日産 マーチのシートアレンジでコンパクトな車内を実用的に使う！

丸みを帯びたシルエットに、愛らしいヘッドランプ、深みのあるカラーバリエーションで、女性ドライバーからの人気を博している日産 マーチ。1982年の初代モデル発売当時から、その優れたデザイン性が評価され、4代目である現行モデルにも受け継がれています。

日産の公式サイトでも豊富なカラーバリエーションを大きく取り上げ、映画に登場しそうな絶妙なカラーで多くの人を魅了します。見た目はもちろんマーチの大きな特徴の1つとして挙げられるのがそのコンパクトボディです。

最小回転半径4.5mと小回りが利き、免許取り立ての初心者でも安心して運転できる取り回しの良さが高い評価を得ています。またコンパクトカーでは珍しく、少し盛り上がったフェンダーとボンネットが運転席から確認できるため、車幅やボディ先端も確認しやすくなっています。

さらにサイドウィンドウの下部を抑えることで左右の視界の良さに貢献しています。狭い道でのすれ違いや、曲がり道での走行、縦列駐車もスムーズに行えるなど、街乗りに最適です。日産 マーチは発売以来から幾度も改良を重ね、直近では2010年にフルモデルチェンジ、3年後の2013年にはマイナーチェンジが行われています。

2010年のフルモデルチェンジでは、チャームポイントである丸みのあるヘッドランプで親しみのあるフロントフェイスが、洗練され、かわいさの中にもクールな印象を持つエクステリアデザインへと生まれ変わりました。

また新たに「高剛性軽量化プラットフォーム」、コンパクトで軽量の「HE12DEエンジン」を採用し、クルマづくりの元となる基本性能の部分に焦点を当てられ開発されました。走行性を高め、さらに使い勝手の良いコンパクトカーとして進化し続けています。

マーチの最大の特徴はそのコンパクトボディです。同じく日産の5ドアハッチバックタイプのノートに比べ、マーチの方が室内全長は160mm短くなっています。室内幅と室内全高はほぼ同じで、立体駐車場にもスムーズに駐車できるそのコンパクトボディはユーザーから高い評価を得ています。

そんなマーチのコンパクトボディの中身は一体どんな室内空間が広げられているのでしょうか。一見、コンパクトで室内空間はあまり期待できないように見えますが、マーチの室内は運転しやすくゆったり過ごせる居住空間が広がっています。

マーチの前後座席の全幅の寸法は異なっており、後席室内幅1,245mmに対し前席は1,350mmと、約100mmも広げられています。前後左右に余裕を持たせゆったりと足を伸ばして座れる室内幅に加え、運転席と助手席の間にサイドブレーキを設置し、並んで乗車したときも窮屈さを感じさせない空間に仕上げられています。

また運転席前方に広がる、見渡しの良い広々とした視界も、開放的な室内を実現させたポイントの1つです。直線が美しいワイドな水平基調のインパネを採用することによって、運転のしやすいコックピットと居住性の高い室内空間を実現しています。

マーチの後席は、前席よりも室内幅が短くなっていますが、高級感ある上質なインテリアカラーの効果もあり、ラグジュアリーな空間が広がっています。インテリアカラーは「プラム」「ナチュラルグレー」「ブラック」と、どれもシックで落ち着きのあるカラーが採用されています。

シートとヘッドレストは収まりの良いコンパクトな形状で、モダンな印象の室内にスマートさをプラスしています。肌触りの良いシートは高品質で防水となっており、コンパクトな室内ながらもくつろぎの空間に仕上げられました。

マーチの定員乗車人数は5名ですが、大人4名もしくは大人2名子供3名で座ることによって、よりくつろげる空間を確保できるのでおすすめです。

前席よりもややコンパクトな印象なマーチの後部座席ですが、大人2人が座るには十分な居住空間が広がっています。前席の座席下に足を伸ばして収めることも可能ですし、小柄な方や子供2名ならば肩がぶつかることなく乗車できます。

ハッチバックタイプのマーチは、後部座席のすぐ後ろに荷室スペースが設けられています。マーチの荷室容量は251L。1〜2人分の1泊2日の荷物なら十分に積み込めるスペースが確保されています。

しかし大型のキャリーケースや3人以上の荷物を積み込む際には、規定の荷室サイズだと入りきらない、なんて場合もあるでしょう。そんなときに便利なのが座席を倒すシートアレンジです。必要なときに必要なスペースをつくることができます。

マーチはグレードによって「ベンチシートタイプ」と「6：4分割」が設定されており、座席の可倒式のタイプが変わります。ベンチシートは後部座席の丸ごと倒すことができ、6：4分割は片側ずつ座席を倒すことができます。ラグマットなど長さのある物を収納する場合は、片側のみ座席を倒すことで奥行きのあるスペースが確保できます。

楽器やゴルフバッグなど大きな物を収納するときには後部座席の全てを倒すことで広々としたスペースが確保できるので便利です。マーチの荷室はコンパクトですが、シートアレンジで工夫すればいろいろな荷物を積むことができます。

また荷物だけではなくペットと過ごす居住空間として広いスペースを活用することができます。人間だけではなくペットも、窮屈な車内での長時間の滞在は大きなストレスになってしまいます。

荷室を少し広げてあげるだけで、圧迫感をなくすことができるので、安心してドライブを楽しむことができます。さらにマーチはこう見えて車中泊も可能です。後部座席と荷室の間に段差ができるため、フルフラットにはなりませんが、その段差をタオルや毛布で埋めてマットや寝袋を活用することで車中泊も実現します。

軽自動車のスペーシアやN-BOXなど車中泊を売りにしているクルマではないので、のびのびと過ごすのは難しいですが、万が一の災害時や高速道路のPAなどで休憩や仮眠しなくてはならない状況など、緊急の際に車内で過ごさなくてはいけないときに活用することができます。

マーチには、車内で快適に過ごすための装備がいろいろと設定されています。運転席には「運転席シートリフター」「チルトステアリング」が採用されており、高さの調節が可能で、ドライバーの運転しやすい姿勢を保つことができます。

運転席は31.4mm、ステアリングは39.4mmまで高さを上げられます。乗る人それぞれに合わせて運転できるのは非常に嬉しいポイントです。また前席のインパネにはシンプルながらも使い勝手の良い収納機能が装備されています。

インストアッパーボックス
助手席前のインパネに設けられた奥行きのある収納スペースです。小物からボックスティッシュなどいろいろな物が入れられます。

インパネアンダーボックス&グローブボックス
インストアッパーボックスの下部に設けられています。折り畳み傘からメガネなど常備しておきたい物が収納できて便利です。

フロントカップホルダー
サイドブレーキ前にはドリンクが収納できるホルダーが2つ設けられています。深みのあるホルダーのため、運転中も中身が溢れる心配がありません。

フロントドアポケット（ドリンクホルダー付き）
運転席右側の扉に設けられたスペースです。雑誌やガイドブックの収納に最適です。またこちらにもドリンクホルダーが設けられているため、予備のドリンクが収納しておけます。

パーキングブレーキサイドポケット
運転席と助手席の間に設けられた収納ポケットです。ギアやサイドブレーキの後方部分に設置されており、CDなどのディスクを収納することができます。

リヤカップホルダー
パーキングブレーキサイドポケットの後方部分に設けられたドリンクを収納できるホルダーです。至るところにカップホルダーが設けられていて、かゆいところに手が届く装備がちりばめられています。

老若男女、幅広い層が使用することを想定してつくられた収納機能があらゆる場所に設けられています。シンプルだからこそ、使っているうちに愛着が湧いてきそうです。

日産 マーチの車内には、コンパクトながらもゆったりと乗車できる室内空間が広がっています。運転しやすいコンパクトボディと大人4名が広々と使える室内が実現している魅力的な1台です。荷物をたくさん収納したいときには後部座席を倒しましょう。荷物に合わせてスペースを確保でき、1人旅から3名以上の旅行にも活躍します。

また車内を快適に過ごすための装備もいろいろと装備されています。シンプルながらも使い勝手の良いものばかりです。ぜひ日産を代表するコンパクトカー、かわいいだけじゃないマーチの魅力を試乗などで確かめてみてください。