岡崎五朗のクルマでいきたい VOL.87 名称の統一化

細かな違いはあるにせよ、横滑り防止装置の基本的な仕組みと目的はどれも同じだ。しかし、VSC(トヨタ)、VDC(日産)、VSA(ホンダ)、DSC(ダイハツ)、ASC(三菱)、ESP(スズキ)など、各社バラバラの名称を与えている。原稿を書く際はメーカー表記に従い固有名を使うのが原則的には正しいが、読者にとっては大いに迷惑な話だろう。

text:岡崎五朗 [aheadアーカイブス vol.167 2016年10月号]

Chapter
VOL.87 名称の統一化
ポルシェ・パナメーラ
スバル・レヴォーグ STI Sport
ボルボ・S60/V60ポールスター
日産・GT-R 2017年モデル

VOL.87 名称の統一化

アヘッド 岡崎五朗のクルマでいきたい ロゴ

各社が勝手に決めたネーミングをいちいち覚えている人なんてほとんどいないからだ。新車への標準装備が義務化され普及率は年々高まってきているものの、横滑り防止装置に対するユーザーの理解と普及が遅れた一因に、記事を読んでもよくワカラン→買わない、となってしまったことがあるのは間違いない。

同じことが衝突被害軽減ブレーキでも起こっている。トヨタはセーフティーセンス、日産はエマージェンシーブレーキ、ホンダはホンダセンシング、マツダはiアクティブセンス、スバルはアイサイト、三菱はFCM、スズキはレーダーブレーキサポート、ダイハツはスマートアシスト。

ここに挙げたのはほんの一例で、同じメーカー内でも機能の違いによって異なる複数の名称があるし、輸入車勢もそれぞれ別名称を使っている。

ここまで増えると、日常的にクルマの情報に接している僕でも、ネーミングを聞いただけではなにがなんだかわからないというのが正直なところ。それぞれ固有の技術なりノウハウを投入して開発しているのはわかるが、事故防止という目的は同じなのだから、ムキになってネーミングで差別化を図るのはやめましょうよ、と言いたくなる。

実際、アンチロックブレーキはABSに統一されたし、エアバッグもエアバッグだ。単眼カメラ、ステレオカメラ、レーザー、ミリ波など、使っているデバイスはこの際横に置き、まずは覚えやすい統一名称を与え、記号もしくはサブネームによって作動する速度域や歩行者認識の可否をわかりやすく伝えてくれたらユーザーの認識はさらに深まるはずだ。

とはいえメーカー任せではことはいつまでたっても動かない。ここは自動車工業界がリーダーシップをとって、名称の統一化を図って欲しいと真剣に思う。

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