岡崎五朗のクルマでいきたい VOL.90 僕のプリウス評価

37回目を迎えた日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下COTY)は日本でもっとも歴史が長く、かつ権威のある賞だ。元編集者や自動車メーカーOBが中心のRJCカーオブザイヤーに対し、選考委員のほとんどが現役バリバリのモータージャーナリストであり、ドライビングスキル、試乗しているクルマの数、ジャーナリストとしてのアウトプット量などはRJCとは比べものにならない。

text:岡崎五朗 [aheadアーカイブス vol.170 2017年1月号]

Chapter
VOL.90 僕のプリウス評価
スバル・インプレッサ
日産・ノート e-POWER
メルセデス ベンツ・GLEクーペ
レクサス・LC

VOL.90 僕のプリウス評価

アヘッド 岡崎五朗のクルマでいきたい ロゴ

となれば当然、メーカー&インポーターが重視するのはCOTYのほう。外からは同じように見えるかもしれないが、実のところ似て非なるものであり、僕からしたら「頼むから一緒にしないで」という感じすらある。

RJCのメンバーのなかにも敬愛する大先輩がいらっしゃるので軽はずみなことは言えないけれど、大変失礼ながら老後の暇つぶしでやってらっしゃる方が多いな、という印象は拭えない。

日本カー・オブ・ザ・イヤーは59名の選考委員の投票によって決まる。各選考委員の持ち点は25点で、そのなかから1台に最高点の10点を入れ、残りの15点を4台に振り分ける。

僕の採点はプリウス10点、インプレッサ7点、メルセデス・ベンツEクラス4点、ボルボXC90 2点、ジャガーF-PACE2点。10点をプリウスにするかインプレッサにするか大いに迷ったが、26ページに書いたようにインプレッサにはまだまだ改善の余地があると感じたため、消去法でプリウスを10点とした。

なぜプリウスか。正直、デザインは好きじゃない。奇異とも言えるディテール処理には嫌悪感すら感じる。評価したのは劇的に向上したフットワークだ。新型の走りは「燃費がいいんだから真っ直ぐ走らないことや曲がりにくさは我慢しろ」と言わんばかりだった歴代モデルとはまるで別モノ。

もしコンビニやスーパーで売っている食パンが一夜にして本場仕込みのイギリスパンに変わったら日本人の舌は一気に肥えるだろう。ベストセラーカーであるプリウスの劇的な変貌は、クルマ界でそういうことが起きたことを意味する。僕はそこを高く評価した。

インプレッサの受賞も大いに納得だが、プリウスの進化が今後の日本車に与える影響は計り知れないほど大きい。

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