東京モーターショー2019閉幕!130万人超え大盛況となった背景は?

東京モーターショー 2019 外観

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11月4日、12日間にわたる自動車の祭典「東京モーターショー2019」が閉幕しました。

主催者である日本自動車工業会の豊田章男会長が掲げた「100万人」という来場者目標を大幅に超える130万900人が訪れるなど、大盛況となった今回の東京モーターショーですが、前回の2017年からどのような点が変化したのでしょうか?
Chapter
「クルマだけのショー」ではなくなった
東京モーターショー2017はテクノロジーショーを目指した
次回のモーターショーに向けた課題は?

「クルマだけのショー」ではなくなった

モーターショーはその名の通り、クルマを展示することが主たる目的でした。規模感やターゲットに多少の違いはあれど、世界各国で開催されているモーターショーと名の付くイベントのほとんどは、自動車メーカーが自社の製品(=クルマ)を展示し、発表するためのイベントでした。

しかし東京モーターショー2019では、自動車工業会が「『クルマ・バイクのワクワクドキドキ』から『未来の暮らし』『未来の街』にまで領域をひろげ」と語るように、単なるクルマの展示ではないイベントとなったのです。

例えば「Out of KidZania in TMS2019」では、子ども向け職業体験型施設の「キッザニア」とコラボレーションし、カーデザイナーやメカニックなどはもちろん、災害復旧のための、遠隔操作によるショベルカーのオペレーターといったものまで、クルマに関わる様々な仕事を実際に体験できました。
また、550機のドローンと3Dサウンド、そしてライティングがシンクロする最先端の没入型ドローンショーから、本格的なローストビーフ丼などが楽しめる「グルメキングダム」のようなものまで、ありとあらゆるエンターテイメントを用いて来場者誘引を図ったのが今年の東京モーターショーでした。

東京モーターショー2017はテクノロジーショーを目指した

では、前回の東京モーターショーはどのようなものだったのでしょうか。2017年に開催された東京モーターショー2017は「世界を、ここから動かそう。BEYOND THE MOTOR」をテーマに、最新車両の展示はもちろん、部品メーカーなどのサプライヤーによる技術展示も多く見られました。また、「自動車産業の枠を超えて、さまざまなアイデアやテクノロジーを取り入れたシンボルイベント」と自動車工業会が語る「TOKYO CONNECTED LAB 2017」が開催され、自動運転車の試乗体験などが行えました。

しかし、来場者数は77万1200人と、開催日数が10日間であったとはいえ、100万人には遠く及ばない結果でした。

この背景には、日本市場でクルマを販売するためのショーではなく、多くの世界的自動車メーカーおよびサプライヤーを擁する自動車生産大国日本の自動車産業を世界に知らしめるためのテクノロジーショーとして、東京モーターショーを生まれ変わらせたいという意向があったようです。ただ、一般消費者からすると縁遠い内容が多くなってしまったことが、来場者数減の要因のようです。

次回のモーターショーに向けた課題は?

2007年以来の来場者数100万人超えを達成したこともあり、大成功のうちに終わったように見える東京モーターショー2019ですが、次回に向けた課題も少なくありません。

想定以上の混雑により移動や休憩がままならないといった部分はもちろんですが、ショーとしての方向性自体にも課題が多くあります。

なによりも深刻なのは、海外ブランドの出展社が減少していることです。2013年ころよりその傾向はありましたが、2019年はVWやBMW、AUDIといったブランドが、一斉に出展を見送りました。

コストメリットから判断した結果だと思われますが、やはり残念でなりません。出展社、特に海外ブランドを増やすことが次回に向けた大きな課題でしょう。

また、今回の来場者数大幅増の背景には、高校生以下無料という大胆な施策に加え、関連企業などへの大量の無料券配布、そして多額の広告宣伝費投入などがあったと言われています。

もちろん、イベント自体に魅力がなければいくら広告宣伝を行ったとしても来場者は増えませんが、このような「パワープレー」が次回も行えるとは限りません。
ただ、なにはなくとも今年最大の自動車イベントが大盛況となったのは間違いありません。今回のモーターショーを通して、「次回のモーターショーも言ってみたい」と思えたかどうかが、東京モーターショー2021が成功するかどうかの鍵と言えるかもしれません。
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