サスペンションにばねがないクルマたち

サスペンションにばねがないクルマ3選

その①:BMC MINI

クラシックMINI

BMWによるブランド取得以前のオリジナルのMINIには、金属ばねが使用されていません。代わりに使われているのは、ラバーコーンと呼ばれる円錐型のゴムの塊です。

考案したのは、MINIのサスペンション設計を担当したアレックス・モールトン博士。ゴムの弾性を利用したサスは、金属ばねよりも省スペースでコストも安かったことから、大衆車として開発されたMINIには打ってつけのパーツでした。

このラバーコーンによって、MINIは車体の四隅にタイヤを配置することができ、さらにゴーカートのようなハンドリングとなっていました。1959年の製造開始から2000年の生産終了まで、MINIのサスペンションにはラバーコーンが使用されています。

ただしラバーコーンは、金属ばねと比較すると耐久性が低く、劣化するとゴムが潰れて車高が下がってしまったり、均等に劣化しないため車体が傾く現象も見られました。2018年2月現在、ラバーコーンサスペンションはBMC MINI以外では採用されていません。

その②:シトロエン DS

1955年から1975年の20年に渡り製造されたDSは、当時のシトロエン車の最多量販車種でした。そのDSのサスペンションに搭載されていたのが、ハイドロニューマチックサスペンションです。

ハイドロニューマチックは、気体と液体を使ったサスペンションで、通常ばねに当たるパーツは見当たりません。代わりにスフィアと呼ばれるボール状のパーツとシリンダーがあり、これがばねとショックアブソーバーの働きを担っています。

簡単に説明すると、スフィアの内部には窒素ガスと専用オイルが入っており、密封された窒素ガスに油圧を与えることで、サスペンションを構成。窒素ガスがスプリングの働きをしています。

ハイドロニューマチックの優れているところは、密封された窒素ガスをスプリングに利用していることで、車内が重くなれば自動的にバネレートが上がり、軽くなれば元に戻るという特性を持っています。オートレベリング機能や車高調整も、この特性を利用しています。そのため、ハイドロニューマチックは、油圧サスともエアサスとも表現されます。

また、油圧はブレーキにも利用することで、サスの動きと連動させる(いつでも姿勢を安定させる)ことがでるなど、フランスの合理的な思想が生み出したサスペンション形式とも言えるものでした。

ただし、ハイドロニューマチックのキモとなる油圧を他にも利用する方式は、すべてが連動しているということでもあり、どこか1箇所でも故障があれば、クルマを動かすことができなくなります。加えて、当時の工作精度ではそういったトラブルが頻発したことから、評判はいまひとつだったようです。

その後、前述した欠点をカバーするハイドラクティブに進化したハイドロニューマチックですが、2017年のC5の販売終了にともない、新車で搭載するモデルは消滅。新しいサスペンションの開発が進められていると言います。

その③:トヨタ ソアラ

トヨタ ソアラ 2代目 3.0 GT エアロキャビン

民生用の自動車で日本で始めて空気ばねを採用したのは、1957年に発表された日産 コンドルというバス。では乗用車はというと、1986年に発売された2代目トヨタ ソアラでした。ちなみに日本初だけでなく世界初のエアサスペンション採用車でもあります。

搭載グレード最高峰の3.0GT リミテッドでしたが、現在のインテグレーテッドタッチ操作の元祖とも言えるエレクトロマルチビジョンとのセットオプションで、エアサス仕様車は特別な存在。高級パーソナルクーペの頂点中の頂点でした。

現在でも、レクサスLS系ではエアサスが採用されていますね。

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