ローレル、セフィーロ等…バブル期の好調日産を支えた、魅力あるアッパーミドルカー4選

従前の踏襲に見切りをつけた「A31セフィーロ」

日産 セフィーロ A31

キーワードは「くうねるあそぶ」…セフィーロは、新ジャンルの大人向けサルーンでした。

新ジャンルと表現する理由は、それまでの大人向けサルーンといえば、カクカクのデザインに立派なメッキグリル、装飾、アクセサリー、またワインレッドの豪華絢爛なソファーのようなインテリアなど、一種の定形が確立され、同時にその価値観から抜け出せないという問題、というより不満を抱えていたのです。

そうした”ダンナ趣味”のアッパーミドルカーとは決別しようと企画されたのが、このセフィーロだったと思います。

丸みを帯びたデザインに当時最新のプロジェクターヘッドライト、またエンジン、トランスミッション、インテリアを自由に組み合わせのできるコーディネートなど、さまざまな新機軸が盛り込まれました。ひと言で言うと、モダン。新しい感覚、センスに満ち溢れていました。

インテリアは、ホームスパンというザックリとした印象の生地を用い、それまでのフカフカなモケットとは一線を画す「ダンディー」。ややリッチな印象のベロア素材を使った「エレガント」、クールでモダンなモール織物の「モダン」といったバリエーションで、現代的で洗練されたものがチョイスされていました。

エンジンは、ご存知RB20DET。「クルージング」を筆頭に、ノンターボRB20DEを積んだ「ツーリング」、シングルカムのRB20Eの「タウンライド」。そしてのちに最終モデルとして2.5リッター版RB25DEと5段ATも加わります。

足廻りはフロントストラット、リアマルチリンクを基本に、ハイキャスⅡを組み込んだ「スポーツ」、可変ダンパーを組み合わせた「コンフォート」を設定。

これらそれぞれを自由に組み合わせることが可能で、ボディカラー、インテリアカラーも含めると、当初800を超える設定が可能だったのだとか。

気持ちの良いエンジンに素直な走り。この頃の日産の、ド定番を地で行くようなセフィーロ。従前の価値観をブチ壊したその功績は、計り知れないものがありました。まさに時代の変革期を象徴するようなクルマでした。

一方「保守化」を徹底「C33ローレル」

日産 ローレル C33

セフィーロがリベラルな生き方を体現する一方、ローレルでは、より保守本流のアッパーミドルカーを追求します。

キャラクターの明確化がはっきりとしたこの作り分けは、この頃の日産を成功に導いた大きな要素でした。ライバルのマークⅡ三兄弟がどれも似たような性格をもっていたこととは好対照です。

ピラーレスの4ドアハードトップだったC33ローレルのやや四角ばったデザインは、セフィーロを見たあとではやや古臭い印象もありました。

エンジンは、セフィーロ同様、RB20DET、DE、Eの3種に、後年RB25DEと5段ATが加わるのもセフィーロと同じでした。ただし、ローレルには直6ディーゼルのRD28に直4のCA18もありました。

また、オプションなどでハイキャスⅡや可変ダンパーなどが選択でき、またインテリアには、クラブLのオフホワイトの本革内装や、クラブSの焦げ茶色の「エクセーヌ(アルカンターラ)」を用い、まるでヨーロッパ、とくにイタリアのランチアを思わせるトラディショナルな設えとなっていたことも特徴。

落ち着いた外観やインテリアに比して、走りはセフィーロ同様軽快な印象で、ハンドルを握る楽しみを多くの大人たちが再認識したはずです。

従来、日産はこのクラスでもトヨタの後追いとも取れるようなクルマ作りに甘んじていましたが、セフィーロにしろ、ローレルにしろ、真っ向から異なる価値観のクルマをぶつけて、しかもそれがことごとく成功するという、見ているだけで気持ちの良い「仕事」を、当時の彼らはしていました。

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