ハンドルを握れば、ポルシェのDNAを感じ取れる…ポルシェ カイエン【樽見祐佳の“女子流”】

ポルシェ カイエン 2018年

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外苑前、いちょう並木。やっと冷たくなった風にのって、あのツンとした銀杏の香りが匂ってきた。まだ葉っぱは青々としているのに、もうすぐそこまで秋がやってきている。

文・樽見祐佳 写真・S.Kamimura

Chapter
先代のカイエンにそっくり?
ぎっしり身が詰まった車体に、優しさと力強さの共存
前列シートのレポートはもう聞き飽きた。後部座席は?
乗り手によって違うキャラクター性を見せる

先代のカイエンにそっくり?

すぐ側のハンバーガー屋さんはとても人気で土日は長蛇の列。

でも仕事が終わってフラリと立ち寄る平日にはさほど混んでいなくて、お気に入りの場所。近くに大きな駐車場もある。

左手でハンバーガーを口に運びながら右手で今日の試乗車新型カイエンの下調べ。

運転席に想いを馳せながら、あとひとくちのハンバーガーをほおばった。

メッセンジャーで編集さんからあとすこしで到着の連絡。急いでお店の前に出ると、ハザードを炊きながら目の前に停まった大きな車。

いやぁ間近で見ても先代のカイエンにそっくり!でも、ボンネットのエッジが少しキリっとした顔立ちにしたかな?

運転席側に移動がてらくるりと後ろにまわると特徴的な911似のテールランプが優艶に光っていて「前のモデルとは違うぞ」と訴えかけてくる様。

どきどきしながら乗り込んだ。

ぎっしり身が詰まった車体に、優しさと力強さの共存

運転席からの見切りはとても良く、サイズに臆することなく操れそう。ただ、白線内にムチムチに収まっている車体をサイドミラーで確認すると”大きな車を運転している”ということを改めて認識させられる。

白線からはみ出していないか緊張しながらカーブを曲がった。

背の高さはあるけど、車体のロール感は可変エアロとしっかりと地面をつかむ足回りでロール感はぐっと抑えられている。

この見た目からもどっしりとしたカイエンは1,985kgで2t近い。その身の詰まった車体を導くV型6気筒ターボエンジンは最大トルクと最大馬力がそれぞれ450Nm、340ps。

シャーシが先に滑り出し、うんとこしょと車体が後からついてくる、なんてことも全くなく、ぐっとアクセルを踏み込むと、背中を両手で押されたような力強さでぐぐっと欲しい分だけ前進する。

ステアリングの遊びもストレス無く、思い通りに1つの空間がするりするりと滑っていくイメージ。

ただ普段わたしは、こぢんまりとしたハッチバックをさらにローダウンさせて乗っているくらいなので、なれない景色に自分の平衡感覚がロールしてしまう。

JCTで右から合流してきたマカンが、ビビりながら運転している今のわたしには小柄に見えた。

スッと背伸びし(自分が小さいというのもあるが)、深く腰掛け、丁寧にカイエンのペダルを押し込んだ。

前列シートのレポートはもう聞き飽きた。後部座席は?

タクシーで賑わう、夜の東京を抜け、彩られたレインボーブリッジが見渡せる夜の品川埠頭へ到着。

今日の試乗車キャララホワイトメタリックのカイエンは、 全長4,198mm、全幅1,983mm(ドアミラーを含むと2,194mm)、全高1,696mm。街灯の下で照らされ、真っ白に輝く車体は、数字よりもっと大きく見えてしまう迫力がある。

運転手を交代してもらい、帰り道は車内をゆっくりと堪能することに。

カイエンのインテリアは先代に比べて真新しい高級感がある。センターコンソールに鎮座する大きなモニターが印象的。

カイエンがもつ特徴のうちのひとつ、時計としても役立てられるコンパスも、よりスポーティーなデザインに。もし、私がカイエンを選ぶ機会があればぜひ着けたいオプション。

どの車にも共通することだが、キラキラ華やかなスイッチライトに囲まれ、見通しも良いフロントシートは乗ってるだけで高揚感があって好き。

でも今日はあえて後ろ。
後部座席は前列シートにより、なんとなく視界に閉塞感がある。コンソールのスイッチ周りがないせいか、アンビエントライトの範囲が狭いせいか、なんとなく味気ない…。というのがどの車にも初めは抱いてしまう、後部座席への先入観。

でもカイエンはさすがこの車体の大きさ、広々とした後部座席は窮屈というよりポルシェの上質な皮に包み込まれた自分専用のスペースを与えられた気分。

ガバっと開いたサンルーフもとても開放的。サンルーフは前列よりも後列のほうが景色を楽しめるアイテムだなぁ。

USBジャックも2つ付いていて、なんと快適な空間。籠もりたいタイプの私は居心地が良い。

うとうとしている間にスタート地点、そして今日の試乗のゴールである銀杏並木に着いてしまった。もうちょっとカイエンに揺られていたら、確実に寝落ちしてたなぁ(笑)

乗り手によって違うキャラクター性を見せる

新型カイエンは、先代と見比べても間違い探しのような、双子ちゃんのような。とてもそっくり。

でもじっくりじっくり見ていくうちに、3年間暖めてやっと開花したそれは、3年後の未来を作っているようだった。

「ポルシェ、まだ運転したことないよ」と言う人も一度ハンドルを握れば、ポルシェの歴史を垣間見れるDNAを感じ取ることができるのではないだろうか。

また、ずっとポルシェを愛してきた、というコアなポルシェファンの方は、他モデルとの性格の違いを体感してみても面白いかもしれない。

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文・樽見祐佳|Tarumi Yuka
夏の風を感じながらのドライブが好き。静かな青の中に響く心地よいエンジン音と、サイドミラーをかすめる空気の音が奏でるハーモニーに耳を傾けながら運転する時間は、私にとって特別なもの。相棒のメルセデス・ベンツ A45 AMG(W176)をちょっとずつカスタマイズして、そのたびに友達に撮ってもらった写真を見ながらウンウンと自己満足に浸る、それが私のカーライフ。ちなみに、A45 AMGは、ちょっとシックなEdition2なところがお気に入り。そんな、1994年生まれの24歳です。

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