いすゞと日野が初の国産ハイブリッド連節バスを発売へ

いすゞ エルガデュオ ハイブリッド連節バス

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ドライバーを助ける安全支援システムにも対応。
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車名と価格
今回発売された連節バスの特徴
先進のITS技術

車名と価格

いすゞ エルガデュオ
日野 ブルーリボン ハイブリッド 連節バス
いすゞ自動車と日野自動車は、国産メーカー初となる連節バスを共同開発し、5月27日に発売しました。車名および価格は、いすゞが「エルガデュオ」で8,780万円(税別)、日野が「ブルーリボン ハイブリッド 連節バス」で8,800万円(税別)です。また両社は同時に次世代都市交通システム(ART:Advanced Rapid Transit)での活用を想定した連節バス用ITS技術も開発し、市場のニーズに応じて実装していくと発表しました。

初の日本製連節バス

現在、バス業界では運転士不足に悩まされており、仕方なく黒字路線を減便するといった深刻な影響が出ています。連節バスの導入は運転士不足を補えるだけではなく、一度に約1.5倍の利用客を輸送できるため、より効率的なバスの運用が期待できます。連節バスの導入は国内でもすでに見られますが、純日本製の連節バスは今回が初。バス会社や路線の特性に合わせた仕様をオーダーしやすくなると言えるでしょう。

今回発売された連節バスの特徴

いすゞ、および日野の新型連節バスの特徴は、まずはハイブリッド技術を取り入れていることです。エンジンは小排気量で高出力・高トルクを発揮するA09Cエンジン(最高360ps)を採用。エンジンとモーターの間にクラッチを配置することでエネルギー回生効率を向上させており、モーターのみの発進も可能です。さらにハイブリッドシステムと7速AMTの協調制御により、燃費性能と環境性能を向上させています。

定員は最大120名

定員は仕様によって違いますが、最大120名と大量に輸送することができます。前車室はフルフラットで、後車室もノンステップエリアを広く確保。さらに最適なシートレイアウトによって、乗客の利便性や快適性、そしてバリアフリーを実現しています。

ドライバー異常時対応システムを装備

また、「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」を路線バスとして世界初装備。万が一ドライバーに急病などの異常が発生した場合、乗務員や乗客が非常ブレーキスイッチを押すことにより停止させることができます。その際、減速してから停止するため立席の乗客にも配慮している安全性の高い連節バスです。

先進のITS技術

そして新型連節バスの特徴のもう一点は、ITS技術の採用です。実装される機能は以下の5つとなっています。

・プラットフォーム正着制御
・協調型車間距離維持支援システム(CACC)
・衝突警報
・路車間通信・車車間通信
・視覚支援カメラシステム

プラットフォーム正着制御

「プラットフォーム正着制御」は、誘導線をカメラで認識し、自動操舵、自動減速によりバス停へ誘導する運転支援システム。バス停側の対応と合わせて隙間や段差が解消され、乗降のしやすさが向上する機能です。

協調型車間距離維持支援システム(CACC)と路車間通信・車車間通信

「CACC」は、自動車専用道路にて先行車の加減速の操作情報を後続車に共有することで車間距離を制御し、無駄のない加減速を行うシステム。合わせて「路車間通信・車車間通信」は、バスの走行特性に対応した路車間通信(ITS専用周波数)により、赤信号や右折時の注意喚起、信号待ち発進準備案内といった安全支援を行います。

加えて、バス優先の信号制御を行う高度化PTPS(公共車両優先システム:Public Transportation Priority System)にも対応。この機能を車群単位で制御することも可能で、安全性はもちろん、より速達性や定時性の向上にも寄与します。

衝突警報と視覚支援カメラシステム

「衝突警報」はミリ波レーダーで先行車を検知し、衝突の危険性を運転士に警告するシステム。「視覚支援カメラシステム」は車両内外にカメラを設置し、運転士がモニターで監視可能。車外のカメラは、車両停止時に車両周辺の移動物を検知。ドライバーにアイコンの点滅と音で知らせ、発進時に人と接触するといった事故を未然に防ぐことができます。
新型連節バスは、運転士不足の解消、輸送力の強化だけではなく、さらなる安全性も考慮された交通社会に優しいバスです。より地域に密接した移動手段となる可能性を秘めており、導入が待たれます。
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