三菱 アウトランダーPHEVはマイナーチェンジで何が変わった?

三菱 アウトランダーPHEVの写真

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三菱自動車が2012年から販売しているアウトランダーPHEVは、ミドルサイズSUVとして日本のみならず、ヨーロッパやアメリカを含む世界中で販売台数を増やし続けている人気の高いプラグイン・ハイブリッド車の1つと言われています。

国内で販売しているプラグインハイブリッド車の中で唯一、SUVタイプであるアウトランダーPHEV。今回は、そんなアウトランダーPHEVのこれまでのマイナーチェンジによって変更されてきた点をご紹介します。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
新たに追加されたアウトランダーPHEV
スムーズな加速とエンジン始動を実現
新旧アウトランダーのエンジンを比較
確かに力強くなったけど燃費に影響は!?
バッテリーの容量変更で性能アップ
時代の流れ?安全装備は重要です!
エクステリアの変更は成功したのか?
カラバリも増えに増えました

新たに追加されたアウトランダーPHEV

三菱のアウトランダーが発売されたのは、今から15年前の2005年でした。同社のエアトレックの後継車となるアウトランダーは、先ずは日本国内で発売を開始。その後、アメリカとヨーロッパでそれぞれ仕様を変更して発売されました。

順調に売上を伸ばしていたアウトランダーですが、時代はハイブリッドやEVなどの環境に沿ったクルマへと流れが次第に変わっていきます。
三菱もそれまでガソリン車しかなかったアウトランダーをプラグインハイブリッド車として開発し、2012年12月、新たにラインアップに追加して発売を開始しました。現在も唯一のSUVタイプのプラグインハイブリッド車として、国内外で良い評価を受けて現在も販売を続けています。

スムーズな加速とエンジン始動を実現

2013年に三菱 アウトランダーPHEVが発売されてから、これまで様々なマイナーチェンジが行われてきました。その中でも2018年のマイナーチェンジによって大きく変わった点としては、これまで搭載されていたエンジンの換装による高効率化でした。

それまでのアウトランダーPHEVのエンジンは2.0Lの4気筒DOHCでしたが、2018年のマイナーチェンジ時に新しく可変バルブタイミングシステムを採用した2.4Lの4気筒DOHCエンジンに換装されました。

この新しい機能を搭載した2.4Lエンジンに変えたことによって、低回転域での効率の良い発電が実現可能になり、高性能のエンジン発電制御でスムーズな加速を実現しています。他にも、エンジン騒音の低減や排気放射音の抑制などにより高い静粛性を備えています。

新旧アウトランダーのエンジンを比較

さて、実際にどこがどう変わったのでしょうか。気になる点といえば、やはりクルマのパワーや燃費がまず思い当たるのではないでしょうか。新旧アウトランダーPHEVを比べてみました。

2018年モデル
・エンジン形式:2.4L 4B12 MIVEC *Mitsubishi Innovative Valve Timing Electronic Control System
・総排気量:2,359cc
・弁機構 / 気筒数:DOHC 16バルブ / 4気筒
・最高出力 / 回転数:94 kw [128 PS] / 4,500 rpm
・最大トルク / 回転数:199 Nm [20.3 kgf] / 4,500 rpm

2017年モデル
・エンジン形式:2.0L 4B11
・総排気量:1,998cc
・弁機構 / 気筒数:DOHC 16バルブ / 4気筒
・最高出力 / 回転数:87 kw [118 PS] / 4,500 rpm
・最大トルク / 回転数:186 Nm [19.0 kgf] / 4,500 rpm

2018年モデルは、最高出力と最大トルクが2017年モデルに比べ大きくなっています。

確かに力強くなったけど燃費に影響は!?

以前のモデルから燃費は悪くなかったアウトランダーですが、パワーが上がったことで燃費に影響は出ているのでしょうか。気になる燃費性能も調べてみました。

燃費比較(JC08モード)
2018年モデル
・ハイブリッド燃料消費率:18.6km/L
・EV走行換算距離:65km

2017年モデル
・ハイブリッド燃料消費率:19.2km/L
・EV走行換算距離:60km

数字だけの比較ですとエンジン換装前の燃費の方が良いのでは?と感じますが、排気量や最高出力やトルクなどがアップしていることを考慮すれば、効率化がなされた燃費性能になっています。

バッテリーの容量変更で性能アップ

アウトランダーPHEVは、2018年のモデルチェンジ時のエンジンの換装と共に使用するバッテリー容量も12.0kw/hから13.8kw/hに変更されました。このバッテリー容量の増大によって、EV走行での最大走行距離が伸び 、カタログ上のJC08モードでのEV走行換算距離は65kmとなり変更前の60kmに比べ向上されました。

また、モーターや発電機となるジェネレーターなどの出力も合わせて向上され、力強い走行に貢献しています。EV走行だけでも日常の買い物や普段の通勤に利用できるバッテリー容量はアウトランダーPHEVの魅力になっています。

時代の流れ?安全装備は重要です!

最初のアウトランダーPHEVが発売された際に装備されていのは「e-Assist(イー・アシスト)」と呼ばれる危険を察知し被害を予防・回避・軽減する為のシステムでした。このe-Assistは、衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)とレーダークルーズコントロールシステム(ACC)、車線逸脱警報システム(LDW)をまとめた呼び名になっています。

・衝突被害軽減ブレーキシステム / FCM(Foward Collisio0n Mitigation System)
衝突の危険があると判断した時に作動し、衝突が避けられないと判断した場合は衝突を軽減します。

・レーダークルーズコントロールシステム / ACC(Adaptive Cruise Control)
先行車の加速・減速・停止に追従走行し、設定した車間距離を保ちながら走行します。

・車線逸脱警報システム / LDW(Lane Departure Warning)
前方の車線位置を監視し、車線を外れそうになった時に警報でドライバーに知らせます。

その後も装備の改良や追加が行われ、2017年のモデルからは一部のグレードを除いて、後側方車両検知警報システム(BSW / LCA、RCTA)やオートマチックハイビーム(AHB)などが追加されました。

現在ではe-Assistの他に、アンチロック・ブレーキ・システムのABSや自車と周りの環境を確認するマルチアラウンドモニターなど様々な安全装備が追加され、アウトランダーの安全性能が向上されています。

エクステリアの変更は成功したのか?

2012年発売時のアウトランダーPHEVのデザインは、基本的にはガソリン車とほぼ同じでしたが、フロントグリルやリヤのテールランプのデザインや仕様を変更することでガソリン車と差別化が図られました。

その後もわずかな変更はありましたが、アウトランダーPHEVのデザインが大きく変更されたのは2015年のマイナーチェンジの時でした。発売時からあまり良い評価を受けていなかったアウトランダーはこの年に大きな変化を迎えます。

フォルム自体は変わらずに、全体にメッキパーツが多用され、大型化して吊り目が強調されたフロントマスク。テールランプをクリヤータイプからオーソドックスな赤色タイプに変更し、リヤデザインも大型化しました。

2015年以降は大きなデザインの変更は行われておらず、アルミホイールやラジエーターグリル、ヘッドライト内部のデザインが変更されています。ここまで長い間デザインが変わっていないことから、多くの方に受け入れられ、定着したと言えるでしょう。

カラバリも増えに増えました

アウトランダーPHEVの発売当初は、カラーバリエーションはわずかに4色だったため、ユーザーの選択肢は限られていました。

・ブラックマイカ
・チタニウムグレーメタリック
・ホワイトパール(オプション)
・テクニカルシルバーメタリック

上記のように華やかというより、渋いカラー設定となっていました。2014年以降も追加や変更、廃止などが続きます。現在、ボディカラーはグレード毎に異なりますが、含めると以下の中から選択できます。
・G Limited Edition
ホワイトパール
ブラックマイカ
スターリングシルバーメタリック

・G / G Plus Package / G Premium Package
ホワイトパール
ルビーブラックパール
ブラックマイカ
チタニウムグレーメタリック
レッドダイヤモンド
スターリングシルバーメタリック
クォーツブラウンメタリック

・S Edition
ホワイトパール
ルビーブラックパール
レッドダイアモンド
スターリングシルバーメタリック
ホワイトパール / ブラックマイカ
レッドダイヤモンド / ブラックマイカ
スターリングシルバーメタリック / ブラックマイカ

有料色が含まれていたり、グレードによって選べないカラーがあることは少し残念ですが、アウトランダーの硬派なイメージにあわせたカラーバリエーションはさすがといったところです。
三菱自動車のアウトランダーPHEVの変更点をご紹介してきましたが、なかにはマイナーチェンジではなく、フルモデルチェンジに近かったものもありました。毎年のようにマイナーチェンジを繰り返してきたアウトランダーですが、その度に新しい技術や装備、オプションが加えられ、同時に魅力も増してきました。

その証拠に好調な販売台数に現れています。ハイブリッド車が多くなりライバルが増えてきていますが、アウトランダーは今まで培った技術やノウハウをもとに、これからも進歩し続けるでしょう。
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