スバル 2代目WRX STI(VAB型)の7つのグレードを徹底比較!おすすめは特別仕様車!?

スバル・2代目WRX STI

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スバルを代表するスポーツカーとして2014年に登場したスバル 2代目WRX STI(VAB型)。フルモデルチェンジ前のスバル 初代WRX STIは、販売中に「インプレッサ」の名が外れ、途中から「WRX STI」を名乗りましたが、2代目WRX STIはデビュー当初からWRX STIを名乗るモデルとして注目を集めました。

今回は、そんな2代目WRX STIのグレードについて紹介していきます。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
スバル 2代目WRX STI【価格:393万8,000円】
スバル 2代目WRX STI Type S【413万6,000円】
スバル 2代目WRX STI S207【価格:599万4,000円~】
スバル 2代目WRX STI S208【626万4,000円~】
スバル 2代目WRX STI TYPE RA-R【462万8,000円】
スバル 2代目WRX STI EJ20 Final Edition

スバル 2代目WRX STI【価格:393万8,000円】

スバル 2代目WRX STIのスタンダードグレードにあたるモデルが「STI」です。

スタンダードグレードではあるものの、スバルのスポーツカーのトップグレードに位置づけられたモデルであり、走行性能にかかわる部分では妥協のない仕上がりとなっています。

エンジンは排気量2L 水平対向4気筒のEJ20型を搭載し、最高出力227kW(308PS)/6,400rpm、最大トルク422Nm(43kgm)/4,400rpmを発生。

近年は燃料を直接燃焼室に噴射する「直噴」と呼ばれる仕組みによって安定的な出力を得るエンジンが一般的ですが、EJ20型は直噴化されておらず、非直噴の2Lクラスエンジンとしては最高クラスの出力を誇っています。
駆動方式はAWD(4輪駆動)のみとし、トランスミッションには6速MT(マニュアルトランスミッション)のみを組み合わせるなど、スポーツカーらしいパッケージングとなっています。

トランスミッションにはスバルがモータースポーツで培ってきた技術が注ぎ込まれており、前後のトルク配分を変化させる「マルチモードDCCD」を装備。ギア比はクロスレシオ化され、最適なエンジン回転数を引き出せるようチューニングが施されています。

エクステリア(外装)ではボンネットにインタークーラー冷却用の大型クーリングダクトが設置されているほか、ヘッドランプにはLEDハイ&ロービームを標準装備し、硬派なスポーツカーでありつつ乗用車としての実用性も高められてる点は見逃せません。
ブレーキにはフロントにブレンボ製対向6ポッドブレーキ、リヤにもブレンボ製4ポッドブレーキを装着し制動力を強化。それに合わせてホイールは大径18インチアルミホイールを装着し、タイヤも245/40R18の幅広サイズが奢られるなど、死角のない仕上がりとなっています。

価格は393万8,000円と、税込み価格で400万円に迫る値段設定でした。

スバル 2代目WRX STI Type S【413万6,000円】

「STI Type S」は、「STI」から走行性能を向上させた上位グレードです。

エンジンスペックは「STI」と同様ですが、「STI Type S」専用装備としてサスペンションにはビルシュタイン製ダンパーが装備されコーナリング性能を向上。トランクには空力性能に優れるトランクリップスポイラーが標準装備されているほか、ホイールがより大径の19インチアルミホイールへとサイズアップされています。

快適装備ではフロントワイパーデアイサーや、緻密な姿勢調整が可能な運転席10ウェイパワーシート、さらにフロントシートヒーターが標準装備されるなど、走行性能を高めつつ高級志向の装備内容となっています。
さらに、「STI」では装備できなかったRECARO製フロントシート(前席)や電動サンルーフなどが設定されていることも見逃せないポイントで、単純な走行性能を高めた上位グレードというよりも、あらゆる質感を高めた上級グレードであると言えるでしょう。

価格は413万6,000円で、「STI」から19万8,000円高い値段設定となっていました。

スバル 2代目WRX STI S207【価格:599万4,000円~】

スバル 2代目WRX STIには、販売期間中に標準グレードの他にもさまざまな特別仕様車が台数限定でラインナップされてきました。「S207」はそうした特別仕様車の1つであり、400台限定で販売されたモデルでした。

エンジンは標準グレードのEJ20型に専用のチューニングが施され、当時としてはEJ20型最高クラスのスペックを誇る最高出力241kW(328PS)/7,200rpm、最大トルク431Nm(44kgm)/3,200~4,800rpmを発揮。最高回転発生数がより高回転側に設定されたスポーツユニットとなっていました。
それに合わせてエンジンは各部品の重量をすり合わせて制度を上げるバランス取りが行われ、高出力化に対応。エンジンを制御するECU(エンジンコントロールユニット)も専用のプログラミングが施され、ターボチャージャーの軸受けにはボールベアリングを採用することでブースト圧の向上にも対応する仕様となっていました。
サスペンションにはビルシュタイン製ダンパーが装着されていますが、「STI Type S」とは異なる減衰力可変ダンパー「DampMatic I」を採用し、走行状況に応じた最適な減衰力を発揮する足回りを採用。

それに合わせてボディー下面にはフレキシブルドロースティフナー、エンジンルームにはフレキシブルタワーバーなど路面の衝撃をいなすアイテムも追加され、乗用車としての実用性も高めていました。
標準グレードからさまざまな変更点が加えられた「S207」ですが、400台の限定台数のなかにさらに特別な仕様として「NBR CHALLENGE PACKAGE」が200台「NBR CHALLENGE PACKAGE YELLOWEDITION」が100台割り当てられていました。

「NBR CHALLENGE PACKAGE」では専用のドライカーボン製リヤスポイラーを装着し、「NBR CHALLENGE PACKAGE YELLOWEDITION」では限定ボディーカラーとして「サンライズイエロー」が設定されるなど、まさに特別仕様車と呼べる要素が満載された1台となっていました。

価格は「S207」が599万4,000円、「S207 NBR CHALLENGE PACKAGE」が631万8,000円、「NBR CHALLENGE PACKAGE YELLOWEDITION」が637万2,000円と、価格も特別仕様車にふさわしい値段設定となっていました。

スバル 2代目WRX STI S208【626万4,000円~】

「S208」は、「S207」に続くスバル 2代目WRX STIの特別仕様車で、450台限定で販売されたモデルでした。

エンジン出力は「S207」からさらに高められ、最高出力242kW(329PS)/7,200rpm、最大トルク432Nm(44kgm)/3,200~4,800rpmに達し、市販車のEJ20型としては限界とされる数値に迫ったと言われています。

一方で、ルーフにはカーボンを使用し運動性能を向上。それに合わせるようにサスペンションには進化したビルシュタイン製「DampMatic II」を採用し、旋回性能をさらに高めています。タイヤも標準グレードより幅広の255/35R19を組み合わせるなど、あらゆる点で「S207」を上回る存在となっていました。
「S208」には、「S207」同様に「NBR CHALLENGE PACKAGE」が割り当てられ、カーボン製トランクリップスポイラーを装着した「NBR CHALLENGE PACKAGE Carbon Trunk Lip」、大型リヤウィングを装着した「NBR CHALLENGE PACKAGE Carbon Rear Wing」の合計3種類が設定されました。
価格は「S208」が626万4,000円、「S208 NBR CHALLENGE PACKAGE Carbon Trunk Lip」が689万400円、「S208 NBR CHALLENGE PACKAGE Carbon Rear Wing」が710万6,400円と、ついに700万円を超える値段設定となりました。

スバル 2代目WRX STI TYPE RA-R【462万8,000円】

「TYPE RA-R」は、「S207」や「S208」よりもボディーを軽量化し、「軽さ」「速さ」「愉しさ」をテーマに性能を突き詰めた特別仕様車でした。

エンジンは「S208」と同じスペックを保ちつつグラム単位での軽量化を進め、スバルによれば「S207」や「S208」と比較して30kg軽く、ベースとなった「STI」からも約10kgの軽量化を実現したとされています。モータースポーツでは軽量化は非常に効果の高いチューニングとされているため、「TYPE RA-R」が高いポテンシャルを備えていたことが伺えます。
一方で「S207」や「S208」に見られた高性能なサスペンションや高価なリヤウィングなどのパーツが省略されたことで価格が抑えられ、462万8,000円とリーズナブルな値段設定となりました。

スバル 2代目WRX STI EJ20 Final Edition

「EJ20 Final Edition」は、スバル 2代目WRX STIの販売終了に伴い、555台限定で販売された特別仕様車でした。

2代目WRX STIに搭載されていたEJ20型は、当時のスバルの車種のなかでは2代目WRX STIのみに採用されていたエンジンであったため、販売終了に伴いEJ20型も姿を消すこととなり、その最後を記念したモデルとして販売されたと言われています。
エンジンスペックは標準グレードと同様の最高出力227kW(308PS)/6,400rpm、最大トルク422Nm(43kgm)/4,400rpmですが、エンジンの各部品はバランス取りが行われ、標準グレードよりもスムースな回転を実現したとされています。

価格は485万1,000円と、こちらも「S207」や「S208」と比較すればリーズナブルな値段設定となっていました。
2代目WRX STIには数々の特別仕様車がラインナップされ、そのすべてが希少車種としてプレミア価格で取引されています。中古車市場における流通数も少なく、大手中古車Webサイトでは「TYPE RA-R」が約700万円、「S208」が約800万円など、新車価格を上回る値段となっています。

そのため、2代目WRX STIの特別仕様車は手に入れること自体が難しく、「新車価格と同額のクルマを見つけたら買い」と言える状況なのかもしれません。

※ 2020年10月現在

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