キャンプのコーヒーの楽しみ方~【寄稿】アウトドアライター SAMさん編~

ランタン コーヒー

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「美味しいコーヒー」は世の中にたくさんあると思います。
「美味しいコーヒーの淹れ方」これも数多くあるでしょう。
しかし、キャンプでコーヒーを美味しくするためにこそ必要なものは二つ、
それは「時間のかけ方」と「時間の見つけ方」です。
Chapter
たった5分のために1時間以上をかける
とびっきりの朝を見ながら

たった5分のために1時間以上をかける

キャンプは日常のスケジュールをいかにして忘れるかが大事。一見つまらないことにさえ時間をかけてみる。
焚き火でゆっくりと生豆をロースト。気が遠くなるくらい時間がかかります。
しかしあなたは気が付くでしょう。
だんだんと変わる色と鼻をくすぐるこの香りは、時間をかけたものだけの贅沢なのだと。
ガリガリっとミルを回す音が新鮮。
そして徐々に香ばしい豆の香りから、まさにあのコーヒーの香りにスイッチ。
自分のしたことが、全て自分にゆっくりと還ってくるこの楽しさ。
多少周りに粉が飛び散っても、こぼれたってちっとも気にする必要はありません。
ここは「野外」なのですから。
こんなに時間をかけたのに、コーヒーを味わう時間はおそらく5分。
味だって冷静にみればプロや専門店に淹れたものには遠く及ばないかもしれません。
けれどきっとあなたはこのワイルドなコーヒーに満足がいくでしょう。
なぜなら、単にコーヒーを飲んだのではなく、
「時間」というものをたっぷりと味わったからです。

とびっきりの朝を見ながら

野外の特権。それは「景色」です。
その景色を借りて行う行為を「借景」といいます。
お店のように壁の内側で飲まないコーヒー。だからこそ野外はクリームよりも、砂糖よりも、「景色」というアクセントがコーヒーを美味しくしてくれます。
その一番のアクセントをくれるのが早朝。
少し冷えたぐらいの時間に飲む熱いコーヒー。
この場合、時間がなければインスタントでもドリップでも。
時間をかけなかった分、今度はその「時」がコーヒーに大いなる価値を加えてくれます。
毎日の仕事の中では目覚めもしなかったこの「早朝」。
山のすそ野から昇る太陽。木々の影がストライプのように伸びる瞬間。
「朝は、こんな世界だったのか」それに気が付き、その思いを熱い一杯の珈琲が五臓六腑へ送り込んでくれます。

野外でコーヒーを楽しむなら、豆や淹れ方のこだわりとともに、時間を楽しみ、そして五感全体で味わうものであってほしいと思います。

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文・アウトドアライターSAM
一般社団法人日本オートキャンプ協会公認インストラクター/星のソムリエ。光学機器メーカーマーケティングディレクターとして勤務するかたわら、キャンプブロガー、キャンプレポーター&アウトドアライターとして活躍。
ブログSam-Home Sam-Camp「キャンプの宝物をさがそう!」を主宰。著書に「ベテランキャンプブロガーSAMのお気に入りキャンプ場教えます」(ベースボールマガジン社)がある。

(提供元:LANTERN
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