岡崎五朗のクルマでいきたい VOL.43 ピンクのクラウン

いやはや驚いた。クラウンの発表会で披露されたのはなんとも派手なピンクのボディカラー。最初は発表会用の賑やかしだと思ったが、生まれ変わったクラウンの象徴として今年中に発売される予定だという。なぜピンクなのか? モチーフとなったのはトヨタが展開している企業CM「REBORN」で使われている「ドラえもん」の〝どこでもドア〟だという。つまり、生まれ変わったクラウンの象徴がピンクということだ。

text: 岡崎五朗 [aheadアーカイブス vol.123 2013年2月号]

Chapter
VOL.43 ピンクのクラウン
メルセデス・ベンツ ML350
ベントレー コンチネンタル GTC
ダイハツ ムーヴ
VW パサート オールトラック

VOL.43 ピンクのクラウン

アヘッド 岡崎五朗のクルマでいきたい ロゴ

クラウンのイメージを変えたいというトヨタの気持ちはよくわかる。ユーザーの平均年齢は上がる一方。若い人から見れば「おじさんグルマ」の代表格。このままいけば先細りになるのは目に見えている。しかし、だからといってピンクはないだろう! 目立てばいいってもんじゃない! というのが僕の正直な気持ちだ。

1955年以来、58年間の長きにわたって日本を代表するフォーマルセダンであり続けてきたクラウン。日産はセドリック/グロリアで、ホンダはレジェンドで挑戦を挑んだが、どちらも志半ばで日本マーケットから消えていった。

クラウンのブランド力はかくも強い。そしてそれはトヨタにとって大きな財産でもあるはずだ。そんな素晴らしい伝統と格式を兼ね備えたクラウンを本気でREBORNさせたいなら、ピンクに塗るなどという小手先のことではなく、ブランド力、デザイン、走り、技術といった本質部分で勝負をかけて欲しかった。

パリス・ヒルトンもピンクのベントレーに乗ってるって? たしかにそうだが、あれは愛車のベントレーを彼女が勝手にピンクに塗っただけのこと。メーカーが大々的にピンクをアピールしたわけじゃない。クラウンに今風のイケてる高級車というイメージを与えたいのなら、パリス・ヒルトンが欲しがるようなクルマにするのが先決。そうしたらきっと、ど派手なピンクに塗って宣伝してくれるに違いない。

大幅な軽量化や2ℓ直4ハイブリッドの搭載など、技術的には見所の多い新型クラウン。まだ未試乗のため真の実力は次号で紹介することになるが、少なくとも今回のプロモーションはクラウンにとってプラスには働かないだろう。トヨタはもっとブランドを大切にするべきだ。

次ページ
今月の4台