他のスポーツカーと比較して、GT-Rはなぜ重いのか?

日産 GT-R

※この記事には広告が含まれます

世界に誇る日産 GT-Rの車両重量は、1,730〜1,740㎏(発売当初)。500馬力以上ある他のスポーツカーに比べると、重量級の作りになっています。「コストを抑えるため」「軽くするにはお金がかかるから」「4WDだから」などなど、さまざまな憶測もありますが、じつは世界最速の量産市販車を目指すGT-Rには、必要な重さだったようです。
Chapter
日産GT-Rが世界中で愛される理由
常識を覆したGT-Rの設計
GT-Rはスペック上の速さではなく、実際に走ったうえでの速さを追求。
あらゆる路面で最適のグリップ力を発揮するために

日産GT-Rが世界中で愛される理由

2008年にデビューした日産GT-Rは、世界中で人気があり、日本車の最高傑作と評価される素晴らしい車です。

人気の理由は
・1,000万円以下という破格の安さで、価格が約4倍のランボルギーニ アヴェンタドールと同レベルの速さ
・4人乗りのボディ、雨の日も快適に安全に乗れるなど、日常的にも十分使える機能性を持ちながら世界最速レベル
・ノーマルで550馬力。それでも市街地含めた実用燃費は6〜10km/Lと現実的
などなど。

リーズナブルな価格と日常の使い勝手を重視しながら、世界最速レベルのスピードを実現…これがGT-R人気の理由です。

常識を覆したGT-Rの設計

それまでは「車を速くするには軽くする」「馬力と駆動方式が同じなら軽いほうが速い!」という考えが常識でした。

しかし、デビュー当時から注目を集めていたのは、GT-Rの車両重量が1,730〜1,740kgで、500馬力オーバー、最高速300km/hオーバーの車としては同クラスの車に比べて100〜200kg程度重いという点です。

それなのに速い。それまでの常識は、どうなったのでしょう?

GT-Rはスペック上の速さではなく、実際に走ったうえでの速さを追求。

車で路上を走る際、速く安全に走るためにもっとも大事なことは「グリップ力」です。難しい計算式は置いておいて、このグリップ力を最大化するためには、各タイヤに最適な荷重が必要となります。

レーシングカーであれば、空力パーツでダウンフォースを発生させることもできますが、GT-Rは、後部座席に大人が2名乗れて、さらに荷物が十分に入るトランクもあり、サーキットでは300km/hという世界最速レベルで走行が可能…といった要件を実現するために、パッケージが追求されたといいます。

あらゆる路面で最適のグリップ力を発揮するために

ミッションはリアに荷重を与えるためにトランスアクスル方式とし、強大なパワーは4WDで効率よく4輪に配分します。また、4人が無理なく乗車できるために、ホイールベースは2,780mmと長く、フロント荷重を作るエンジンは、3.8L V6ターボになったとされています。

それに加えて、路面状況が変化する一般道でも常に最適のグリップ力を得るために、GT-Rは重量まで綿密に計算されました。その結果が1,730kgという重量でした。

タイヤ1つ換えることなく、一般道から軽いダート、サーキットで濡れた路面でも、さまざまな路面で最高の走りを実現するには必要な重量だったということです。

もちろん重量の決定には、いくつもの要因、議論があったでしょう。しかし、いずれにしろもっともリーズナブルなモンスターカーとしてGT-Rは確固たる地位を築いています。

次なるGT-Rがどんな姿になるか、楽しみですね。

【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細