新型スープラがBMW(Z4)と共同開発をする理由

新型スープラの概要

GR Supra Racing Concept

ジュネーブ国際モーターショーのトヨタのプレスカンファレンスにて、GRスープラレーシングコンセプトが世界初公開されました。

”トヨタのアイコン的スポーツカーの復活を示唆するレーシングマシンコンセプト”とアナウンスされたそれは、スタイリングこそGTカーのような、レーシングマシンの様相を呈しています。しかし、ヘッドライトやテールランプは、ベースとなる新型スープラのものと推測できます。

スープラを16年ぶりに蘇らせたマシンは、伝統的なFRレイアウトの特徴である”ロングノーズ&ショートデッキ”を採用し、スポーツカー然としたフォルムをまとっています。LM-GTEクラス(ル・マン耐久グランドツーリングカー)の規定に対応したコンセプトモデルとの噂ですが、真偽のほどは定かでありません。

ボディには、軽量かつ高剛性なカーボンコンポジット材などを採用。大きく張り出したフェンダー、大型リヤウィング、リヤディフューザーは、ダウンフォースを稼ぎ、コーナリング性能を向上させる目的であり、まさにGTマシンそのものです。

市販型のスープラでは、おそらくこの方向性をとりながらも、グラマラスなフェンダーにしてくると推測できます。

BMW 新型Z4とシャシーを共有するメリット

GR Supra Racing Concept

新型スープラは、BMWの新型Z4とシャシーコンポーネントを共有しており、2台はBMWの手によって同時開発がなされています。トヨタが企画とデザインを担当し、BMWがシャシー設計と車両開発を担当する、という分担です。

走行性能に大きく影響する開発が、世界中のメーカーが指をくわえて羨ましがるBMWであることから、新型スープラが、圧倒的なハンドリング性能を持ち合わせたスポーツカーとなることは、容易に想像ができます。

一方で、2シータースポーツカーが、2019年に大ヒットする未来は考えにくい(筆者は熱望しますが…)ため、この1車種だけで、莫大な開発費を回収するのは困難です。

先日も、新型スープラと新型Z4が並んで雪上公道実験をしている写真が出ました。もし1車種ずつ開発していたら、すべての開発過程で、2倍の工数と費用が掛かってしまいます。

また2車種を横並びにすることで、2車の性能が目標通りに達成されているか、比較しながら開発できます。これはメーカー側として、非常に費用効率が良いのです。

フェラーリやランボルギーニのように、販売価格を上げれば解決できるモデルが欲しいのではなく、トヨタとBMWは量販スポーツカーを売りたいという目的を共有しているのでしょう。2シータースポーツカーを共同開発するメリットは、こういうところにあると推測できます。

パワートレイン共有のメリットとデメリット

GR Supra Racing Concept

シャシー開発を担当するBMWとしては、エンジンもBMW製を使いたいと考えるはずです。他車メーカーのパワートレインを把握し、設計して搭載する開発に時間も費用もかけられないからです。

このサイズに載せられる一番大きなサイズのエンジンはおそらく、BMW M2 クーペにも搭載された、直列6気筒Mツインパワー・ターボ・エンジンあたりと推測できます[最高出力272 kW(370ps)]。

となるとトヨタは、スープラがバッヂ違いのBMWとなるのをメーカーとしてよしと判断したのか、トヨタのパワートレインのプライドは何処に?と気になるところではあります。

GR Supra Racing Concept

ご存知の通り、トヨタはこれまでにもスバルと共同開発を行い、86を復活させました。当時の分担も、トヨタがデザインと企画を、スバルがシャシー開発を主に担当し、86を復活させてきました。

当然、最後のチューニングはトヨタが味付けをしていますが、スポーツカーを開発するというもっともノウハウが必要となる部分を、他メーカーに一任するという開発は、古くからのトヨタファンには理解に苦しむのも事実。

日産がダイムラーのガソリンエンジンを伝統あるスカイラインに積んだように、日本車メーカーが新世代の車両開発を行うようになる転換期に来ているのでしょうね。

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