2代目 ホンダ フリード(GB5/6/7/8型)はどう変わった?気になるハイブリッドの進化は?

ホンダ フリード 2016

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今回はホンダ 2代目 フリードがマイナーチェンジを経てどう変わったのか、また2011年に登場したハイブリッドはどう進化したのかを合わせて紹介します。2019年10月東京モーターショーの直前にマイナーチェンジを実施したコンパクトミニバンホンダ フリード。

そのグリルレス的な新しいフロントマスクはモーターショーで初公開された新型フィットと共通性のある顔つきで、ホンダのコンパクトカーがテイストを統一するという意思を感じるものでした。

またクロスオーバーSUV風味の「クロスター」という新グレードも設定されました。軽自動車を除くと、ホンダのラインナップにおいて日本でもっとも売れているというホンダ フリードの歴史を振り返ってみましょう。

文・山本 晋也

山本 晋也|やまもと しんや

自動車メディア業界に足を踏みいれて四半世紀。いくつかの自動車雑誌で編集長を務めた後フリーランスへ転身。近年は自動車コミュニケータ、自動車コラムニストとして活動している。ジェンダーフリーを意識した切り口で自動車が持つメカニカルな魅力を伝えることを模索中。

山本 晋也
Chapter
「ちょうどいい」でおなじみのホンダ フリードが誕生したのは2008年
ホンダ フリードは2010年に2列仕様が追加され2011年にハイブリッドが誕生
2016年デビューのホンダ 2代目 フリードはここが変わった
スバイクはホンダ フリードプラスへと名前変更
ホンダ フリードプラスは車中泊にも向いている?
2代目ホンダ フリードは中古ではいくらで買える?

「ちょうどいい」でおなじみのホンダ フリードが誕生したのは2008年

「フリーダム(自由)」という言葉をヒントにした車名を与えられたホンダ フリード。初代モデルが誕生したのは2008年5月のことです。フィット譲りのセンタータンクレイアウトのプラットフォームや1.5Lエンジンを搭載した5ナンバー(小型車)サイズのコンパクトミニバンとして生み出されました。

もちろん、後席ドアは両側スライドドアです。それ以前にモビリオという名前のコンパクトミニバンがありましたが、よりスタイリッシュに進化したのがホンダ フリードです。当初から2列シートの5人乗り仕様、3列シートの7/8人乗り仕様を用意。豊富なグレード設定としていたことで、多くのニーズに応える仕様となっていました。

デビュー当時のキャッチコピーは「ちょうどいい」全長4,215mm×全幅1,695mm×全高1,715mmのボディーは、まさに街中でちょうどいいサイズで、しかしその中で7人が乗れるパッケージを実現したのはマジックと感じるほどでした。

ルーツといえるモビリオから使える3列目を持っていたのですが、それはセンタータンクレイアウトのおかげでした。フリードのホイールベースは2,740mmとコンパクトカーとしては長めですが、最小回転半径5.2mを実現していたのも、市街地で「ちょうどいい」と感じる扱いやすさにつながっています。それは、いまでも不変の価値です。

ホンダ フリードは2010年に2列仕様が追加され2011年にハイブリッドが誕生

そんな初代 ホンダ フリードに、燃費性能に優れたハイブリッドが追加設定されたのは2011年10月。1.5Lエンジンに薄型モーターを組み合わせた「IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)」というシンプルなハイブリッドシステムにより21.6km/L(JC08モード)のカタログ燃費を実現していました。

このクラスで3列シートのハイブリッドカーというのは、ホンダ フリードが初めて。新しい市場を開拓したパイオニアとなったのです。マイルドハイブリッドですから電動感はそれほどなく、むしろエンジンの良さを引き立ててくれるシステムです。
すこしさかのぼった2010年7月には2列シート仕様に「スパイク」というサブネームをつけて半独立させたことも、ホンダ フリードの歴史上では見逃せません。それまで外観は共通だった2列シート仕様ですが、このときにリヤクォーターパネルをボディー同色としてラゲッジスペースの広さをエクステリアでも表現するようにしています。

また、フロントマスクもグリルやバンパーを独自形状とすることで、コンパクトミニバンのフリードとは明確にキャラクターをわけたのです。これがアウトドアなどレジャーを楽しむユーザーに刺さり、スマッシュヒットを果たします。この道具感のあるスタイルは、現行モデルにはないものです。

2016年デビューのホンダ 2代目 フリードはここが変わった

2016年9月、フルモデルチェンジにより2代目へと進化したホンダ フリードのボディサイズは全長4,265mm×全幅1,695mm×全高1,710mm。ホイールベースは2,740mmと初代モデルと同値で、最小回転半径も5.2mと同じですが、プラットフォームはキャリーオーバーというわけではありません。サスペンションなどを見直し、走りの面でも進歩しています。

さらにパワートレインも大きく変わりました。ベーシックな自然吸気エンジンが1.5Lである点は初代と変わりませんが、ハイブリッドシステムはモーター内蔵の7速DCTを使う「スポーツハイブリッドi-DCD」となりました。もっとも省燃費なグレードのJC08モード燃費は27.2km/L。初代より3割近く改善しています。
また、先進運転支援システム「ホンダセンシング」も標準装備されました。歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキ、30km/h以上でセットできるACC(追従クルーズコントール)が備わったのも2代目モデルの特徴です。スライドドアの開口部を広げ、シートレイアウトに工夫をすることで乗り込みやすさという点でも進化しています。

とはいえ、5ナンバーサイズのボディーにおいて3列シートを成立させたり、2列シート仕様の広大なラゲッジスペースを実現したりといったパッケージングにおいては初代ホンダ フリードで完成の域に達していました。

スバイクはホンダ フリードプラスへと名前変更

では、スパイク名前はどこにいったのでしょうか。実は2列シート仕様の名前は「フリード プラス」となっていたのです。スパイクではバンパーなどエクステリアで差別化していましたが、2代目ではフロントからのスタイルではホンダ フリードとフリードプラスは共通で、区別するのは難しくなったのです。

しかし、後ろから見れば一目瞭然で異なるクルマだということがわかります。ホンダ フリードプラスはラゲッジの床が専用設計で超低床になっています。そのためリヤゲートが長く、バンパーはなく、ほとんどボディーの下端から開くようになっているのです。

それにより重い荷物も積みやすくなり、車椅子仕様もローコストに仕立てることが可能になったというのは、高齢化社会に向けて、ホンダが提案する新しいコンパクトカーの姿です。

ホンダ フリードプラスは車中泊にも向いている?

そんなラゲッジスペースが大幅に改善されたホンダ フリードプラスは、まさに車中泊のために作られたといっても過言ではない設計も取り入れられています。

ホンダ フリードプラスのラゲッジルームの広さ
奥行き:1,920mm (最大値)
横幅   :1,170mm (最大値)
高さ   :880mm

※ 高さはラゲッジボードからの計測値

大人2人程度ならすんなりと横になれるほどの大きさをしているだけではなく、広さだけではなく天井の高さにも余裕があり、身長180cmの大柄の方でもゆったりと車中泊ができる設計となっています。

天井が高いと、起き上がるときに天井に頭をぶつけるリスクが減ったり、仰向けで寝たときの圧迫感が軽減されるため、とにかく快適に車中泊をすることが目的なのであれば、ホンダ フリードプラスはベストな選択といえるでしょう。

2代目ホンダ フリードは中古ではいくらで買える?

ここまで紹介してきたホンダ 2代目 フリードも販売開始から4年の月日がたち、幅広い世代に人気のモデルか中古車市場でもその姿をよく目にします。

平均価格:208.4万円
価格帯:95.9万円~319.8 万円

※ 大手中古車サイト調べ

中古のフリードとはいえ、年式も比較的新しく、走行距離が少ないホンダ フリードも多数出品されていますので、もし「購入を検討していたけど、予算がちょっと…」という方はぜひ中古のフリードを検討されてはいかがでしょうか。
今回はホンダ フリードの歴史をなぞりつつ、初代フリードからスタートし、2代目 フリード(フリードプラス)、フリードハイブリットがいかに進化を遂げてきたかを紹介しました。

2代目 フリードは、燃費と先進安全性で大きく進化しており、フリードプラスは車中泊に特化したラゲッジスペースを持ち、それらに引けを取らないかたちで初代フリードもスライドドアのコンパクトカーとして持つ魅力は、いまなお一線級です。

同モデルの中でもあらゆる展開をみせるホンダ フリード。新型 フリードの登場はまだ先になりそうですが、2代目の特徴を継承していくのか、それとも全く新しい顔をみせるのか、今後もホンダ フリードから目が離せません。
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