もし日本でディーゼル車禁止令が出たら、所有者はどうすればいいの?

フランスがディーゼル車販売を禁止にした理由

フォーミュラE ルノー

2017年7月6日、フランスのニコラ・ユロ環境連帯移行大臣が「2040年までにガソリンとディーゼルの内燃機関を搭載する自動車の販売と生産を禁止する」と発表しました。理由は、大気汚染防止のため。2015年に発生したVW社のディーゼル車排ガス不正問題が契機と言われています。

政治的にはEU内で発言力の強いドイツのメルケル首相に対する、フランス・マクロン新大統領の牽制でもあり、世界2位の原発大国であるフランスの電力需要を国内外でさらに高めるための方針でもあると考えられています。

技術的、インフラ的にみても、フランス国内はEVへの対応が進んでいません。目標の2040年までに内燃機関車の販売を禁止できるかは、懐疑的です。

ただしルノー(もとは国営のルノー公団)は、EV開発に積極的です。資本提携先が日産・三菱自動車で、両社でEV・PHEVの技術が確立されています。さらにルノーと日産は、車台を一部共有しており、EV技術の転用も可能と考えられます。

また、日産が三菱と資本提携した理由のひとつが、アウトランダーに採用されるPHEV技術の獲得と言われています。近い将来、日産とルノーにもPHEVが登場することでしょう。

イギリスは大気汚染が深刻

レンジローバー ヴェラール 2017

海を挟んだイギリスも「2040年から内燃機関車の新規販売を禁止する」と発表しています。

ただしこちらの事情は、フランスより深刻で、EU基準値を超える大気汚染が、ロンドン、バーミンガム、マンチェスターなど全国17都市に拡大し、メイ首相は30億ポンド(約4,330億円)の大気汚染対策費用を準備。イギリス国内では大気汚染により、最低年間4万人が早逝し、被害額は200億ポンド(約2兆8,864億円)と推定されます。

対策として、排気ガスを多く排出するディーゼル車両の改造、一定速度で走行でき、ストップ・アンド・ゴーを減らすよう道路レイアウトを変更、ディーゼル車から環境対策車へ買い替え、窒素酸化物(NOx)除去フィルター設置の補助金交付などを予定しています。

このような国内事情では、内燃機関車販売禁止も仕方がないのかもしれません。

日本でディーゼル車を禁止にする理由

もし日本でディーゼル車販売を禁止にする理由があるならば、現在の自動車排気ガス規制では基準が定められていない走行時のNOx排出量です。

2015年のVWショックを受け、2016年3月に国土交通省でもトヨタ、日産、三菱、マツダのディーゼル車で検査を行いました。

結果は、トヨタ、日産、三菱のディーゼル車では走行時に排出されるNOx量が、基準の2~10倍となり、国土交通省ではこれを問題視。近く規制に乗り出すとしています。走行時にNOx未検出だったのは、マツダのクリーンディーゼルのみでした。

ディーゼル車が禁止になったら、所有者はどうしたらいい?

CX-5

もし本当に、国土交通省が走行時NOx排出量規制を実施したら、ディーゼル車は法律により販売禁止になるのでしょうか?

筆者の答えは「ノー」です。なぜならマツダ1社だけでも、走行中にNOxを排出しないディーゼルエンジンを製造出来るからです。

走行時にNOx排出量規制が始まり、各社が基準をクリアできなければ、マツダと技術提携すれば解決します。先日のトヨタとマツダの資本提携発表は、その布石かもしれません。

または触媒やフィルターにより、走行時NOx排出量を抑える技術が開発されるかもしれません。

ディーゼルにこだわらなければ、環境対策車に乗り換える手もあります。ディーゼルエンジン同様、低速でも大トルク感を体感できるモーター駆動車なら馴染みやすいでしょう。

ディーゼルエンジンを法律で禁止にするのであれば、代替エネルギーのインフラを整え、代替環境対策車の普及がさらに進み、PHEV・EV・FCVが日本保有車両の主流となる時です。その時期は、2040年以降と予測されています。

どうやら2040年は、自動車テクノロジーのターニングポイントとなりそうです。

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