建物のドアにはないのに、なぜ車には「半ドア」があるの?

半ドア

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自動車のドアは、中途半端に閉めると、いわゆる「半ドア」と呼ばれる状態になります。同じドアでも、通常、建物には半ドアがありません。どうして、自動車には半ドアがあるのでしょうか?
Chapter
走行時における安全防止
バッテリー上がりの原因にも
なぜ車には「半ドア」があるのか

走行時における安全防止

自動車のドアは、通常、ラッチとストライカーで構成されるドアロック機構によって固定されるのですが、ドアを閉めるときに勢いが足りないとドアが中途半端に開いた状態、いわゆる半ドアになってしまいます。

半ドアに気が付かず、走行中にドアが突然開いたら非常に危険ですよね。そのため半ドア状態でもドアが開いてしまわないよう、1次ロックがかかるようになっています。現代の自動車は、どのようなドアでも半ドア状態になることを想定した機構が使われているのです。

半ドアは、乗降の際、ドアを閉めるときに勢いが足りないとになりやすいのですが、これはウェザーストリップというパーツがドアの内側に装着されているためです。木造の古い建物では嵐の日にドアや窓が風によって揺れることがありますが、あれは気密性が低いことで起こっています。自動車のドアも同様で、気密性が低いと走行中にドアがガタガタと揺れることになります。

そうなると、雨水が室内に進入したり、反対に室内の空気が外に吸い出されエアコンが効かないなど、不具合が生じます。それを防ぐために、自動車の開口部にはドアとボディの間にゴム製のパッキンのようなパーツ(ウェザーストリップ)が装着され、それにより室内の気密性が保たれているというわけです。

つまり、ドアに密着する必要があるウェザーストリップには、ある程度の弾力が求められることになり、弾力があればあるほどドアが締まりづらくなるのです。

ドアがしっかりロックされているか、半ドアになっていないか、などはメーター内の警告灯で確認できます。運転する前に半ドアの警告灯が光っていないか必ず確認しましょう。

バッテリー上がりの原因にも

半ドアはバッテリー上がりの原因としても有名です。半ドアの状態のためルームランプが点灯されたままの状態になり、それを長時間放置しておくとバッテリー上がりの原因になります。

ルームランプの電力消費自体は少なくても、セルモーターを回す際には大きな電力が必要になります。半ドアが原因のルームランプの消し忘れには注意しましょう。

なぜ車には「半ドア」があるのか

さて本題の、建物のドアにはなく自動車に半ドアの仕組みがあるのはなぜでしょう?その理由は、安全性です。

自動車は人を乗せて移動するため、走行中にいきなりドアが開いてしまうと大事故に繋がってしまいます。前述したように、ドアを閉める勢いが足りない(ゆっくり閉める)と半ドアの状態になります。この状態でも、ラッチにストライカーがかかっていれば、ドアを簡単に開けることはできませんし、車種によってはロックも掛かります。

そのまま走っても、低速でトラブルにも合わなければ、走行中にドアが開いてしまうということはまずないでしょう。しかし、なにか大きな衝撃が入った場合はその限りではありません。半ドアがあるということは、ドアのロックが2重になっているということでもあり、確実に閉まったドアなら、衝撃でロックがひとつはずれても2つ目のロックが事故を防いでくれるかもしれないのです。

もちろん気密性も損なわれているので、外からのホコリや風、雨、騒音などが室内に侵入してしまいます。

このように半ドアは、安全性の問題から設けられているのです。

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