岡崎五朗のクルマでいきたい VOL.96 ブーム到来

空前絶後のSUVブームである。その昔、クロカン四駆が流行った時期があったが、あれはあくまで麻疹のような流行現象。長続きはしなかった。しかし今度のSUVブームはどうやら本物になりそうだ。今年4月にはトヨタC-HRが国内販売台数トップを獲得。ヴェゼル、ハリアー、エクストレイル、CX-5なども健闘している。

text:岡崎五朗 [aheadアーカイブス vol.176 2017年7月号]

Chapter
VOL.96 ブーム到来
プジョー・3008
ダイハツ・ミラ イース
ランドローバー・ディスカバリー
ボルボ・XC60

VOL.96 ブーム到来

アヘッド 岡崎五朗のクルマでいきたい ロゴ

今後も日本でSUVは増えていくのか? 僕の予想はイエスだ。

昔からSUV(ライトラック)が強かった米国では、2013年にSUVの販売台数が全乗用車を抜いた。米国と比べて小さいクルマが好まれる欧州でも、2015年にはセダンやハッチバックを抜きSUVがセグメント別のマーケットシェアで1位を獲得。世界的に見ても、販売台数の約25%をSUVが占めている。

もちろんユーザーの嗜好は国や地域ごとに異なるが、C-HRの首位獲得という事実から考えて日本人がSUV嫌いであるはずもなく、ミニバン人気が高い分、SUV比率がまだ低い日本では逆に伸び代があるとさえ言える。さらに、各メーカーともSUV開発にますます力を入れてくる。こうした状況を冷静に分析すれば、今後もSUVは順調に増えていくと考えるのが自然だろう。

加えて、SUV人気が一時的なブームでは終わらないと考えているもうひとつの理由が、いまのところ他に代わるものがないという事実だ。SUV最大の持ち味は実用性とカッコよさの両立。両極にスポーツカーとミニバンを置いて考えてみるとわかりやすいが、室内が狭いクルマはスタイリッシュで、広いクルマは非スタイリッシュというのがこれまでの常識だった。

SUVはその古い常識を見事に覆してみせたジャンルなのだ。そのインパクトは絶大であり、北米ではミニバンとステーションワゴンがマーケットからほぼ駆逐されてしまったほど。重くて重心が高い故の走りや燃費の悪さも、最近ではほとんど無視していいほどになり、立体駐車場という日本特有の事情に対応するモデルも増えてきている。

もし日本の多くのユーザーが「カッコよさ」を諦めていないなら(そうだと信じている)、SUVに心惹かれる人は今後も増えていくはずだ。

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