最強のGT-R?日産 R32型 スカイラインGT-Rの強さと速さの理由に迫る!

R32 GT-R

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日産 スカイライン GT-Rは1969年に初代モデルが登場して以来、多くのファンを虜にしてきました。R34型を最後にモデル名から「スカイライン」の名は外れてしまったものの、GT-Rは未だに日産の代表的な名車として知られています。

今回は2019年に50周年を迎えたGT-Rのラインナップの中でも、特に人気の高いR32型 スカイラインGT-R(以下R32型GT-R)を取り上げます。
Chapter
そもそも日産 スカイラインとは?
日産 スカイラインに設定されたGT-Rとは?
日産 R32型GT-RはGT-Rとして16年ぶりの復活
日産 R32型GT-Rの29戦29勝の伝説
日産 R32型GT-Rは901運動で誕生した代表的なモデル
日産 R32型GT-Rは「技術の日産」を体現するようなモデル

そもそも日産 スカイラインとは?

日産 スカイラインは、1957年から生産されている人気のスポーティセダンで、ライバルに比べ、先進的なメカニズムや優れた走行性能という共通した特徴を持っています。世代によっても異なりますが、4ドアセダンや2ドアハードトップ・ステーションワゴンなどのボディバリエーションが存在しています。

歴代のスカイラインには、初代に設定されたスカイライン・スポーツや2代目モデルのGTをはじめ様々な高性能グレードが存在しますが、その中でもGT「Racing」仕様として特に高い走行性能を誇るのがGT-Rです。

日産 スカイラインに設定されたGT-Rとは?

スカイラインGT-Rは、2代目スカイライン(S5型)の高性能版であったプリンス・スカイラインGT-Bをルーツにもち、3代目スカイラインのC10型をベースとして1969年に初めて設定されました。

このモデルは「ハコスカ」の愛称で親しまれ、高い人気を得ており、現存する個体は今なお熱狂的なファンに愛されています。走行に必要のない装備は省略され、とことん走りを追求している点が特徴です。

またGT-Rとして2代目となるKPCG110型も「ケンメリ」という愛称で親しまれていましたが、先代から引き続き採用されたS20型エンジンが排ガス規制に適合できず、生産されたのはわずか197台といわれています。そのため希少性が非常に高いモデルとして知られています。
その後は高性能グレードでも「GT-R」を名乗るモデルが存在せず、16年の時を経てGT-Rの名前が復活したのが1989年に登場したR32型なのです。そして、R33型、R34型と進化を続けたのち、2002年に販売終了となります。その後スカイラインの名がとれた日産 GT-R(R35型)が後継車として2007年に登場し、現在まで販売されています。(2020年7月時点)

日産 R32型GT-RはGT-Rとして16年ぶりの復活

R32型GT-Rは2代目からは16年ぶりとなる久々の復活を果たしました。開発に際しての使命はグループA規定で行われていた全日本ツーリングカー選手権で勝つこと。そのため市販車開発の段階から、グループA規定を考えられた開発が行われていました。

チューニングして500馬力オーバーの出力を発生しても余裕で耐えられるRB26DETTエンジン、パワーを余すことなく路面に伝える電子制御4輪駆動システム「アテーサE-TS」、電子制御4輪操舵機構「スーパーHICAS」などを採用しており、当時最先端のメカニズムで武装したバトルマシンでした。
最高出力は当時の規制の中で最高値となる206kW(280PS)でしたが、あくまで規制内に収まるように出力が調整されていたと言われています。

当時の規制がなければさらなるモンスターマシンになっていたことでしょう。

日産 R32型GT-Rの29戦29勝の伝説

1990年シーズンの全日本ツーリングカー選手権でレースデビューを果たしたR32型GT-Rは、デビューウィンを飾ります。

その後も圧倒的な強さを誇り、93年に全日本ツーリングカー選手権のグループA規定での開催が、終わりを迎えるまで29戦29勝を達成しました。

全日本ツーリングカー選手権の最上位クラス「クラス1」にGT-Rが参戦するようになると、スープラで参戦していたトヨタ、シエラで参戦していたフォードが徐々に撤退していき、最終的にクラス1は事実上GT-Rのワンメイククラスになります。その強さは「GT-RにはGT-Rでしか勝てない」と言われるほどでした。
圧倒的な強さは圧倒的な人気を呼ぶことになります。全日本ツーリングカー選手権でGT-Rにのみ勝負権があるような状態となってしまっても、ファンはサーキットに足を運びました。1993年に富士スピードウェイで行われたグループA規定最後の全日本ツーリングカー選手権では、主催者発表で当時最多となる94,600人の観客が来場したと言われています。

そんなR32 GT-R人気は現在でも根強く、中古車市場価格は高止まりしているという状況。当初は市販車としての人気よりもレースで勝つことを目標に開発したモデルでしたが、結果的にレースでの伝説が、GT-Rのラインナップの中でも最高傑作との呼び声もある高い評価と屈指の人気を得ました。

日産 R32型GT-Rは901運動で誕生した代表的なモデル

R32型GT-Rは901運動の集大成と呼べるクルマでした。901運動とは「1990年代までに日産車の技術を世界一のレベルにまで上げる」ことを目的にした運動です。

日産が好きな方の中には901運動がきっかけで日産を好きになった方もいるのではないでしょうか?この901運動の時期に、今回取り上げているR32型GT-Rを始めとして、Z32型フェアレディZ、インフィニティQ45など様々な名車が誕生しました。

それらの名車を名車と言わしめていたのが日産独自のハンドリング技術やエンジン技術の数々で、この時期に日産のブランドイメージは大幅に上昇しました。

日産 R32型GT-Rは「技術の日産」を体現するようなモデル

R32型GT-Rのポイントは何といっても当時の最新メカニズムと、それらが生み出す圧倒的速さです。

有り余るRB26DETTエンジンのパワーを路面に伝える電子制御4輪駆動システム「アテーサE-TS」は、0:100-50:50まで前輪と後輪のトルク配分を最適に制御できるシステムで、FRのようなナチュラルなコーナリング特性と、4WDの高いトラクション性能と安定性の両立を実現しています。

このFRと4WDのいいとこ取りをする、という電子制御4輪駆動システムは現在のハイパフォーマンスカーの主流とも言える装備で、まだ進化し続けているシステムです。

1989年発売で既にそのような駆動システムが搭載されていたR32型GT-Rがどれだけ先進的な車だったか分かりエピソードです。このような当時最新鋭のメカニズムで武装したR32型GT-Rは、サーキットのラップタイムでポルシェやフェラーリと言った、世界のスポーツカーにも引けを取らないタイムを誇っていました。
GT-Rとして16年ぶりに復活し、モータースポーツシーンで輝かしい成績を残したR32型 スカイライン GT-R。当時の最新技術が結集されたモデルとして、自動車史上に残る名車といえます。

その系譜を継ぐ現行モデルはR35型GT-Rです。現在でも世界一級のパフォーマンスを誇りますが、登場したのは2007年と10年以上前のため、R36型GT-Rの登場も期待されています。

901運動に際して生まれたR32型GT-Rのように、そして世界の名だたるスーパースポーツと渡り合える現行R35型GT-Rように、世界で戦えるGT-Rになってほしいですね。
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