岡崎五朗のクルマでいきたい VOL.108 白と黒のボディカラーが55%

モータージャーナリストの大先輩である故徳大寺有恒さんはクルマの色にとてもこだわる人だった。僕が「クルマ買い換えたんですよ」と話しかけると、まず最初に「で、色は何にしたの?」と聞かれたし、ご自分のクルマについても「今度○色の××を買ったんだよ」という説明のしかたをされた。徳大寺さんにとってボディカラーは、エンジンやハンドリング、ボディスタイルと同じぐらい重要なモノだったんだろうと思う。

text:岡崎五朗 [aheadアーカイブス vol.188 2018年7月号]

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VOL.108 白と黒のボディカラーが55%
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ジャガー・XF スポーツブレイク
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レクサス・RX450hL

VOL.108 白と黒のボディカラーが55%

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他ならぬ自分自身、どうしても気に入る色がないからと、新車を買ってすぐに全塗装をしたことがある。クルマは初代ロードスター。ボディは紺メタ、ハードトップはオフホワイトに塗った。このとき参考にしたのはクラシックミニ。

不思議なことに、ミニに似合うカラーはたいていロードスターにも似合った。おそらく、コンパクトなボディと曲面を多用した造形という共通点があったからだろう。白のような陰影の付かない色は、大福餅のようなボテッとした感じになってロードスターにはあまり似合わなかった。

自動車用塗料を手がけるドイツの総合化学メーカーBASFのレポートによると、世界でもっとも人気のあるボディカラーは白で全体の39%。次点の黒を足すと過半数の55%に達し、さらにグレーとシルバーを加えれば、無彩色系で全体の約8割を占める。次に来るのがほぼ同率で青と赤、そしてブラウンと続くわけだが、コンパクトカーやSUVでは鮮やかなカラーの割合が増えるという。

なかでも最近人気が高まっている注目色としてBASFが挙げているのがブルーとベージュだ。ブルーは新しいテクノロジーの象徴。一方、テクノロジー進化の裏返しとして生身の体やアナログなモノへの欲求が高まり、それがベージュの人気を高めるだろうとも。

世相やそれに伴う人の気持ちの変化が流行色に影響を与える…本当か? とも思うけれど、ゲーテもかの有名な「色彩論」のなかで色にはそれぞれ個別の意味があると述べている。それ以上詳しいことは僕にはわからない。

が、少なくともどんな色のクルマに乗るかということが、どんなクルマに乗るのかと同じぐらい、その人のことを雄弁に物語るのはたしかだ。

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