BMW M4はいわば素性の良さが光る高性能スポーツ

BMW M4のライバルは?

BMW M4

まずはミドルクラスセダン ISをベースにしたIS Fが2007年に登場し、2014年まで販売されました。現在は、アッパーミドルクラスセダンのGS FとミドルクラスクーペのRC Fがラインナップされていますが、そのどちらもIS Fに搭載されていたエンジンをアップデートした自然吸気5.0リッターV8を搭載しています。

このうち流麗なクーペスタイルをまとうRC Fは、LFAのようにブランドイメージを牽引する役割が与えられており、日常における使用では快適に移動ができながら、サーキット走行も可能な本格的プレミアムスポーツカーとして開発されました。

ならば気になるのは、キャラクターがオーバーラップするBMW M4との違い。BMW M4は4685×1870×1385mm、レクサスRC Fは4705×1850×1390mmとほぼ同サイズですし、車両価格も1000万円前後とよきライバルの予感。

さて高性能に対するアプローチはどのように異なるのでしょうか? 各部を比べながら探っていくことにしましょう。

BMW M4とレクサスRC F、高性能に対するアプローチの違いとは

BMW M4 engine

まずはエンジン。BMW M4は3.0リッター直6ツインターボで、最高出力317kW(431ps)/7300rpm、最大トルク550N・m(56.1kgm)/1850~5500rpm。

一方、レクサスRC Fは前述の通りNA5.0リッターV8で、最高出力351kW(477ps)/7100rpm、最大トルク530N・m(54.0kgm)/4800~5600rpm。RC Fのほうがハイパワーを絞り出し、M4はトルクが勝っていますが、なかなかいい勝負ですね。

M4の直6は過給器付ユニットながらレスポンスに優れ、豊かなトルクも魅力。RC FのV8は大排気量の豪快さが魅力です。

M4 ホイール

しかし、ここで気になるのは、燃費の差。JC08モード燃費で、M4は12.2km/L(7速DCT)、RC Fは8.2km/L。BMW M4が環境性能にも配慮して、排気量を抑えた過給器エンジンを採用していることがわかります。

さらに燃費にも関わるトランスミッションについては、M4が7速DCTと6速MTから選べるのに対し、RC Fは8速ATのみ。ここからは、走りの楽しさをどん欲に追求するBMWの考え方が強く伝わってきます。

続いてはシャシー性能。どちらも快適性と走行性能を両立し、シャシー性能の高さには定評があります。サスペンションはM4が前:ストラット、後:5リンクで、RC Fは前:ダブルウィッシュボーン、後:マルチリンクという形式をとりますが、M4に電子制御式ダンパーを用いたアダプティブMサスペンションの設定があるのが魅力でしょうか。

優れたトラクション性能の獲得においては、M4がアクティブMディファレンシャル、RC FがTVD(トルクベクタリングデファレンシャル)を採用するなど、最新テクノロジーの投入にも余念がありません。

次に重量について掘り下げてみましょう。車両重量はM4が1610kgで、RC Fが1790kgとかなり大きな差があります。

ルーフパネルをはじめとするカーボンファイバー素材の積極的な採用などがM4にクラスを超えた軽さをもたらしていますが、たとえば室内に目を向けても2モデルには大きな違いを感じます。

どちらもコクピットは上質さが印象的ですが、M4はシート回りで前モデルよりも12 kg の軽量化を実現しました。見た目は豪華だし、乗っても快適なのですが、中身にはレーシングカーのような軽さへのこだわりが隠されているのです。

また、M4はBMWロードカーの文法通り前後重量バランス50:50にこだわっていますが、RC Fは大排気量V8エンジンを積むだけに180kgほどフロントヘビー。こんなふうに車両重量を比べてみると、両者の違いが明らかになってきます。

BMW M4はいわば素性の良さが光る高性能スポーツ。サーキット等で極限まで攻め込んだとき、これが大きなアドバンテージなることは想像に難くありませんね。

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