ちょっと不恰好?なぜ最近の車にはサイドアンダーミラーがないのか?

SUV特有の事故から生まれた装備

ランドクルーザー サイドアンダーミラー

サイドアンダーミラーが登場したのは、90年代はじめの頃。当時、へビーデューティ4WDとかクロカン四駆と言われていたSUVですが、この手のクルマの弱点はクルマの前方付近の死角が多いことです。

クロカン四駆が一大ブームとなった80年代から90年代にかけて、左前輪付近でしゃがんでいる幼児を轢くという事故が多発しました。これを重く見た自動車メーカーが、死角を減らすために自主的に装着し始めたのが「サイドアンダーミラー」だったのです。

ユーザーからは“キノコミラー”などと揶揄され、その格好の悪さが大不評。しかも、メーカーによっては付いているだけのような形骸化したミラーもありました。いすゞのビッグホーン(絶版モデル)は当初から大型で見やすいものが付いていましたが、実用性の高さとは裏腹に不評でした。

ちなみに、2003年には法整備が進んで、2005年1月以降の発売のSUVにはサイドアンダーミラーを付けることが義務化されています。ただし「自動車の前面および左側面に接する高さ1m、直径0.3mの円柱を直接、もしくは鏡、画像などにより間接的に視認できる」という基準を満たすことがきれば、サイドアンダーミラー以外の方法でも良く、車両デザインやカメラの装着などによって、問題を解決している車種も存在します。


実は違う使い方で有益な装備!

両面サイドアンダーミラー

どうせ格好が悪いなら実用性の高いミラーをということで、トヨタが90系ランドクルーザー・プラドから付けたのが両面サイドアンダーミラー。二面鏡になっており、左前輪付近および車両前部の死角を確認することができる便利なミラーです。

もちろん、死角に人がいないかを確認するためのものですが、同時にクロカン四駆には別の有益な使い方ができるのです。四輪駆動車で本格的なオフロード走行をする場合、死角になる部分に岩や木などの障害物がないかを把握することは、走破する上で非常に大切なこと。80年代の車種では、あらかじめ目視した前方の状況を覚えておき、障害物と車両の距離感を予想しながら走っていました。

ところが、熟練者は優れた車両感覚を持っていますが、ビギナーはなかなかそうはいきません。そのため、車両前部や後部、左フェンダー付近を障害物にぶつけてしまう人が少なくなかったのです。そんな状況の中で、威力を発揮してくれるのがサイドアンダーミラー。

二面鏡のサイドアンダーミラーで、前部と左サイドの状況を目視できるようになったのです。もちろん、左サイドしか見えないミラーでも、オフロード走行では十分に便利だと言えます。

電子化が進んでミラーは不要に?

インテリジェント アラウンドビューモニター

ところが昨今、サイドアンダーミラーが装着されていないSUVがあります。法で定められているのに、なぜ?と思う方もいらっしゃるでしょう。実はサイドアンダーミラーよりも、もっと確実な安全装備が登場したのです。それがカメラです。

CCDカメラを左サイドミラー付近に装備し、車内の液晶モニターで死角を目視できる車種が最近増えています。これは「ブラインドモニター」と一般的に呼ばれていますが、トヨタのランドクルーザーはボディ4面にひとつずつカメラを装着し(一部グレード)、周囲のすべての死角を無くしています。これがあるおかげで、ボディサイズの大きなランドクルーザー200系でも、ストレスが少ない状態でドライブできるようになりました。

日産のエクストレイルには、同社の伝家の宝刀である「インテリジェント アラウンドビューモニター」を採用(一部グレード)。上空から見えているような視点に加えて、4種類の視点で死角を無くしています。これもまた、オフロード走行をする時に役立つ装備です。

また最近では、アフターマーケットのカーナビゲーションで、前後、サイドのカメラに対応しているモデルがいくつか登場しています。純正オプションの設定がない車種やグレードでも、こうしたカーナビとカメラを付けることで、使い勝手を向上させることが可能です。

カメラ&モニターによる視認性補助装置は、遠くにある小さな鏡を見るよりも、圧倒的に視認性が良好です。カメラやモニターのコストがさらに下がれば、どのSUVにも標準となり、やがてサイドアンダーミラーは前時代的な装備になるのかもしれません。

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