エントリーからプレミアムへ...進化したBMWのSUV BMW X3に試乗した

BMW X3 鈴木ケンイチ

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BMWの人気SUV、X3も2017年に発売されたモデルで3代目を迎えた。この3代目を迎えたX3は3シリーズの派生モデルから独立し、新世代の7シリーズのプラットフォームを採用するなどプレミアムSUVとしての性能が向上した。その進化の度合いを鈴木ケンイチがレポートする。

文・写真:鈴木ケンイチ
Chapter
Xシリーズの末弟として誕生したX3
3シリーズの派生ではなく独立したモデルに
高いコンフォート性とプレミアム感に包まれる
写真:BMW X3 xDrive20d M Sport

Xシリーズの末弟として誕生したX3


X3の誕生は2004年。BMWの最小SUVとして初代がデビューした。ちなみにBMW自身は、XシリーズのことをSUV(スペース・ユーティリティ・ヴィークル)ではなくSAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)と呼んでいる。つまり、BMWのクルマはSUVでもスポーティであることを示したいということであろう。

初代のX3は3シリーズの派生モデルであり、当時のBMWのSUVラインナップも末弟という立場であった。特に初代はSUVというよりもクロスオーバー的な雰囲気をまとっていた。まっ黒な樹脂バンパーが装着されており、実用面でのメリットはあったが、プレミアム感はそれほど強くなかった。

しかし、2009年には弟分であるX1が登場。末弟という立場が変化したこともあり、2011年に登場した第2世代はSUVテイストを色濃くし、さらにプレミアム感も増していた。

3シリーズの派生ではなく独立したモデルに

写真:BMW X3 xDrive20d M Sport

現行モデルとなる第3世代は、2017年にデビューしたばかり。日本でも同年12月から発売がスタートしている。最新のX3の特徴は、3シリーズの派生ではなくなったところだろう。プラットフォームは新世代の7シリーズと同じものを採用している。

写真:BMW X3 xDrive20d M Sport

パワートレインは、当初はガソリンとディーゼルの2リッターというラインナップであった。ガソリンが最高出力184馬力/最大トルク290Nm、ディーゼルが190馬力/400Nmとなる。しかし、2018年の秋に最高出力326馬力/最大トルク680Nmの直列6気筒の3リッター・ディーゼルを追加。このエンジンを搭載したX3 M40dが現在のトップモデルとなる。トランスミッションはすべて8ATで、駆動方式もすべてが4WDだ。

ドライバーの前のメーターには12.3インチもの大型のカラーディスプレイが採用されており、インフォテイメント系は最新。もちろん自動ブレーキを含む運転支援システムも充実したものが搭載されている。


高いコンフォート性とプレミアム感に包まれる

写真:BMW X3 xDrive20d M Sport

BMWのSUVといえば、「スポーティで速い」という印象が強い。特に兄貴分となるX5などは、まるでスーパースポーツのような俊敏さとパワフルさを楽しむことができる。

しかし、試乗したX3の2リッターのディーゼル・モデルは、もう少しおとなしかった。もちろん、400Nmものトルクは、X3のサイズには十分以上のものがある。グッとアクセルを強く踏み込めば、スポーツカーのような走りを味わうことも可能だ。

しかし、ドライブを通して、最も強く感じられるのは高いコンフォート性だ。静粛性の高さ、荒れた路面をいなす洗練の足回りは、スポーティというよりも、プレミアム・セダンというレベル。インテリアの質感も非常に高く、良いモノ感をたっぷりと感じることができる。また、サイズで言えば、日本のトヨタ・ハリアーに近く、取り回しに苦痛を感じることはなかった。

SUVというよりも、目線の高いプレミアム・セダン。そんな印象が強く残った。

キビキビとしたスポーティな走りではなく、落ち着いた洗練の走りは、最近に試乗した3シリーズにも相通じるところがあった。これが7シリーズと同じプラットフォームを採用する、新世代のBMWの共通の特徴なのかもしれない。

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