やっぱり初代 (NA) が忘れらんねえよ...そんな思いから新車でマツダ 4代目(ND)ロードスター Sスペシャルパッケージを購入...オーナーズレビュー

マツダ 4代目 ロードスター ND 西村直人

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2015年3月、Webで商談予約を行った4代目(ND)ロードスターは自身にとって久しぶりの新車だ。購入グレードはSスペシャルパッケージの6MT、それにメーカーオプションのセーフティパッケージと、ディーラーオプションのナビゲーション用SDカードにフロアマット、そしてDSRC車載器とバックモニターを取り付けた。ボディカラーはブルーリフレックスマイカ(2019年現在では整理された)を選択。4月4日にディーラーで正式発注し5月29日に納車を迎えた。

文/写真・西村 直人

西村 直人|にしむら なおと

1972年1月 東京生まれ。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラック&バスでは開発ドライバー業務を担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。昨今では、自律自動運転や先進安全技術の研修会(公的機関/教育機関/民間企業)において講師役を継続的に拝命しつつ、2017年2月には自律自動運転と人工知能にまつわる書籍「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)https://book.impress.co.jp/books/1116102057を上梓した。2019年度は警視庁の安全運転管理者法定講習における講師を拝命。

西村 直人
Chapter
初代(NAロードスター)の走りが忘れられず……
やっぱり買ってよかった!すぐに身体に馴染むロードスターの楽しさは車重の軽さから
買ってよかった!とは言うものの、不満は走行性能以外でチラホラと……
でもやっぱりかわいい。ウチのNDロードスター

初代(NAロードスター)の走りが忘れられず……

購入から約4年と2か月が経過した現在のオドメーターは17,000kmほど。勇んで購入した割には走行距離が伸びていないのは、仕事柄、複数の試乗車に乗るためだ。また、大人数での移動や荷物がたくさんある場合は社用車 (ステーションワゴン)での移動を行っている。

さらに、筆者はのりもの全般をレポートする交通コメンテーターして所有する4台のバイク(原付2種スクーター、空冷250ccオフローダー、直4レーサーレプリカ1,000cc、V4ツアラー1,200cc)にも乗る。それこそ近場の移動から取材現場への足、趣味の長距離ツーリングと、バイクとの生活はクルマよりも2年長い32年目を迎えた。オフロードやサーキットでの走行も加齢によるライディングスキル低下を少しでもなだらかにして、1日でも長く乗り続けたいという想いから頻繁に行っている。
さて、話はロードスターだ。4代目(ND)が登場した当時、ライトサイジング化した1.5Lエンジンへの風当たりは強かった。ご存知の通り海外モデルでは当初から2.0Lモデルが存在し、国内モデルでも後に2.0Lエンジンを搭載したロードスターRFが登場している。

しかし、筆者は1.5Lエンジンのロードスターが欲しかった。メタルトップ仕様であるRFが2.0Lエンジンを搭載して登場することは、購入当初から予想されていたにもかかわらずだ。なぜ1.5Lにこだわったのかといえば、アクセルペダルをしっかりと踏み加速させ、じんわり戻しながらシフトダウンとブレーキペダルで減速する……、そうした一連の運転操作がより自然に行えるからに他ならない。この感覚こそ、25年前に中古車として手に入れたNA型ロードスター(NA8)の相似形であり、今の自分が手に入れたかったのりものだった。

やっぱり買ってよかった!すぐに身体に馴染むロードスターの楽しさは車重の軽さから

買って良かった。なぜか?すばり運転操作が楽しいからだ。取材の現場では700PS超のスーパースポーツカーから軽自動車、そしGVW25tのトラックや60人乗りの大型観光バスまでテストするが、4代目(ND)ロードスターは運転操作のひとつひとつがしっくりと身体に馴染む。

スポーツカーに分類されるロードスターだが、鋭い加速が味わえるわけではない。2015年モデルのカタログスペックは131PS/15.3kgf・mと数値の上ではごく平凡。実際、加速タイムを計測してもフツーの結果が残るだけだ。
それが車両重量1,010kg(Sスペシャルパッケージの6MT/当時)という軽いボディとの組み合わせとなると話が違う。いわゆる「走る/曲がる/止まる」の各性能がうまくバランスしていることが手に取るように実感できるから、たとえノロノロ渋滞路で頻繁に繰り返すクラッチミートですら気持ちがいい。シフト操作にしても各ギヤ段の入り口まで誘うとスッと自ら入り込んでいく。
こうした身の丈にあった運転感覚は各部からも感じられる。納車直後は1速のギヤ位置が身長170㎝の筆者には若干遠く感じられ、加えてギヤ入れ操作も渋かったが、ドライビングポジションにちょっとした工夫を凝らすことで左腕はスッと伸びるようになり、距離にして3,000kmを越えたあたりからギヤの馴染みも良くなってきた。

ロードスターの開発を担当したエンジニア曰く、「精度を高め、同時に徹底的な軽量化にも取り組んだトランスミッションです。アタリがつくまで少々時間を頂くかもしれませんが、じっくり付き合ってください」と以前伺っていた。まさにこれこそ自分色に染めていく楽しさなんだな、と身をもって体験している。
ソフトトップの開閉機構も秀逸。ロック操作を含めた開け閉めにかかる時間は大げさではなく5秒もあれば十分だ。しかも、運転席と助手席のどちらからでも同じ操作性(左ハンドルがあるから当然!?)が保たれ、腕の動きに合わせてスムースにトップが動くから正しい運転姿勢のまま上半身をちょっと後ろへ捻って腕を伸ばすだけで開閉できる。

信号待ちなど、短時間の停車でも思ったときにオープンエアが楽しめる気軽さはND型ロードスター最大の魅力だ。

買ってよかった!とは言うものの、不満は走行性能以外でチラホラと……

内装材や普段目にしない部分の質が若干低めであること。これが欠点。内外含めて機能美あふれるデザインに加え、攻めに攻めた軽量化やそれによる高められた運動性能に不満はほとんどないのだが、乗り込んでいくうちにいろいろと気になる点も……。

内装材である樹脂パーツが薄く仕上げられているためか、パーツ組み合わせ部分のすき間が徐々に大きくなってきた。積極的にオープン走行を楽しんでいるので、ふんだんに紫外線を浴びてしまったことから変形が始まったのだろうか……。とはいえ、立体駐車場保管であるため差し引きすれば恵まれた管理状態にあることから、それはなかなか考えにくい。質の向上含め、内装材に関しては応力のかかる部分を中心に厚みを増加させるなどの対応を願いたい。
目にしない部分では、サスペンションの特定部位におけるネジとワッシャーについて錆が進行している(画像の赤丸部分)。ここが不満だ。これらは納車から1年経たずして錆び始め、市販の亜鉛スプレーなどで対処するも抜本的な解決には至っていない。

この件については2018年5月に当該ボルトを設計されたマツダの担当者に対して取材を行っている。曰く「錆が進行しても強度は十分なので安心してください」とのこと。しかし、どうも釈然としない。

金属に対する錆の発生は良くないものとされ、金属に対する進行性の腐食はやがて強度低下による破断につながると、その昔に教わったことを思い出した。ND型ロードスターのオーナーさん、ぜひとも当該ボルトとワッシャーに錆が発生していないか確認して頂きたい。

でもやっぱりかわいい。ウチのNDロードスター

いろいろと書き連ねたが、4代目(ND)ロードスターを購入して心から良かった。ボルト&ワッシャーなど未解決の事象は残るが概ね満足している。1.5LガソリンエンジンであるSKYACTIV-Gは実用燃費数値に優れ、これまでの生涯値は当時のカタログ値である17.2km/L(JC08モード値)とほぼ同等だ。
トランクルームも広く国内線の機内持ち込みサイズのキャスターバッグが2つ余裕で入る。また、前述したソフトトップの開閉操作に助けられ、突然の雨にも落ち着いて対処ができる。

加えて現行モデルでは、先進安全技術群である「i-ACTIVSENSE」が強化され、「衝突被害軽減ブレーキ」も装着可能。さらに、ドライビングポジションの自由度を高めるテレスコピック機能がステアリングに追加されたことも朗報だ。
4代目(ND)ロードスターは間違いなく買いの1台。乗車人数に制約はあるものの2名分の長距離旅行(夫婦2名で1週間の旅を経験済み)が楽しめるトランクルームがあるからファーストカーの立ち位置も維持できる。当然、スタッドレスタイヤが必須だが大抵の雪道は難なく走りきる柔軟性も備える。

中古車市場では価格もこなれたきたようだが、現行モデルでは筆者の乗る初期モデルから電動パワーステアリングのアシスト量が変更され、同時にリヤサスペンションのアッパーマウントも仕様が変わり乗り味には大きな変化が見てとれる。購入の際は、そのあたりの情報も参考にして頂きたい。

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