Mはフォグランプも搭載しないほど、重量配分にこだわっています

BMW M3

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BMWはクルマの“重量”にこだわり続けている自動車メーカーです。よく知られているのが前後重量バランス。多くのモデルが、運動性能の追求のため50:50という理想的な重量配分を実現しています。そしてもうひとつがクルマ全体を可能な限り軽くすること。軽量化はダイレクトに動力性能の向上につながりますし、どこをどう軽くするかはハンドリングにも大きく影響を与え、乗り心地のアップにも寄与することもあります。
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Mによる軽量化

Mによる軽量化

そんな軽量化が大きく注目を浴びたのは、BMWがモータースポーツへチャレンジするなかで登場した歴史に残るマシン、BMW 3.0CSLにおいてでした。ヨーロッパ・ツーリング・カー・チャンピオンシップ(ETC)に参戦するためのホモロゲモデルとして1971年に登場した3.0CSLは、すでにラインアップにあった3.0CSをベースにアルミ製ドアを採用するなど各部を軽量化。

CSはクーペ・スポーツに由来しますが、“L”はドイツ語でLeicht、つまり軽量を意味しています。

このCSLのネーミングは、日本でも2003年に発売されたE46 M3 CSLにも与えられました。

通常のM3のルーフをカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)製としていましたが、最新のM3セダン、そしてM4クーペもCFRPルーフを採用しています。

M3セダンではスチール製のルーフに比べ5kgほどのダイエットとなっていますが、これにより重心を低くしフットワークの俊敏性も向上させています。
さらにM3/M4には、材質や形状などを吟味したさまざまな軽量化が施されています。

ボディにおいてはルーフのほかにもアルミニウム製ボンネット&フロント・サイドパネルの採用が大きな効果を発揮。前モデルに比べ10.6kgの軽量化を達成し、50:50の前後重量配分の追求に貢献しています。

またトランクリッドも重量を抑えるなど、ボディの前後端を軽くすることで、ハンドリングの最適化や限界領域での優れたコントロール性も実現しました。

一方、足回りにも軽量化が徹底されています。

フロント・ストラットサスペンションは前モデル比約3kg 、5リンク式リヤ・サスペンションはコントロールアームとホイールキャリアを鍛造アルミ製にすることでこちらも約3kg の軽量化を実現。これに加え鍛造のMライトアロイホイール V スポーク・スタイリング513M、M カーボン・セラミック・ブレーキ・システムによってバネ下重量を低減し、優れた走行安定性とロードホールディング、そして快適な乗り心地を可能にしました。
このほか、ボンネットフードを開けると目に飛び込んでくる斬新な形状のCFRP 製ストラット・ブレースも、剛性アップと軽量化を両立したアイテム。

その重量はわずか1.5kgですが、CFRPパーツの投入は駆動系にまでおよびます。

一体構造のCFRP 製プロペラシャフトがそれで、剛性の向上と相まって加速時の応答性がさらに高まっているのも特徴です。さらにはエンジンのマグネシウム製オイルパン、全体で12kgの軽量化を果たしたシートの革新的な軽量構造など、M3/M4の搭載テクノロジーを紐解いていくと、BMWがいかにライトウェイトにこだわっているかが理解できます。

そしてそれが、卓越したパフォーマンスと走りぬける歓びをもたらすカギを握っているのです。

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