セリカカムリやシビックシャトルなど、2つの車名が1つになったダブルネームの車たち

ホンダ シビック シャトル 1983

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今も昔も「看板の車名+サブネーム」を付けた例は、国産車に限らず数多くある。世代により異なるだろうが、ビッグネームにサブネームを付けてブランド力の向上、知名度維持を図る例はいくつもある。逆に、そのクルマのキャラがビッグネームに引きずられて曖昧になり、絶版になったり、「独立」したりと、いろいろな運命をたどっている例も少なくない。

文・塚田勝弘
Chapter
「セリカ カムリ」から「カムリ ○○」も派生
フォルクスワーゲンもゴルフの神通力を活用!?
日産シーマにはセドリックもグロリアがあった
ホンダといえばシビック

「セリカ カムリ」から「カムリ ○○」も派生

現在もハイブリッド専用車としてリリースされているトヨタ・カムリの初代は、「セリカ カムリ」の名で1980年に登場。その後、2代目にFFになったことで、セリカの名が外れていることから、セリカがサブネームともいえるだろう。
 
その後、カムリ(冠に由来)の名が知られるようになると、カムリ プロミネント(1987年登場)、カムリ グラシア(1996年登場)など、「カムリ+○○」という車名になった例もある。

フォルクスワーゲンもゴルフの神通力を活用!?

また、サブネームを冠することで、ブランドイメージを維持しながら、ほかのボディタイプにする例も定番といえる手法だ。

例えば、輸入車には詳しくなくてもゴルフの名は知っている方も多いだろう。その知名度に乗じて? 本国では単にフォルクスワーゲン トゥーランなのに、日本市場のみフォルクスワーゲン・ゴルフ トゥーランを正式な車名としているのは有名な話だ。

ゴルフ(ハッチバック)、トゥーラン(ミニバン)を融合させることで、「ゴルフのミニバンバージョンなのね」という説得力を持たせている。さらに、トゥーランをSUV化したクロス トゥーランというモデルまでもあったし、ゴルフ プラスという少し背の高いモデルも日本にも導入されていた。
トヨタでは、セダン+ステーションワゴン(少し背が高い)ビスタアルデオ(1998年登場)などもわかりやすい例だ。

さらに遡ると、1968年登場のカローラスプリンターはセダンのカローラに対して、ファストバックスタイルが与えられたスプリンターという例もあった。その後、スプリンターは独立し、スプリンタートレノ(1972年登場のTE27型)から有名な1983年のAE86(スプリンタートレノ、カローラレビン)などへと続いていく。
マツダの「サバンナ+RX○」という車名もダブルネームの1種といえるかもしれない。サバンナ(RX-3)は1971年に登場したモデルで、1978年登場のサバンナRX-7につながる。

マツダも例に漏れず、1970年登場のファミリア プレストセダン、1989年登場のファミリア アスティナなどを生んできた。

日産シーマにはセドリックもグロリアがあった

日産も2つの車名が1つになったモデルの宝庫で、スカイラインは元々、プリンス自動車のエースモデルだったことから、1957年登場の初代はプリンス スカイラインという名で発売されていた。2007年登場のスカイライン クロスオーバーは、本来インフィニティEX35というモデルだったが、日本ではスカイラインの知名度(スカイライン クーペもあったが)に頼ったのは間違いないだろう。

ほかにも、バブルに「シーマ現象」というブームを生んだ初代日産シーマ(1991年)は、セドリック シーマ、グロリア シーマとして発売されたのをはじめ、ブルーバード シルフィ(2012年)など数え切れないほどある。

ホンダといえばシビック

もちろんホンダもライフ ステップバン(1972年)、ライフ ピックアップ(1973年)、シビック カントリー(1980年)、シビック シャトル(1983年)、クイント インテグラ(1985年)、シビック フェリオ(1991年)、フィット アリア(2002年)などいくつものモデルが生まれている。

ほかのメーカーにもこうした2つの車名が1つに合体した車名はいくつもあるが、かつて多く見られたのは、現在よりも販売チャネルが明確に分けられていたことから、サブネームとメインネームを融合させたこうしたモデルが多かったという事情もある。あのトヨタも全販売店で全モデル販売という方針を打ち出したことから、こうしたダブルネーム的な車名は減るかしれない。

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