寒い地域で車がパワーアップするというのは本当?

ポルシェ 911 ターボS

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車の性能を測るうえで、ひとつの目安になるのがエンジンパワー。このエンジンパワーは「温度が低いほうが出やすい」という話を聞いたことがあります。そうなると、沖縄より北海道、ハワイよりウラジオストク(ロシア極東)でパワーチェックを行ったほうが、より良い数値が出ることになります。そのようなことは、本当にあるのでしょうか。
Chapter
エンジンはどうやってパワー(出力)を発生させるのか
エンジン以外の要素
エンジン出力を変化させるものは?
効率よくエンジンを使うためには

エンジンはどうやってパワー(出力)を発生させるのか

当たり前のことですが、車が動く動力はエンジンです。エンジンは、空気と燃料が混ざった混合気をシリンダー内で圧縮し、スパークプラグで点火・爆発させ、このエネルギーを動力に変換しています。

高出力が求められるエンジンは、排気量を拡大したり、圧縮比や最大回転数を引き上げるなどをして高出力化を押し進めます。

では、ハイパワーを実現するため、エンジン以外の要素を検討してみましょう。

エンジン以外の要素

最初に述べた通りエンジンの出力は、シリンダー内で起こる爆発と密接に関連しています。単純に言ってしまえば、同じ排気量・レイアウトであれば、爆発力が強いほどエンジンはハイパワーとなります。

この爆発力を高めるためには、エンジンを高圧縮にすれば良く、そのためにはシリンダー内により多くの混合気を取り入れる必要がありますが、自然吸気エンジンの場合、シリンダーが取り入れる空気の量には限界があり、またノッキングなどの問題も発生します。

それを解決するために生み出された装置が、ターボやスーパーチャージャーという、いわゆる過給器と呼ばれる装置なのです。

では、エンジンパワーは気温によって変化するのでしょうか?

エンジン出力を変化させるものは?

話をもとに戻しましょう。シリンダー内で点火・爆発される混合気は、空気と燃料を混ぜ合わせたものであることは最初に述べました。空気は、温度が上がると密度が小さくなるという性質があり、夏など外気温が高い条件では、体積が同じでも質量は小さくなっています。

反対に、空気が冷えているほど含まれる酸素の量は増えます。つまり、外気温が低い時期の空気のほうが含まれる酸素の量が多くより強い爆発を得ることができるというわけです。これがエンジン以外にハイパワーを実現させる要因となり、寒いほどハイパワーになると言われる理由です。

ちなみに過給器付きエンジンに、インタークーラーが追加されることがありますが、あれば強制的に送り込むことによって生じた空気温度の上昇を抑えて、質量を高めるために用いられています。

効率よくエンジンを使うためには

大切なマイカーも普段からボンネットを開け点検をすることで、ほんの少しだけですがエンジンパワーの確保に貢献できます。

ラジエターやインタークーラーなどの冷却装置は、ゴミや落ち葉などが目詰まりし、冷却効率を損なってしまうことがありますし、外気の導入や排出口となるダクトが目詰まりすることなども、フレッシュエアをエンジンが吸うための障害となります。目に見えるゴミを掃除する。こんな簡単なことでも省燃費や高出力と言ったことに貢献できるのです。

エンジンは使用環境や季節によって、さまざまな影響を受けており、過去のハイパワーセダンでは、外気温1度につき1psの違いが生まれると言われることもありました。

各種センサーやコンピュータの進化によって、現在はそれほど大きな性能差が生まれることはなくなっていますが、低温(質量の高い)の空気のほうがエンジンにとって都合が良いのは確かです。

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