ソリオ/ソリオバンディット)と小型車としてはもっとも小さな車体クラスにもかかわらず室内は広く、ゆったりと座れるのが自慢です。

今回のソリオ/ソリオバンディットのフルモデルチェンジでもそこがしっかりとキープされているのは言うまでもありません。

新型ソリオ/新型ソリオバンディットは先代ソリオ/ソリオバンディットよりも荷室/安全装備/快適装備を向上させた!

では、今回のソリオ/ソリオバンディットのフルモデルチェンジではどこを変え、何を追加したのでしょうか。開発者によると、ポイントは3つあるといいます。

それは「荷室を拡大」「快適装備&実用装備の充実」そして「安全装備の進化」。その3つのポイントに従いながら新型をチェックしていきましょう。
新型ソリオ/新型ソリオバンディットの荷室は、先代のソリオ/ソリオバンディットでウィークポイントとされた部分でした。ソリオ/ソリオバンディットのパッケージングは荷室よりも居住空間を重視したもの。

それを小さな車体で実現していたこともあり、荷室は広いといえるほどではなかったのも事実です(ただしシートスライドを活用することで後席に人が座れる状態を保ったまま荷室を拡大できる)。
新型ソリオ/新型ソリオバンディットの荷室は、先代ソリオ/ソリオバンディットよりも100mm拡大されている。また、シートのスライドの長さ調整を利用してシーンに合わせてコントロールできる。
新型ソリオ/新型ソリオバンディットはそこを改善。車体の全長を80mm伸ばし、それをすべて荷室空間の前後長拡大に充てました。

荷室形状の変更もあり、結果として荷室床面の奥行きは100mmも増したのだからなかなかです。

機内持ち込みサイズのスーツケースは床上に5個、加えて床下に1個で合計6個積載可能。このクラスでその量は凄いですね。
新型ソリオ/新型ソリオバンディットでは、スリムサーキュレーターを採用。これで、前席・後席共に夏も冬も快適に過ごせる。
新型ソリオ/新型ソリオバンディットの快適装備と実用装備の充実として注目する点は、スズキの小型車としてはじめてのサーキュレーターの採用(「ハイブリッドMZ」とバンディット「ハイブリッドMV」に標準装備)が一つあげられます。

ソリオ/ソリオバンディットの室内は広いけれど、後席のエアコンは装備されないこのタイプのクルマは、真夏などに後席をしっかり冷やしにくいのがウィークポイントのひとつ。

そこで後席へ風を送るサーキュレーターを前席頭上付近に設置することで、冷たい風(冬は暖かい風も!)を後席へ送って快適性を高められるというわけ。

スズキによると、このサーキュレーターは、夏は後席乗員の顔付近、冬はそれより下げて後席足元付近へ風を向けると効果的に使えるのだとか。
もちろん、新型ソリオ/新型ソリオバンディットには、日差しを和らげるスライドドアのロールサンシェード、寒い冬にうれしいシートヒーター(運転席&助手席)なども従来モデルから引き続き採用(ベーシックグレードの「G」を除く)。

新型ソリオ/新型ソリオバンディットの電動スライドドアには「予約ロック機能」が装備!

また、新型ソリオ/新型ソリオバンディットの電動スライドドアには「予約ロック機能」としてスライドドア作動中もリモコンからのドアロック操作を受け付ける機能を新たに追加しました。

スライドドアが閉まり切るまでロック操作を待つ必要がないこれは使ってみると予想以上に便利で、どうして今までなかったの?と思えるほど。

電動スライドドアは「ハイブリッドMX」では助手席側、「ハイブリッドMZ」とバンディット「ハイブリッドMV」は左右両側に標準装備しています。
また新型ソリオ/新型ソリオバンディットのコックピット周辺は、メーカーオプションのナビ画面が9インチと大きいこと(ディーラーオプションでは10インチも用意!)、ドライバーの正面に情報を表示するヘッドアップディスプレイが搭載されたこと(「ハイブリッドMZ」とバンディット「ハイブリッドMV」に採用)が大きなトピック。
ちょっと控えめに言って、クラスを超えた充実度です。そして先進安全装備はまず、クルーズコントロールの進化に注目。

高速道路走行中などにつかえるこの機能は、速度固定式ではなくアダプティブ式のクルーズコントロールを搭載しています。これを使うと、ドライバーがアクセルから足を離しても、前を走る車両にあわせてクルマが自らスピードを自動調整するので便利です。

新型ソリオ/新型ソリオバンディットでは、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールを装備!

新型ソリオ/新型ソリオバンディットでは、渋滞時に車両を停止するまで機能する全車速追従式へと進化しました(完全停車時の停止保持は2秒まででそれ以上長く止まり続ける際はドライバーがブレーキを踏む必要がある)。

衝突被害軽減ブレーキは2つのカメラで前方を認識するデュアルカメラ方式で、夜間の歩行者も検知。
*スズキ小型車初:全方位モニター作動時

さらに後方も障害物を検知する機能があり、接触しそうになるとブレーキをかけて停止または減速するところまでフォローしてくれるので安心です。

車庫入れ時などに運転ミスでクルマをぶつけずにすみますよ。

新型ソリオ/新型ソリオバンディットは”ソツなくこなす”いいクルマ”

さて、それでは実際に新型ソリオ/新型ソリオバンディットに乗り込んでみましょう。

何度乗っても実感するのは、乗り降りのしやすさ、そして室内の圧倒的な広さ。前席の解放感はもちろんのこと、真骨頂は後席の圧倒的な大空間。

ゆったり足を組んで座れるゆとりがあり、「この車体サイズで信じられない」「これ以上何を求めるの?」くらいの感覚です。
新型ソリオ/新型ソリオバンディットのリアシートは左右独立リクライニング&スライドに加えてセンターアームレストとまであるのだから、居住性に対してユーザーからの評価がきわめて高いのも納得ですね。

プラットフォームを先代ソリオ/ソリオバンディットから受け継いだこともあり走りのフィーリングも従来の延長線上で、納得なのは乗り心地。

段差や路面の凹凸をしなやかに吸収し、後席からも不満のない乗り心地や多くの人から支持を得ることでしょう。
新型ソリオバンディット
新型ソリオ
新型ソリオ/新型ソリオバンディットには、K12C型デュアルジェットエンジンを搭載。
1.2L 直列4気筒エンジンにマイルドハイブリッドが組み合わされ、最高出力:67kW/6,000rpm(91PS/6,000rpm)、最大トルク:118N・m/4,400rpm(12.0kg・m/4,400rpm)
なかには、この新型ソリオ/新型ソリオバンディットと「スペーシア」やホンダ「N-BOX」などスーパーハイトワゴンの軽自動車とで購入を悩む人もいるかもしれません。そんな人に知っておいてほしいのは、室内や荷室の広さだけでなく、走行感覚にも違いがあるということ。
新型ソリオ/新型ソリオバンディットは軽自動車に比べて車幅が広く、そのぶん左右のタイヤの感覚が広がっているので曲がるときにタイヤがひときわ踏ん張ってくれます。

だから旋回中の安定感が高く、運転していて疲れにくいのは大きなアドバンテージ。ちょっと速めに曲がっても、グラッとクルマが揺さぶられにくいので安心できます。
また軽自動車に比べると新型ソリオ/新型ソリオバンディットはエンジンがひとまわり大きくて加速性能が心強いし、トルクがあるからエンジンを高回転まで回す必要がなく、加速時の音が静かなのも見逃せない長所。

音と言えば、タイヤの周囲に吸音材を貼るなど遮音対策もしっかりやっているので、軽自動車に比べると音が静かなのも魅力ですね。

車体の小ささでいえばやはり軽自動車が魅力ですが、居住性、走行性能、そして快適性でも新型ソリオ/新型ソリオバンディットのほうがワンランク上なのは間違いありません。

新型ソリオバンディットのフロントマスクは、2段構えのヘッドライトなどでシャープにキメる!

そのバランスがいいから、軽自動車よりもゆとりが欲しいユーザー、特にファミリーでクルマを使う人にオススメです。

ところで、「ソリオ」と「ソリオバンディット」との違いは、内外装の雰囲気。エクステリアはベーシックなソリオに対し、バンディットは大きなフロントグリルや2段構えのヘッドライトなどで個性的に仕立てています。
インテリアのコーディネートはネイビーとホワイトを基調にするソリオに対し、バンディットはボルドーとブラックでシックな演出。

メカニズムや走行性能は共通なので、好みに応じて選べばいいでしょう。
いかがでしたか?新型ソリオ/新型ソリオバンディットは、先代のソリオ/ソリオバンディットよりも「安全装備の向上」「快適性の向上」「荷室の広さ」等に磨きをかけてきました。

このコンパクトで両側スライドドアを持つコンパクトハイトワゴン市場は更に激しい競争となるでしょう。
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