【全文書き起こし】自動運転で一日25時間に!? アウディ、エレーヌや新型A8を日本初出展!

「東京モーターショー2017】アウディ A8

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2017年10月25日、東京モーターショー2017にて、アウディはプレスカンファレンスを開催。自動運転レベル4のEVコンセプトモデル「エレーヌ」や新型A8を日本初出展しました。

Photo:S.Kamimura
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【全文書き起こし】アウディジャパン代表取締役社長 斎藤徹氏の発表

【全文書き起こし】アウディジャパン代表取締役社長 斎藤徹氏の発表

皆さま、おはようございます。

本日は東京モーターショー、アウディブースにお越しいただき誠にありがとうございます。

今年のモーターショーのテーマは、「Beyond the Moter」ですが、まさに前回のモーターショーからわずか2年の間に、1世紀以上にわたる自動車の概念を大きく変えるような変化が目の前で起こっていると感じます。

エンジンからモーターへ、というパワートレインの電動化はもちろんのこと、最近のコネクティビティや自動運転の目覚ましい進化は、私達が長年親しんできた自動車に、根本的な変化をもたらすことが明らかになってきました。

確かに、自動運転は自動車の意味そのものを変えてしまうような変化です。

クルマのシステムが人間に代わって運転という行為を引き受け、リアルタイムでクラウドと通信しながら、決してクラッシュすることなく、常に効率のいいルートで運転を行う…

かつてはサイエンスフィクションと思われていたオートパイロットが、2020年代のうちにも実現することが予見されています。

コンピューターの運転はまだまだ信用できない、という慎重な方もいるでしょう。ドライバーがいて、アクセルやハンドルを人が操作してこそクルマである、という自動車ファンも少なくありません。

アウディはもちろん、そうしたクルマを運転する行為の意味や楽しみを否定するものではなく、完全自動運転の時代になっても、操る楽しさのある、スポーティなクルマを作り続けるつもりです。

今回出展している新型アウディA8は、世界で初めてレベル3の自動運転システムを可能にしたクルマですが、自動運転に対するアウディの考え方を少し、お話ししたいと思います。

まず、レベル3、レベル4といった定義は、あくまでも技術的なカテゴリー分けであって、重要なことは、ユーザーにどういったメリットがあるのか、その使用形態だということです。

全世界で10億台以上のクルマが走る現代社会においては、過密化する都市の渋滞や経済ストレス、それによる事故がますます増大しています。

また常に外界と繋がり忙しい毎日を送る現代人にとって、毎日の通勤時の運転や、都市間の長距離移動は退屈で無駄な時間と感じられるでしょう。

そうした状況では、自動運転システムが運転を代行すれば、そこで生まれた時間を、仕事や同乗者との会話、もしくはリラックスするなど、他の有意義な活動に使えます。

アウディが新型A8で、高速道路における渋滞時に、同一車線内での自動運転を行うAI「トラフィックジャムパイロット」を開発したのは、渋滞中の運転に費やす時間をユーザーに有効に使ってもらえると考えたからです。

アウディではこうして生まれるエキストラな時間を25時間目と呼んで、どのような過ごし方が可能で有意義か研究を重ねてきました。

アウディは、自動運転技術は一挙に飛躍的に進歩するものではく、段階的に進むものだと考えています。

先月のフランクフルトモーターショーで、レベル5の完全自動運転のリムジンカーのアウディ「AICON」、レベル4の高度な自動運転機能を持つコンセプトカー、アウディ「エレーヌ」を同時にお披露目しました。

AICONはアクセルもブレーキもハンドルもない完全自動運転のクルマで、たとえば毎日の通勤や都市間の高速移動で使用するパーソナルリムジンです。

個人、もしくは数人のためのファーストクラスの空間を提供するクルマとなっています。しかし、航続距離800kmのEVであるAICONが現実のものになるには、まだ10年以上かかるでしょう。
一方、今回こちらに展示しているアウディ「エレーヌ」、2019年に生産を開始するアウディ2番目の電気自動車、アウディE-TRONスポーツバックのプロトタイプといってもいいクルマです。

エレーヌは高速道路を時速130kmまで自律走行することが出来、またガレージではバレーパーキングの代わりに、自動運転で自らスペースを見つけ駐車します。

このように、一定のエリア内や環境下では、ドライバーの介入の全く必要のないレベル4の高度な自動運転機能を有しています。

エレーヌは、航続距離500kmをもっています。アウディ初のEVとなる、E-TRONに続いて、日本にも2020年までに導入する予定です。

そして、来年日本で発売する新型A8、パークパイロットやガレージパイロットといった自動運転機能を含め、40種類ものドライバーアシストシステムを搭載しています。

レベル3のトラフィックジャムパイロットの導入は、日本を含むほとんどの国でシステムがクルマに代わって運転する法的な整備が必要ですが、アウディはそれに向けて積極的な働きかけを行っています。

なぜならアウディは、こうした自動運転技術が、事故を減らしてクルマの安全性を高めるのことはもちろん、人間を単調で生産性の低い作業から解放し、より自由な時間を生み出していくという、自動車のモビリティの新しい可能性を信じているからです。

こうした自動運転のクルマは高度なセンサーやコンピューターが搭載されており、AIとしての機能を進化させています。

近未来のクルマにはドライバーのパーソナルアシスタントとしてAIが常駐し、クラウドと常時通信しながら安全に快適に運行するだけでなく、ドライバーの気分や体調に応じて、音楽を選んだり空調を操作したりして、ドライバーをあらゆる面でサポートする事ができます。

新型A8の車内には全く新しいタッチパネルを介した操作系もご体験する事ができます。

新型A8のもうひとつのイノベーションは、量産モデルとして初めて、48V電源を電気システムとして標準搭載することです。

12kwの強力な回生エネルギーを生じるスターター、オルタネーターを装備したマイルドハイブリッドシステムにより、時速55kmから160kmまでのコースティングや、時速22km以下のアイドリングストップが可能になり、燃費を100km走行当たり0.7Lも削減します。

また、48V電源により4つのモーターを搭載、4つのホイールを個別に操作するAIアクティブサスペンション機能を世界で初めて搭載しました。
たとえば、側面からの衝突が不可避になった場合に、衝突する側の車体を瞬時に8cm持ち上げる事により、衝撃を大幅に低減する機能をもっています。

この48V電源と、マイルドハイブリッドシステムは、みなさんの右手にあるアウディQ8スポーツコンセプトにおいても、より強力な形で搭載されており、このモデルも2年以内に日本に導入する予定です。

このように新型A8、Q8スポーツコンセプト、そしてエレーヌは、もう目の前にある未来を体現しているモデルといえるでしょう。

さて、クルマがこれからより便利に、快適になる未来をお話ししましたが、最後に、その一方の局にある、クルマを運転する楽しみについて触れさせてください。

アウディは完全自動運転の時代が到来しても、人がクルマを操る楽しみをもったスポーツカーは決してなくならない、と考えます。

EVになっても、私達の五感を刺激する「R8」のようなクルマは存在し続けるでしょう。

アウディがそう信じる証拠のひとつが、ドイツメーカーとして初めて、今期から「フォーミュラE」にファクトリーチームとして参戦する事です。

また、R8やRS3セダンによるカスタマーレーシングは、世界中で人気の高まりをみせており、日本でもスーパーGTやスーパー耐久に参戦する機会を提供しています。

昨年から本格的に展開しているアウディスポーツ。このモデルとしては、今年「RS3セダン」、「RS3スポーツバック」、あるいは「RS5クーペ」を発表いたしましたが、来年は今回展示している新型アウディ「RS4アバント」これを発売いたします。

アウディが新開発した2.9リッター、450馬力のV6エンジンを搭載し、0-100kmをわずか4.1秒で加速する、スーパースポーツ並みの性能を持つRS4は、まさに羊の皮をかぶったオオカミ、といえるでしょう。

AIによる高度な自動運転から、サーキットにおけるスーパースポーツまで、クルマは私達にこれまでにないほど、拡がりのある多様な世界を提供しています。

その先にある未来を信じて、アウディはこらからも先駆けて跳躍することを続けていきたいと思います。

ご清聴ありがとうございました。
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