10年経っても色褪せない魅力はあるのか?…リセールバリューの高そうなクルマ特集

人気があるからといって、リセールが良いとは限らない

人気の高いクルマは、その分台数も大量にばら撒かれますから、中古車としてもタマ数は豊富。むしろ場合によってはダブつき気味になってしまうこともありえます。需要に対して供給数が上回るということは大いに考えられます。

中古車の人気というのは、寄せては戻す波のようなところがあって、新車時に人気があったからといって、中古車になってもその人気が持続するとは限らない。むしろ、F31レパードのように中古車になって初めて人気に火がつくこともあるわけです。

一方プリウスの中古車相場は、少し落ち着いている様子も。新車でマークXより少し下の値段のクルマですが、中古になってもマークXの同年式同走行レベルと同じ水準に留まっています。

プリウスの場合、なにより新車こそ最新、最善のプリウスということができる。エコカーであり、最新の技術で燃費を改善されているものを購入してこそ初めてこのクルマに乗る理由が生まれるようなところがあります。もちろん、中古で購入しても充分にいい買い物になるはずですが、新車独自の「旨み」というものがあるのです。

最近の注目はやはりS660

ホンダ S660

S660の前身ともいうべきビートもなかなか値落ちのしないクルマでしたが、最近ではさすがに20年以上を経過した個体がほとんどで、迫る年波をモロに感じさせるクルマとなって格安車も多いですよね。それに後継機種ともいうべきS660が登場したこともあって、このあたりの影響も無関係ではないでしょう。

さて、このS660。やはりなんといっても小さな本格スポーツカー、あるいは軽自動車のスーパーカーとも言われたりするその明快なキャラクターと走りの良さ、エンジンの素晴らしさでホンダというメーカーを端的に表すような内容の濃い一台。そんなあたりがビートと被るというところもあります。2015年のS660の販売における人気ぶりも、このクルマの値打ちを高めていることは間違いありません。

そんなわけで、S660のリセールは10年後もそれなりに高水準をキープするのではないかな、と想像できます。

お次は「働き者」と「信頼関係」が裏打ちするお値打ちクルマ

根強い人気、そして実力も兼ね備えた、ハイエース

トヨタ ハイエースワゴン

ハイエースの人気、リセールは本当に鉄壁とも言えるでしょう。もはやトヨタブランドの中で、最も安定した高値水準の維持できている車種と言っても良いのではないでしょうか。

その理由は様々あって、やはり大きいのはハイエースが極めて有能の「働き者」だということ。なにより壊れにくい、使いやすい、この種のワンボックスとして走りにも十全に信頼感がある。こうしたところ、トヨタは本当に妥協することなくキッチリ作り込んでいるし、買う側もそのことをよーくわかっていらっしゃるから中古車になっても人気が落ちない、値が下がらない。

いうなれば一つの信頼関係のようなものに近い気がしますよね。

たとえば、2015年時点で10年落ち、15万キロや16万キロ走った個体が、いまだに150万円以上の値段(店頭価格)で取引されているというのはちょっと驚きを通り越して異常なほどの安定感。しかしハイエースは、90年代あたりからも同じような傾向で、特にH100型の後期モデルは今でも、たとえば平成9年車ひとつとっても100万円台超えは当たり前ですから、これも大したものです。

よほどの突然変異でも起こらない限り、ハイエースのリセールの高さはは変わりそうにありません。

外車での高リセール筆頭はやっぱりメルセデス

メルセデス・ベンツは昔からとにかく品質が高く「ヤレ」が少ない、走行距離、年数を重ねても劣化が少ないというのが「社是」のようなところがあって、その点を多くのユーザーが認めて、そして高いリセールバリューを維持し続けてきたという側面があると思います。

たしかに新車価格は高いかもしれないけれど、手放すときの値打ちを高いレベルで保つという意味でメルセデス・ベンツはある種の「保証」のようなものをユーザーに販売していたという考え方もできると思うのです。ユーザーの本当の利益を最大限突き詰めて追求するという姿勢が感じられる一面です。

ただ、昨今のメルセデスは、日本車に影響されたのもあって以前ほどの「過剰品質」を保っているわけではなさそう。それに、新興国市場へのかなり細分化された車種構成によって、以前のようにひとつの固いポリシーや決意が、どうにもちょっとずつ薄められ、揺らぎ始めているというのもまた事実だったりします。Aクラス、Bクラス、あるいはCLAなどはたしかにいい乗用車ですが、フォルクスワーゲンよりちょっと良いかな、くらいのレベルに降りてきてしまった感があります。

ユーザーの裾野を広げる、囲い込む、ということも企業としては大事なことだと思うのですが、どうも以前ほど崇高な思想を保ち続けているわけでもなさそうなんですよね。

ゆえに、ベンツならどれでもリセールは安心、という神話はちょっと考え直したほうがいいと申し上げておきます。

そしてやはり外せないのはGT-RにLFA、日本のスーパーカー。

スポーツカーからスーパーカーに昇華したGT-Rは特別な存在

日産 GT-R バンパー

GT-Rもスカイラインの時代からプレミアが付いたりして中古車市場では非常に「アツい」クルマの一台でしたが、現行型R35もまたその例の漏れず今後も高い中古車人気を得ていくことができそうなクルマですよね。

R35型として最初期、8年落ちの2007年型でもおおむね半額までにはなっていないです。だいたい500万円台で推移しているといった印象。もちろん下取りや買取の額はそれより低いのは当然ですが、それでも新車当時777万円という価格から考えれば、異例の値落ちの少なさ。

もちろんこれは「日産ハイパフォーマンスセンター」などの専門ノウハウを持つ認定工場で適切にメンテナンスされていることが重要。消耗品ひとつとっても正規純正部品での交換、またソフトウェアなどのアップデートなども行うことで初めてメーカー保証が受けられるというシステムゆえに、中古車としての個体にバラツキ、個体差が出にくいという側面も大きく影響しているはずです。

ちなみにメーカー認定モノを探してみると、某中古車サイトでは異常なほど少ないです。それだけ認定中古車に対するハードルも高めに設定されている、ということの表れですよね。

中古での入手は望み薄?国内200台のスーパーカーLFA

レクサス LFA 工場

4.8リッターV10エンジンの560馬力、車重は重いものでも1560Kg。これで計算すると馬力あたりの荷重は2.78Kgですからこれはもう相当なスーパーカーだと再認識させられるわけです。

大昔のトヨタ2000GTがあの頃のスーパーカーだったとするなら、LFAは現代のスーパーカー。ミッドシップではなくFRであることなど、マニアにはまだまだこだわりが足りないとお思いの方もいらっしゃるようですが、しかしよくぞ作ってくれたというのが正直な感想です。

やはりLFAともなると「時価相場」ということになってくるのでしょう。もはや美術品の領域。それくらい匠の技で丹精込めて作られたクルマでもあるのでしょうから、当然といえば当然。

ゆえに、LFAの10年後は、これはとんでもないことになっている可能性は充分に高いですよね。将来の予測ほど難しいことはありませんが、まず新車価格3750万円より下回るということは、よほどな過走行で事故車でもないかぎりちょっと考えられないかもしれない。むしろどんどん上昇していくという方向で推移するという予測のほうが妥当な気がします。

レクサス=トヨタは本当にフェラーリやランボルギーニに対抗できるクルマを作ってしまったのだなあと、もはや呆れ返ってしまうほど。しかもそれが即完売に近い状態だったわけですから、さらに驚きです。

さて。中古車市場というのはやはり流動的で予測が難しいところがあるのと、もうひとつ注意しておいていただきたいのが、必ずしも下取り査定額と店頭価格には開きが出るということです。中古車は中間業者を介して取引することが多いです。ゆえに中間マージンというものがほぼ間違いなく発生します。またそのために、査定額にどれだけ「乗せて」店頭価格を設定するのか、というさじ加減も売り手次第だったり…。

リセールバリューの高さを店頭価格で判断するのは、そうした意味でちょっとリスキーかもしれません。あくまでも参考程度にお考えいただくのがいいと思います。

しかし、10年経っても値打ちを保てるクルマというのはそれなりに魅力を備えています。なるべくしてそう成っている、観察しているといつもこの感想にたどり着くのです。

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