なぜメルセデス・ベンツは日本で一番売れる輸入車ブランドなのか?

2018年の新車販売台数が6万7531台となったメルセデス・ベンツ。日本の輸入車市場において4年連続ナンバー1となり、プレミアムブランドとしては6年連続ナンバー1を獲得したことになる。なぜメルセデス・ベンツはこれほど日本で売れるのだろうか?

文・塚田勝弘

Chapter
2018年の新車販売台数が微減だった理由
日本法人が築き上げた、売れる「メルセデス・ベンツ」への努力
2019年も新型コンパクトなど新型が複数登場!! 新たに「EQ」ブランドも上陸

2018年の新車販売台数が微減だった理由

メルセデス(塚田勝弘撮影)

6万7531台というメルセデス・ベンツ(スマート、AMG含む)の2018年の新車販売台数は、2017年の6万8215台とじつは前年比から微減となっている。

年頭記者会見においてメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長は、「元々、高い販売水準であることに加えて、ドイツ本国からの供給の問題もあった」としている。なお、受注台数は前年比超えを果たしていて、引き続き絶好調といっていい状態だろう。

メルセデス・ベンツの販売が好調なアジア太平洋地域などを含め、世界中でラインオフされた新車が引っ張りだこ状態になっているという。

これは、日本でも人気のポルシェをはじめ、最近存在感を高めているボルボなどもそうだが、日本に入ってくる台数が限られている(限定車という意味ではなく)というジレンマを抱えている。それでも、少し納車が長くなってもブランドへの信頼から手に入れたいというのがオーナーの本音なのだろう。

日本法人が築き上げた、売れる「メルセデス・ベンツ」への努力

メルセデス(塚田勝弘撮影)

クルマ好きでなくても、メルセデス・ベンツの名は広く知られているが、そのブランド力はまさに一日にして成ったわけではない。

上野社長が年頭会見で念を押していたが、「輸入車は壊れやすい、維持費がかかる」などのイメージを覆すべく(今でもそう思われていると認識しているそう)、20年前から新車購入から3年間メンテナンスフリーといえる「Mercedes Care(メルセデス・ケア)」を提供している。

さらに最近では、新車オーナーになると上記の「メルセデス・ケア」期間中、3年間無料で3回まで最長1週間メルセデス・ベンツの好きなモデルを借りられるというサービス。

例えば、普段、Cクラスのセダンに乗っている人が憧れのSクラスに乗ることもできるし、家族に加えて両親の6人でVクラスに乗って旅行に出かけたりすることもできる。なお、SUVやVクラス、カブリオレなどが人気だそうで、普段乗っているクルマ(セダンやワゴン、ハッチバックなど)とは違うボディタイプを体験できるのだ。

ほかにも、カフェが併設され、ブランド体験スペースとして展開されている六本木と大阪、羽田空港の「Mercedes me」のほか、アウトレットモールやショッピングセンターに積極的に車両展示するなど、近年は他ブランドよりも積極的な姿勢を取っているように見える。それがブランドをより身近なものにする施策になっているのだろう。

それでも、先述したように「輸入車は高い(維持費を含めて)」というイメージもあるはず。こうした声には、「月額で見てもらう」という戦略を掲げている。リースにすることで、3年間リースであれば月額3万7800円〜新型Aクラスに乗れる(この金額では別途頭金が必要)といった戦略だ。

さらに、ウェブ上であらかじめ欲しいクルマやポイントなどを入力しておき、販売店でスムーズに商談できるなどの利点がある「プレオーダー メルセデス」といった新しい買い方も提案していて、評価は上々だそう。

2019年も新型コンパクトなど新型が複数登場!! 新たに「EQ」ブランドも上陸

メルセデス(塚田勝弘撮影)
メルセデス(塚田勝弘撮影)

最も肝心なのは、商品ラインナップの充実だろう。ニッチなモデルまで含めて数多くのモデルを展開しているメルセデス・ベンツをはじめ、高級スポーツラインといえるAMG、コンパクトなスマートもある。

2019年には、新たなブランドシリーズである電動化車両の「EQ」シリーズ第1弾を今年年央には日本でも発表されるほか、GLC F-CELLを年内にも発売したいとしている。

なお、記者会見でステージ上に置かれていたのは、Sクラスのプラグインハイブリッドで「EQ POWER」を謳う「S 560 eロング」で、昨年12月に日本でも発表済みだ。そのほか、2019年はAクラスに続く新型コンパクトモデル、SUVモデルのフルモデルチェンジやマイナーチェンジ、東京オートサロンでもサプライズ出展された「Mercedes-AMG GT 4Door Coupe」の日本導入も予定されている。

2019年の輸入車マーケットもメルセデス・ベンツを中心に、激しい競争が展開されるのは間違いないだろう。