林道を本格的に楽しめる国産SUV車5選

そもそも林道とはどんな道?

林道

林道とは、山で伐採した樹木を運んだり、植林のために林業関係者が使う道路のこと。自動車輸送が盛んになった昭和30〜40年代に、その多くが整備されました。

ひと口に林道と言っても、いろいろな道があります。本来の役割を終えて観光道路に転身した道、地元の人の生活道路を兼ねている道、いまも現役で林業に使われている道…。舗装された道もあれば、砂利道もあります。

なかでもSUVユーザーに人気なのが、未舗装の林道です。現在、日本の林道は舗装化がどんどん進んでおり、未舗装の林道が貴重な存在になっています。また未舗装でも、一般車の通行が禁じられているところがほとんどです。

未舗装路にもいろいろと路面状況があり、整備されて非常に走りやすいフラットダートもあれば、雨に道が流されて凸凹になってしまっている道もあります。こうした道の状況によって、適したSUVとそうでないSUVがあるのです。

それはそもそも、SUVのすべてがオフロードを走るという設計思想ではないからです。車種によってはオンロードがメインで、あとは雪道やちょっとしたフラットダートを走ることしか考えていない…というモデルもざらです。

また単なるスタイルとして造られているクロスオーバーSUVもあり、そういったモデルはちょっとした深雪でも立ち往生してしまう場合も少なくありません。

では、どういったSUVが林道を走るのに適しているのでしょうか。それには簡単な見分け方があるのです。

まず4WDシステムをチェックしよう

日産 エクストレイル

4WDとは、4輪にエンジンの力が伝わって駆動する「4輪駆動」のことを言います。他に4×4やAWDといった言い方もします。

ほとんどのクルマは、前2輪か後2輪が駆動して走っていますが、4WDは4輪が動いているので、タイヤが空転しやすい林道やオフロードでも安定した走破力が得られるのです。

人気のSUVの駆動方式にも、4WDと2WDがあります。林道やオフロードを積極的に走りたいという人は、やはり4WDを選ぶべきです。でも、すべての4WDが未舗装路に向いているとは限りません。

4WDのなかには”生活4駆”といわれ、雪道や雨で濡れた路面、整備されたフラットダートしか走行シーンとして想定されていないシステムもあるのです。

4WDシステムは大きく2つにわけることができます。「フルタイム4WD」と「パートタイム4WD」です。

フルタイム4WDは基本的に、ドライバーが2WD↔4WDを切り替える必要がないシステム。一方、パートタイム4WDはトランスファーという副変速機を持ち、ドライバーが任意で2WD↔4WDを切り替えるシステムです。

現在、多くのSUVはフルタイム4WDを採用しています。そしてその多くが、路面状況や走行状況をコンピューターが判断し、自動的に2WD↔4WDの切り替えや各タイヤへの駆動力配分を行ってくれます。

このシステムのなかでも、オフロード走行を考慮して各輪の駆動をコントロールするものがあります。それが、日産 エクストレイルのオールモード4×4-i、スバル XVのX-MODE、三菱アウトランダーのS-AWCといった電子制御システムです。

つまりこの3車であれば、タフな悪路に遭遇した時でも、特別な技術を要することなく安心して走れるというわけです。

最強のオフロードSUVはこれだ!

ランドクルーザー プラド

さて、悪路に向いたSUVを探す場合、駆動方式だけでなくボディ構造もチェックする必要があります。

 先に紹介した3モデルは、いわゆるモノコックボディ。つまり鋼板をティッシュボックスのように組み立てて、ボディ剛性を確保している構造になっています。これには車重が軽く、燃費性能と運動性が良くなるというメリットがあります。

一方で、あまりに激しい悪路走破性には向いていないという弱点もあります。大きな岩や深い凹凸を越えるには、ボディ強度が足りないのです。

そんなシーンでもタフにこなしてくれるのが、ラダーフレームボディ。鉄製のハシゴ形フレームの骨格を持ち、これに鋼板ボディが載っています。仮に路面から強い衝撃があっても、このラダーフレームがそれを吸収してくれます。

ラダーフレームボディのSUVは、サスペンションも頑丈です。リジッド式サスペンションといって、非常に頑丈な鋼鉄製の筒(ホーシング)のなかに、車輪を動かす軸(ドライブシャフト)やディファレンシャルギア(差動制限装置)が入っており、岩などにサスペンションをぶつけても簡単には壊れません。

さらに、4WDシステムにトランスファー(副変速機)を持っているのも強みです。トランスファーの利点は『4WDロー』というギアがあること。これは通常の駆動力では走破できない急な坂道や、激しく荒れたオフロードで、変速比を落としてより強力な駆動力を得るというメカニズムです。

これらの構造を持っているのが、トヨタ ランドクルーザーシリーズと、スズキ ジムニーシリーズです。ともに国産車最後の本格オフロード4WDと言われているモデル。

ランドクルーザーシリーズには、ランドクルーザー(200系) とランドクルーザー プラドがあります。ボディサイズから見て、日本の林道に向いているのは、ランドクルーザー プラドです。

駆動方式はフルタイム4WDですが、「マルチテレインセレクト(一部グレードにオプション)」という最強の電子制御システムを持っています。走る未舗装路の状況に合わせてダイヤルを回すと、クルマが自動的にアクセルとブレーキを制御してくれるこのシステムでは、ドライバーはステアリングを回すだけ。世界の辺境地で活躍しているだけあって、その悪路走破性は抜群です。

一方、ジムニーには軽自動車と、1.3Lエンジンを積んだシエラがあります。どちらも優れた悪路走破性を持っていますが、どちらかというと、直3ターボエンジンを積んだ軽自動車版のほうが、林道やオフロードでは扱いやすいといえます。

ただしジムニーには、ランドクルーザーや前項で紹介したSUVのような、電子制御4WDシステムがありません。さほど荒れていない路面ならなんの心配もありませんが、激しく荒れた路面では各輪の駆動状況を自分で確認しながら、アクセルやブレーキをコントロールする必要があります。

テクニックが必要な反面、”自分で運転する楽しみ”があると言えるクルマです。それにボディサイズが小さく小回りが利くため、日本の林道では最強と言われています。

以上、日本の林道ドライブに適したSUVを5モデルでした。

そうそう、忘れてはいけないのは、林道やオフロードには独特のテクニックがあるということ。基本技術を知ってからではないと、スタックして帰れない…なんてこともあるので、ご注意を。

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