レクサス ES日本導入で、GS、LSはどうなる?

レクサス ES 2018

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2018年10月から、北米市場で人気の高かったレクサスESが日本でも販売されるようになりました。すでに、フラッグシップセダンのLSと、アッパーミドルクラスのGSがラインナップされているなか、ESが国内導入されることによって、レクサス製セダンはどのような棲み分けになるのでしょうか。

文・赤井福
Chapter
ESはLS、GSとどう違う?
ESは静かな大人の走りが楽しめる高級セダン
販売現場はウェルカム

ESはLS、GSとどう違う?

まずは各車のサイズを比較します。

LS:全長5,235㎜×全幅1,900㎜×全高1,450㎜(FRベース) 
GS:全長4,880㎜×全幅1,840㎜×全高1,455㎜(FRベース)
ES:全長4,975㎜×全幅1,865㎜×全高1,445㎜(FFベース)

パワートレインは、LSのLS500hが3.5L+ハイブリッドと、LS500は3.5Lツインターボの2つ。GSには、GS450hが3.5L+ハイブリッド、GS300hが2.5L+ハイブリッド、GS350に3.5L(NA)、GS300に2.0Lターボと、4タイプが用意されています。

対するESは、現在のところ日本で販売されるのは2.5L+ハイブリッドのみですが、国外では3.5L(北米向け)や2.5L(中国向け)のガソリンエンジンも用意されます。

ボディサイズやエンジンラインナップから見ると、GSとESはよく似た印象を受けますが、この2台はどのような棲み分けで作られているのでしょうか。

ESは静かな大人の走りが楽しめる高級セダン

フラッグシップセダンのLSは、サイズ、ボディデザイン、室内の高級感、乗り心地など、すべてにおいて”さすがLS”という作り込みがなされています。ただ走りを楽しむクルマではなく、後席に要人を乗せるような、完全なるショーファーカーです。
対してGSは、グランドツーリングセダンを意味する車名にも現れているように、FRレイアウトを生かした走りの良さが特徴のアッパーミドルクラスセダンであり、ドライバーが運転をする楽しみを内包したクルマです。ショーファーカー的な使い方には適しません。
そして新規に導入されたESは、FFレイアウトの利点を活かし、広い室内空間を実現しました。

具体的には、ESの室内寸法が室内長2,170mm×室内幅1,535mm×室内高1,145mmであるのに対し、GSは室内長2,025mm×室内幅1,535mm×室内高1,180mm。前後方向への余裕は、後部座席の足元にあてられ、ショーファーカーとして活用も十分に可能な広さをもっています。

LSよりも取り回しやすいボディサイズのESのハンドリングは、強いアンダーステアを感じることもなく、コーナーではステアリングを切ったぶんだけ素直に曲がっていく印象。FFならではの直進安定性もあり、スポーツセダンのGSに対し、ESは静かな大人の走りが楽しめる高級セダンと言えるでしょう。

販売現場はウェルカム

レクサスが日本で開業して以降、販売現場ではESの導入を待望する声がつねにありました。その裏には、1991年から2006年まで販売されたトヨタ ウィンダムの代替に勧めることのできるアッパーミドルサイズのFFモデルがなく、北海道や東北地方など、積雪のある地域では、FRレイアウトのLSとGSでは販売が苦しいという声があがっていたことがあります。

新型ESは、そういったこれまで獲得できなかったユーザーや、新型LSのサイズアップにより離れてしまったユーザーに訴求できるクルマになっており、販売現場では好意的に迎え入れられたようです。

最新モデルとして、また高い質感を持つアッパーミドルセダンとして、販売現場では、LSやGSよりも売りやすいESをより多く売るという動きが加速するでしょう。

しかし、そうなるとGSの販売台数は減少しますから、車種整理を進めているトヨタとしては、GSの生産を終了するかもしれません。

個人的には、現在のラインナップを維持してほしいとは思いますが、ひとつのブランドで同じクラスに異なる2車種を投入することは稀であり、近い将来、いずれかがカタログから消滅することになりそうです。しかしながら現在は、ESという新しい風が、レクサスの今後の発展につながることを期待しましょう。

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文・赤井福
大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。
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