まもなくモデルチェンジ?トヨタ ハリアーは「別格」のSUV!?

トヨタ ハリアー 2017

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2020年の夏前にも次期型があるのでは?という憶測記事もあるトヨタ ハリアー。3代目は、2013年11月に登場したため、7年近く経っている。今回は、ハリアーのガソリンエンジン、ハイブリッドのパワートレーン、2WDと4WDという駆動方式、GR SPORTSやモデリスタなど個性的な仕様まで改めてチェックしてみた。

文・塚田 勝弘

塚田 勝弘|つかだ かつひろ

自動車雑誌、モノ系雑誌の新車担当編集者を約10年務めた後に独立し、フリーランスライターとしても10年が経過。自動車雑誌、ライフスタイル雑誌、Web媒体などで新車試乗記事やカーナビ、カーエレクトロニクスなどの記事を展開している。

塚田 勝弘
Chapter
価格は高めだがトヨタのSUVの中でも人気モデル
絶妙な価格設定にも理由が…?
小気味よい走りが身上のターボモデル
街乗り中心なら必要十分な2.0L NAガソリン車
「E-Four」は省燃費性と悪路走破性に優れる生活四駆
カタログモデルの「GR SPORTS」も見逃せない選択肢
圧倒的なオリジナリティが際立つ「MODELLISTA」
古さを感じさせないスタイリング!内装の質感が美点

価格は高めだがトヨタのSUVの中でも人気モデル

ハリアーは、トヨタのSUVの中でもCH-RやRAV4に次ぐ人気モデルになっている。2020年の登録からは、これにコンパクトSUVのライズが加わったため、同社では4番目くらいの人気SUVになる。

しかも、車両価格が高いドル箱モデルでもある。噂どおりのフルモデルチェンジを受けるとなると、熟成極まった現行ハリアーを手に入れるチャンスかもしれない。初代ハリアーは、FF系プラットフォームを使う、都市型SUVとして1997年にデビュー。北米などではレクサス RXとして人気を集めていて、早い段階からプレミアムSUVを謳うモデルだった。

SUVが軍用車やピックアップトラックから派生し、ラダーフレームのクロカン系SUVが長く繁栄してきたが、トヨタは1994年の初代RAV4で、シティ系SUVという鉱脈を引き当てた。RAV4以前にも街乗りSUVはあったが、木村 拓哉をCMに起用するというマーケティングの成功もあって一躍スポットライトを浴びる。

その後は、日本車だけでなく、メルセデス・ベンツがMクラス、BMWがX5をリリース。その後は、スーパースポーツカーブランドまで参入する大きな市場になったのはご存じのとおりだ。

絶妙な価格設定にも理由が…?

さて、現行ハリアーはレクサス RXの兄弟車ではなくなり、国内専用モデルとして開発された。消費税が10%増税される前までは、300万円を切るエントリーグレードを設定し、300万円台前半で売れ筋仕様が手に入る価格設定も絶妙だった。

中古車マーケットでも値崩れしにくく、ここ数年こそ販売台数は落ちているが、人気モデルとして長い間君臨してきた。その理由は、価格設定の割に内外装の質感が高い、というトヨタらしい長所が高く評価されてきたといえるだろう。

いまでもハリアーのハイライトは、内外装のクオリティの高さにあると言っていいだろう。とくにインパネの質感やデザインは古さを感じさせない。

小気味よい走りが身上のターボモデル

現在のパワートレーンは、2017年6月のマイナーチェンジを機に、追加された2.0Lの直列4気筒直噴ガソリンターボ、同じく2.0LのガソリンNAエンジンと2.5Lガソリン+2モーターのハイブリッド。駆動方式は、ターボ車とガソリン車(NA)が2WDと4WD、ハイブリッドは4WDのE-Fourのみとなる。

最も後に追加された直噴ターボ仕様は、プレミアムガソリンを指定し、最高出力231PS/5,200-5,600rpm・最大トルク350Nm/1,650-4,000rpmというアウトプットになっている。組み合わされるトランスミッションは、CVTではなく6AT。

「エコ」や「ノーマル」モードでは、驚くほどパワフルではないものの、「スポーツ」モードにすれば、鋭い加速が得られる。高速道路やワインディングでも痛快な加速フィールを堪能できるのだ。それでも、普通に走る分には、過給後の驚くほどの加速感はなく、ジェントルな走りが似合う。

高効率なツインスクロールターボを搭載し、走り一辺倒ではないのも現代のターボエンジンといえそうだ。また、パフォーマンスダンパーの採用により、ロール剛性が高く、ハードな走りでも根を上げないのもターボ車の魅力となっている。

街乗り中心なら必要十分な2.0L NAガソリン車

ターボ仕様よりも80kg軽い2.0Lガソリン車は、2WDとの組み合わせであれば軽快なフットワークが得られる。街中や郊外路であれば動力性能に大きな不満を抱くことはないだろう。

トランスミッションはCVTで、急加速時には音が高まり、加速が付いてこないという同トランスミッションの課題は、根本からは解決されていないものの、街乗り中心であれば不足のないパワートレーンといえそう。イニシャルコスト・ランニングコストも高く、ハリアーらしさを気軽に楽しめるモデルといえるだろう。

「E-Four」は省燃費性と悪路走破性に優れる生活四駆

一方、2.5Lエンジンに前後モーターを組み合わせるハイブリッドは、後輪をモーターが駆動させる電気式4WDシステムの「E-Four」を採用する。雪道などの滑りやすい路面で、モーターが背中を押すことで発進性・脱出性・走行安定性を高めるもので、通常走行時ではFFとなり省燃費運転が可能になるシステムだ。

リヤモーターは、最高出力50kW(68PS)/最大トルク139Nmで、先述した目的であれば十分といえる高出力型といえる。ほかにも、21.4km/L(JC08モード燃費)というハイブリッドらしい燃費性能の高さ、静粛性の高さなどによる上質感の高さも美点だ。

カタログモデルの「GR SPORTS」も見逃せない選択肢

ハリアーには、「GR SPORTS」も設定されている。「GR SPORTS」は、GRシリーズのコンプリートカーでは最もマイルドな仕様。ほかのカタログモデルよりもピリ辛なスタイリング、よりスポーティなハンドリングなどが魅力で、街中で他のハリアーと「被りにくい」という利点もあるかもしれない。

専用バッヂと専用マフラーに加えて、専用チューニングサスペンションにより足が引き締まり、スポット打点追加+ブレース追加によりボディ剛性も引き上げられている。ほかにも、GRロゴ付の専用メーター、カーボン調加飾が見た目をスポーティなものにして、小径ステアリングが操舵感を引き締めている。

なお、現行ハリアーは、ノーマル仕様でも足まわりは硬めで、「GR SPORTS」はより引き締められているからその点は織り込み済みとして選択する必要がある。

圧倒的なオリジナリティが際立つ「MODELLISTA」

さらに個性的なハリアーをお望みなら、モデリスタ仕様も用意されている。トヨタの販売店でほかの新車と同じように、ローンを組むことが可能だ。単体でのパーツ購入もできるが、コンプリート仕様として「MODELLISTA Ver.1」「MODELLISTA Ver.2」「COOL SHINE KIT for“Style NOIR”」を現在用意している。

「Ver.1」は、フロントスポイラー・フロントスポイラー(LED付)・サイドスカート・リヤスタイリングキット(リヤスカート+マフラーカッター)orリヤスタイリングキット(リヤスカート+リヤフォグランプベゼル+マフラーカッター)を用意。ほかにも、多くのパーツをオプション設定している。

「Ver.2」は、「Ver.1」とは異なるデザインが与えられたフロントスポイラー(LED付)・サイドスカート・リヤスタイリングキット(リヤスカート+マフラーカッター)orリヤスタイリングキット(リヤスカート+リヤフォグランプベゼル+マフラーカッター)が装備される。こちらも、多様なパーツをオプション設定している。

「COOL SHINE KIT for“Style NOIR”」は、フロントグリルガーニッシュ(漆黒メッキ)・ミラーガーニッシュ・バックドアガーニッシュからなる仕様で、エアロパーツ同様にモデリスタ仕様の定番キットだ。

古さを感じさせないスタイリング!内装の質感が美点

2020年でデビューから7年目を迎えるトヨタ ハリアー。次期型も気になるところだが、内外装のスタイリングやクオリティの高さは依然として一級品といえるだろう。パワートレーンや仕様の選択肢も多く、国産ミドルサイズSUVとして魅力的な1台なのは間違いない。

直噴ターボ仕様が追加された2017年のマイナーチェンジでは、「ハリアーネス」を磨いたとした。トヨタでは、セダンではクラウンが別格といえる存在になっているが、いまではSUVの中でも「ハリアーネス」を掲げるハリアーそのものが「ブランド」になっている。
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