助手席の人がハンドル操作、これって違法?

助手席からのハンドル操作は、かなりグレーゾーン

運転

公道を走行中、運転者に代わって助手席の乗員がハンドル操作を行った場合、違法なのでしょうか。

道路交通法を調べ、最寄りの警察にも尋ねてみましたが、結果は合法とも違法とも言い切れないグレーゾーンでした。というのも、助手席からハンドル操作を行うケースは、必ずしも危険とは言い切れないからです。

たとえばドライバーが運転中に突然、発作や心筋梗塞などでハンドル操作が不能になった場合、助手席の乗員がハンドル操作を行わなければ、重大事故に繋がる可能性があります。この場合には、緊急危機回避として違反にはなりません。

しかし、助手席の乗員が悪ノリやふざけてハンドルを操舵し、車両が走行区分を超えて蛇行したり、ふらついて他交通車両に接触や衝突の危機が認められる場合、安全運転義務違反として運転者が処罰対象になります。

助手席からハンドルが違反と明記されない理由とは?

道路交通法は、交通の円滑化を図る目的で制定されており、自動車の運行に関しては運転者に安全運行の責任を求めています。

助手席や後席の乗員は運転操作に関与しない前提なので、そもそも助手席からハンドル操作を行う事態を想定されていません。そのため、助手席からハンドル操作は、明確な違法行為とはならないのです。

また、助手席からのハンドル操作を違反と記してしまったとき、前述したような緊急危機回避はどうなる?となります。さらに緊急危機回避について規定すると、どんな場合が緊急危機回避に当たるのか…と細分化が余儀なくされ、法律的には抜け穴が多くなってしまいます。

助手席からのハンドル操作は、一般常識的にはあってはならない行為です。しかしやむを得ない場合もあります。この点は、法律の解釈の幅をあえて持たせていると考えるべきでしょう。

助手席からハンドル操作で思わぬ事故も…

追突事故

助手席の乗員によるハンドル操作は、明確な違反ではありません。しかし、だからといって「違反にならないのなら、やってみよう!」とは考えないでください。実行しないでください。

助手席からハンドル操作を行い、交通事故を引き起こしたケースは多々あり、なかには死亡事故も発生しています。明確な違反ではないものの、安全とは言えない極めて危険な行為であることに、変わりはありません。

しかも死亡事故を起こしたとしても、問われる違反は安全運転義務、過失運転致死傷が一般的です。残された被害者家族の損失や心の痛みを考えたら、刑罰が軽すぎると感じます。厳罰を希望し、危険運転過失致死傷罪に問いたいところですが、故意に他交通を妨害しようとしたり、運転者などを殺害しようとしない限り、危険運転致死傷罪には問えないのです。

安易にするべき行為ではありません。

助手席は運転者の補佐ではない

ドライブ

そもそも運転者とは、道路交通法ではどのように規定されているのでしょうか。

運転者とは、車両の操作を行う人で、運転操作は1名の運転手により行われます。道路運送車両法でも、運転席は1点であることを前提としており、運転席が2点以上の複座式乗用車は、日本では認められていません。

助手席は運転者以外が乗る場所として、後部座席と同じ乗員用座席として扱われます。運転者の運転を補佐する助手としての立場は、法に規定されていません。ラリーのようなコパイロットという概念は、乗用車にはないのです。

となると、助手席の乗員が運転に関与することは(法では明記していませんが)、世間一般的には非常識と言え、容認され得るのは緊急時のみなのです。

※執筆にあたり警察に取材していますが、緊急危機回避のケースは、必ずも記事の内容が適用されるとは限りません。ご注意ください。

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