乾いた音がお好き?排気音はどのようにして決められるのか

排気音の正体とは何か?

排気ガス

まず最初に、エンジンからの排気音とは、いったいどのように生じているのか、解説しましょう。

エンジンで爆発燃焼した後の排気ガスは、排気バルブから排出されると、エンジンに取り付けられたエキゾーストマニホールドを通ってマフラーのフロントパイプに至ります。その後、センターパイプを通って、テールエンドから排出されるわけです。

そこまでの過程で、当初、排気ガスは非常に高温・高圧力であるため、常温の空気に触れるとそれを急激に膨張させ、その時に発生する振動が排気音となります。まったく消音を行わない状態、すなわちエキゾーストパイプ以降なにも無いような状態だと、一見おとなしい実用エンジンでも爆音を立てるのはそれが理由です。

クルマではマフラー脱着の時くらいしか試す機会がありませんが、わかりやすいのはホンダなどが発売していてホームセンターでも販売しているエンジンつき発電機でしょう。たいていの場合は、標準でほとんど消音されておらず、安価で小型な発電機でも、静かな住宅街で夜間に使おうものなら苦情が来るほどの爆音を立てます。

それゆえスクーター用のサイレンサーを取り付けたり、高価な消音ケースを買う、あるいは自作しないことには、納屋を持った農家などならともかく、一般家庭ではとても使えません。ましてやクルマのようなもっと大きなエンジンでは、どれだけ爆音になるかということです。

爆音は、各部で消音される

マフラー

そのため、排気ガスは実際に排気されるまでの間に膨張や干渉を繰り返させ、圧力や温度を段階的に低下させていくことで、実用的なレベルまで消音していきます。

まずはマフラーの排気管を長く取ることだけでも、テールエンドまで排出される間にいくらか温度が低下します。この状態を”直管マフラー”といいますが、これでもけたたましい爆音レベルなことには代わりがありません。

昔はよくサーキット走行用などでこの直管マフラーを装着する人がいましたが、最近は民家が近いなどの理由で、排気音制限されているサーキットも増え、直管マフラーは減りました。

一般的には、エキゾーストマニホールド直後、あるいはマフラーのフロントパイプ直後に装着されるキャタライザー(触媒)と呼ばれる排ガス浄化装置や、センターパイプのサブサイレンサー、テールパイプ近くのメインサイレンサーで消音します。

これに加えて、コストや消音などを理由にパイプの曲げや潰れが、出力や出力特性より優先されて設定されているため、純正マフラーの場合は排気音が非常に静かです。

さらにターボエンジンの場合は、エキゾーストマニホールドからの排気でタービンを駆動するため、そこでの排圧損失によってNA(自然吸気)エンジンより少ない対策で排気音を抑えることができます。

NAエンジン車にターボ車用のマフラーをつけた経験がある人はわかると思いますが、排気音対策の少ないターボ車用マフラーにするだけで、排気音がかなり上がることもあるんですね。

排気音の味付けはどこでする?

さて、その構造を説明したところで、具体的な排気音のチューニングがどこでなされるかですが、直接的にはメインサイレンサー内の消音装置のセッティングによって行われます。

ひと昔前のクルマ用のスポーツマフラーなら、メインサイレンサーの代わりに、マフラーのテールエンドへ脱着式のインナーサイレンサーを装着し、公道以外ではそれを外すことで排圧低下と排気音アップを同時に行うものもありました。

現在販売されているクルマでは脱着式サイレンサー(工具などで簡単に脱着できるもの)は認められていませんが、2000年代までのクルマはこの点便利です。

メインサイレンサーに頼る場合、現在では低中回転の実用域では静かに、高回転域でのみスポーティなエキゾーストノートを奏でるのが一般的です。

また、ボクサー(水平対向)エンジンの場合、あえて純正の等長エキマニから不等長エキマニに換装、排気干渉を起こすことで、昔ながらのドロドロしたボクサーサウンドを奏でさせる場合もあります。

なんらかの理由でサイレンサーの中身が脱落した直管状態になると、高回転域では「ファーーーン!」とウットリするほどレーシーなエキゾーストノートを奏でることもありますが、整備不良になりますから、そこはキチンと直しましょうね。

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