ワーゲンバスがEV車で復活!どんな車になる?

VW I.D. BUZZ

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2017年8月19日、ペブルビーチ コンクール デレガンスの会場において、フォルクスワーゲン(以下、VW)社は、I.D.BUZZの2022年以降の発売を明言しました。I.D.BUZZとは、2017年デトロイトショーで詳細が発表されたミニバン型EVで、VW マイクロバス(タイプ2)、通称ワーゲンバスの再来と位置づけられています。
Chapter
8月19日のペブルビーチは熱かった!
VW I.D.BUZZとは?
今後のVWのEV戦略は?
欧州は一気にEV化推進の流れへ

8月19日のペブルビーチは熱かった!

2017年8月19日、アメリカ・カリフォルニア州モントレーで開催されたペブルビーチ コンクール デレガンスの会場で、VW社は、I.D.Buzzを、2022年以降、小型4ドアの次に発売すると明言しました。

当日ペブルビーチでは、I.D.Buzzが公道を走行し、すぐに衆目を集めたとのこと。2017年1月のデトロイトショーで、市販化を前提としたI.D.BUZZコンセプトを発表して以来、市販化を熱望するファンは多い模様です。

なお当日には、BMW社がConcept Z4を発表。新型のミニバンとスポーツカーで、ペブルビーチは熱く燃えたことでしょう。

VW I.D.BUZZとは?

VW社のEVのシリーズの名称が、I.Dです。2017年8月現在、I.D.シリーズには、5ドアハッチバック、5ドアクロスオーバー、ミニバンが予定されています。I.D.Buzzは、そのミニバンで、I.D.シリーズの2番手、または3番手となるようです。

シルエットは、70年代のVW マイクロバス(タイプ2)を踏襲し、フロントマスクはクールで洗練された都会的な近未来デザインです。

I.D.BUZZの走行性能

ペブルビーチでは、詳細についての発表がなかったので、デトロイトショー2017のリリースから、紹介しましょう。

ボディの骨格となるプラットフォームは、Modular Electric Drive Kit(MEB)と呼ばれるモジュール型を採用しています。モーターは、前後各1基ずつの計2点。定格出力はそれぞれ150kWで、最大出力は275kW(374ps)。駆動方式はAWD。

0-1000km/h加速は、5秒フラット。最高速度は160km/hを上限とされ、航続距離は600kmです。

最大出力、静止発進加速タイムはどちらも、ポルシェ 911カレラと互角。アメリカのBollinger MotorsのEV、Bollinger B1の場合もですが、ポルシェ 911カレラはまるで、EVのベンチマークとなっているようです。

充電時間は150kWで、80%充電に30分ですが、これはEVSEタイプ レベル3を想定しているようで、2017年時点で日本に普及している急速充電機の場合、最速でも1.5倍の45分程度はかかりそうです。

I.D.BUZZの車体寸法

VWがミニバンと呼ぶI.D.BUZZですが、ボディサイズは、全長4,942mm×全幅1,976mm×全高1,963mm、ホイールベースは3,300mmで、フルサイズに近い大きさです。日本車でいえば、ランクル200クラスのワンボックスカーということになります。乗車定員は8名です。

I.D.BUZZの自動運転性能

コンセプトカーでは、すでにレベル5の自動運転に対応可能とのことですから、あとは法規や保険が追いついてくれるのを待つだけです。商用車バージョンのI.D.BUZZ Cargoでは、レベル3に制限して販売する予定とのことです。

I.D.BUZZのメイン市場は?

メイン市場は、北米、欧州、中国。日本は市場規模的にメイン市場にはなり得ませんが、VW社の日本法人があるのですから、正式輸入を期待したいですね。

今後のVWのEV戦略は?

VWグループが、2016年に発表した新しい経営戦略が「Strategy 2025」です。それによると、2025年までにグループ全体でEVを30車種投入する方針とのこと。

これを実現する強い武器が、モジュール型プラットフォームのMEBです。モーター部やバッテリー部をモジュール化し、車両サイズ毎に複数用意すれば、EVフルラインナップの完成です。現にI.D.BUZZの車台は、拡張版MEB XL(the extended MEB XL platform)を使用すると明言しており、I.D.の標準車(5ドアHB)のMEBより大型のようです。

MEBをVWグループ全社で採用すれば、スケールメリットを活かし大量生産によりコストを削減しつつ改良を重ねることができ、性能向上も期待できます。

なおかつコンパクトからSUV、スーパーカー、ショーファードリブンまで多種多様なEVが誕生し、EVのイメージ向上と次世代車の標準になり得ます。さらにディーゼル問題で失墜したVW社の名誉と信用も回復出来る、という計画と推察できます。

欧州は一気にEV化推進の流れへ

フランス、イギリスと2040年までに内燃機関の新車販売禁止を発表し、世界の自動車業界やファンに波紋を呼んでいますが、じつはドイツも2016年10月に販売禁止を連邦議会で採択していました。その期限は2030年。英仏よりもさらに10年早く、あと13年後に迫っています。

環境問題を理由に内燃機関は淘汰され、自動車の原動機はモーターに成り代わっていく流れが、世界的に鮮明になってきました。日本は内燃機関の販売禁止を明言していませんが、充電ステーションや水素ステーションの拡充ぶりを考えると、いずれガソリン車に乗っていると白い目で見られる時代が到来しそうです。
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