V12、W16、H16…エンジンの気筒数が多いほど、車の性能は上がるのか?

レクサス LFA 2012

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超高級車やスーパーカーには、多気筒エンジンが搭載されています。エンジンの気筒数が多いほど、車の性能は上がるのでしょうか?
Chapter
気筒数とは?
多気筒エンジンを搭載する車
超高級車やスーパーカーに多気筒車が多いのはなぜ?
多気筒エンジンのメリットは?

気筒数とは?

英語でシリンダーと呼ばれる気筒は、ピストンが収められる金属製の筒のことで、燃焼機関のもっともキモとなる部分。一般的なレシプロエンジンは、シリンダーとピストンを組み合わせた注射器のような構造になっています。

気筒数=シリンダー数で、シリンダーがひとつだけのエンジンは、単気筒と呼ばれ、それ以外は気筒の前の数字(2、3、…、10、12気筒)がそのエンジンの気筒数を表しています。現在の軽自動車は3気筒、乗用車では4〜8気筒が主流となっていますが、大型車やスポーツカーでは気筒数が多く、排気量も大きくなります。

多気筒エンジンを搭載する車

【V10】
レクサス LFA
ランボルギーニ ガヤルド、ウラカン
ポルシェ カレラGT
BMW M5/M6(E60/61)
アウディ R8 5.2FSI、S6/RS6(C6)

【V12】
トヨタ センチュリー(GZG50)
フェラーリ 250GT、365GT4BB、テスタロッサ、F50、550マラネロ、F12ベルリネッタ、エンツォフェラーリなど
ランボルギーニ ミウラ、カウンタック、ディアブロ、ムルシエラゴ、レヴェントンなど
ジャガー  Eタイプ、XJ-S、デイムラー・ダブルシックスなど
アストンマーティン DB7ヴァンテージ、V12ヴァンキッシュ
マクラーレン マクラーレンF1
BMW 850i
パガーニ ゾンダ


【W12】
W型エンジンは、VWグループのアウディやベントレーなどに搭載されています。その構造はV型を2つ組み合わせた構造で、1990年代に登場した狭角V型6気筒(VR6)がベースがになっています。

アウディ A8 W12
ベントレー コンチネンタルGT、フライング・スパー
フォルクスワーゲン フェートン W12、トゥアレグ W12
ブガッティ シロン


【W16】
前述のVW製VR6をベースに開発されたVR4型を2つ付けたW8はシリンダーバンクが72度の狭角エンジンでした。このシリンダーバンクを90度に拡大さらに2つ付けたエンジンが、W16です。

ブガッティ ヴェイロン16.4

【H16】
市販車ではH16型のエンジンを搭載した車は登場していませんが、F1の世界では約50年前にイギリスBRM社が開発したH16エンジン"P86"が存在していました。こちらは、水平対向8気筒を2段重ねにした構造だったそうです。


このように、超高級車やスーパーカーに多気筒車が多いのはなぜでしょうか?

超高級車やスーパーカーに多気筒車が多いのはなぜ?

昔の車はエンジンの燃焼が安定していなかったため、高級車ではとくに多気筒にしていた経緯もあります。多少エンジンの調子が悪くても(1〜2気筒が爆発していないなど)、残りの気筒で走行が続けられるようにという配慮です。

当時の名残というわけではありませんが、上記の車種を見ればわかる通り、レクサスLFA、フェラーリやランボルギーニなどのスーパーカー、ベントレーやロールスロイスなどの1,000万円超~億の価格がつく超高級車に多気筒エンジンが搭載されています。

これはV10以上の多気筒エンジンは超高級車が求める性能を有しているから、ということを意味しています。どのような性能なのでしょうか?

多気筒エンジンのメリットは?

気筒数が増えることによる最大のメリットは、高回転時の出力アップが可能となり、同時に最高速もアップすることです。

また、市販車に搭載される多気筒エンジンにはV6、V8、V10、V12などV型エンジンが多いのですが、これは多気筒であってもV型に配列することでクランクシャフトを短くでき、コンパクトな設計が可能となるのが理由です。
 
近年は少ない気筒数でも高性能なエンジンが開発されるようになり、重量を減らし、燃費が良くなり省スペース化も可能とするダウンサイジングエンジンも増えていますが、やっぱりスーパーカーにはV10以上を搭載して欲しい…と思ってしまいますね。

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